この問題集の使い方

第1章から第7章と数学コラムにある 198問 を、章ごとにまとめました。最初はヒントと解答を閉じたまま自力で考え、必要になった段階だけヒントを1つずつ開いてください。

  • 星1〜2:定義と基本計算を確認する
  • 星3:統計検定1級の標準問題として解けるようにする
  • 星4:途中式と定理の条件まで書く
  • 星5:1周目は飛ばしてもよい発展問題

問題文には、解くために必要な条件だけを置いています。公式名や解法の方向は、問題の下にある 段階別ヒント を開いたときだけ見える設計です。解答はすべて 模範解答 → 答案の骨組み → 計算 → 答案での注意 の順で、別の考え方が有効な問題には 別解・別の見方 を付けています。

章別一覧

問題数
第一章 確率の基礎11問
第二章 確率分布と期待値18問
第三章 さまざまな確率分布30問
第四章 多次元確率変数の分布30問
数学コラム 必要な数学の確認12問
第五章 標本分布とその近似37問
第六章 統計的推定26問
第七章 統計的仮説検定34問

第一章 確率の基礎

この章は11問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(5問)

問題1:0,1 の送信と受信

0 または 1 を送信する通信を考えます。 送信される値は 0 のほうが多く、次の確率で選ばれるとします。

P(X=0)=0.7,P(X=1)=0.3P(X=0)=0.7,\quad P(X=1)=0.3

受信では、0 を 1 と誤る確率が 0.050.05、1 を 0 と誤る確率が 0.100.10 だとします。

P(Y=1X=0)=0.05,P(Y=0X=1)=0.10P(Y=1\mid X=0)=0.05,\quad P(Y=0\mid X=1)=0.10

このとき、受信値が 1 である確率 P(Y=1)P(Y=1) を求めます。 また、受信値が 1 だったとき、本当に 1 が送られていた確率 P(X=1Y=1)P(X=1\mid Y=1) を求めます。

送信値受信値が 0受信値が 1
X=00.950.05
X=10.100.90
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

起こり得る経路を分けて全確率の公式で受信・陽性の確率を求め、その後にベイズの定理で原因側の確率へ戻します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

全確率の公式より、

P(Y=1)=P(Y=1X=0)P(X=0)+P(Y=1X=1)P(X=1)P(Y=1) = P(Y=1\mid X=0)P(X=0) + P(Y=1\mid X=1)P(X=1)

です。 ここで、

P(Y=1X=0)=0.05,P(Y=1X=1)=0.90P(Y=1\mid X=0)=0.05,\quad P(Y=1\mid X=1)=0.90

なので、

P(Y=1)=0.050.7+(0.90)0.3=0.035+0.270=0.305P(Y=1) = 0.05\cdot 0.7 + (0.90)\cdot 0.3 = 0.035+0.270 =0.305

です。

次に、ベイズの定理より、

P(X=1Y=1)=P(Y=1X=1)P(X=1)P(Y=1)P(X=1\mid Y=1) = \frac{P(Y=1\mid X=1)P(X=1)}{P(Y=1)}

です。 したがって、

P(X=1Y=1)=0.900.30.305=0.2700.3050.885P(X=1\mid Y=1) = \frac{0.90\cdot 0.3}{0.305} = \frac{0.270}{0.305} \approx 0.885

となります。 受信値が 1 だったとき、本当に 1 が送られていた確率は約 88.5%88.5\% です。 送信前には 1 が送られる確率は 30%30\% でしたが、受信値 1 という情報を得ると確率が大きく更新されます。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題2:和集合と共通部分

2つの事象 A,BA,B について、

P(A)=0.45,P(B)=0.30,P(AB)=0.12P(A)=0.45,\quad P(B)=0.30,\quad P(A\cap B)=0.12

とします。 次を求めてください。

  1. P(AB)P(A\cup B)
  2. P(AcB)P(A^c\cap B)
  3. P(AB)P(A\mid B)
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ヒント1:最初の着眼点

ベン図を思い浮かべ、重なりを二重に数えないようにします。条件付き確率では、条件に置いた事象の確率が分母です。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、和集合の公式を使います。

P(AB)=P(A)+P(B)P(AB)P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)

なので、

P(AB)=0.45+0.300.12=0.63P(A\cup B)=0.45+0.30-0.12=0.63

です。

次に、AcBA^c\cap B は「BB は起こるが AA は起こらない」部分です。 BB は、

B=(AB)(AcB)B=(A\cap B)\cup(A^c\cap B)

と分けられ、この2つは排反です。 したがって、

P(B)=P(AB)+P(AcB)P(B)=P(A\cap B)+P(A^c\cap B)

です。 よって、

P(AcB)=P(B)P(AB)=0.300.12=0.18P(A^c\cap B)=P(B)-P(A\cap B)=0.30-0.12=0.18

となります。

最後に条件付き確率です。

P(AB)=P(AB)P(B)P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}

なので、

P(AB)=0.120.30=0.40P(A\mid B)=\frac{0.12}{0.30}=0.40

です。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

別解・別の見方

ベン図を描いても解けます。2つの円を重ね、重複部分を1回だけ数えると、和集合の公式がそのまま見えてきます。式を忘れたときに有効です。

問題3:独立性の判定

2つの事象 A,BA,B について、

P(A)=0.6,P(B)=0.5,P(AB)=0.3P(A)=0.6,\quad P(B)=0.5,\quad P(A\cap B)=0.3

とします。 AABB は独立ですか。

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ヒント1:最初の着眼点

独立なら同時に起こる確率が積になることを使います。P(AcapB)P(Acap B)P(A)P(B)P(A)P(B) を別々に計算して比較します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

独立であるための条件は、

P(AB)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B)

です。 右辺を計算すると、

P(A)P(B)=0.6×0.5=0.3P(A)P(B)=0.6\times 0.5=0.3

です。 これは与えられた

P(AB)=0.3P(A\cap B)=0.3

と一致します。 したがって、AABB は独立です。

同じことは条件付き確率でも確認できます。

P(AB)=P(AB)P(B)=0.30.5=0.6P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)} =\frac{0.3}{0.5} =0.6

であり、

P(AB)=P(A)P(A\mid B)=P(A)

なので、やはり独立です。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題4:全確率の公式

事象 B1,B2,B3B_1,B_2,B_3 が標本空間を排反に分割しているとします。

P(B1)=0.2,P(B2)=0.5,P(B3)=0.3P(B_1)=0.2,\quad P(B_2)=0.5,\quad P(B_3)=0.3

また、事象 AA について、

P(AB1)=0.1,P(AB2)=0.4,P(AB3)=0.7P(A\mid B_1)=0.1,\quad P(A\mid B_2)=0.4,\quad P(A\mid B_3)=0.7

とします。 P(A)P(A) を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

全確率の公式より、

P(A)=i=13P(ABi)P(Bi)P(A)=\sum_{i=1}^{3}P(A\mid B_i)P(B_i)

です。 それぞれ代入すると、

P(A)=0.10.2+0.40.5+0.70.3P(A) =0.1\cdot 0.2+0.4\cdot 0.5+0.7\cdot 0.3

です。 計算すると、

P(A)=0.02+0.20+0.21=0.43P(A)=0.02+0.20+0.21=0.43

となります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:ベイズの定理

事象 B1,B2B_1,B_2 が標本空間を排反に分割しており、

P(B1)=0.7,P(B2)=0.3P(B_1)=0.7,\quad P(B_2)=0.3

とします。 また、

P(AB1)=0.2,P(AB2)=0.6P(A\mid B_1)=0.2,\quad P(A\mid B_2)=0.6

です。 AA が起こったとき、それが B2B_2 側から来た確率 P(B2A)P(B_2\mid A) を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、分母となる P(A)P(A) を全確率の公式で求めます。

P(A)=P(AB1)P(B1)+P(AB2)P(B2)P(A)=P(A\mid B_1)P(B_1)+P(A\mid B_2)P(B_2)

なので、

P(A)=0.20.7+0.60.3=0.14+0.18=0.32P(A)=0.2\cdot 0.7+0.6\cdot 0.3=0.14+0.18=0.32

です。 ベイズの定理より、

P(B2A)=P(AB2)P(B2)P(A)P(B_2\mid A) = \frac{P(A\mid B_2)P(B_2)}{P(A)}

です。 したがって、

P(B2A)=0.60.30.32=0.180.32=0.5625P(B_2\mid A) = \frac{0.6\cdot 0.3}{0.32} = \frac{0.18}{0.32} =0.5625

となります。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

別解・別の見方

仮想的に1万人いると置き、病気あり・なしと検査陽性・陰性の人数表を作る方法でも求められます。ベイズの公式の分母が何を足しているかを視覚的に確認できます。

医薬・生命科学の問題(6問)

問題1:病気と検査

ある病気の有病率を 1%1\% とします。 病気である事象を DD、検査陽性である事象を ++ とします。

P(D)=0.01P(D)=0.01

検査の感度を 95%95\% とします。 感度とは、病気の人を陽性と判定する確率です。

P(+D)=0.95P(+\mid D)=0.95

検査の特異度を 90%90\% とします。 特異度とは、病気でない人を陰性と判定する確率です。

P(Dc)=0.90P(-\mid D^c)=0.90

したがって、病気でない人が陽性になる確率は、

P(+Dc)=0.10P(+\mid D^c)=0.10

です。 検査で陽性だった人が本当に病気である確率を求めます。

状態確率陽性になる確率全体に占める陽性
病気 D0.010.950.0095
病気でない D^c0.990.100.099
合計10.1085
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ヒント1:最初の着眼点

起こり得る経路を分けて全確率の公式で受信・陽性の確率を求め、その後にベイズの定理で原因側の確率へ戻します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

求めたいのは、

P(D+)P(D\mid +)

です。 ベイズの定理より、

P(D+)=P(+D)P(D)P(+D)P(D)+P(+Dc)P(Dc)P(D\mid +) = \frac{P(+\mid D)P(D)} {P(+\mid D)P(D)+P(+\mid D^c)P(D^c)}

です。 数値を代入すると、

P(D+)=0.95×0.010.95×0.01+0.10×0.99P(D\mid +) = \frac{0.95\times 0.01} {0.95\times 0.01+0.10\times 0.99}

分子は、

0.95×0.01=0.00950.95\times 0.01=0.0095

分母は、

0.0095+0.099=0.10850.0095+0.099=0.1085

なので、

P(D+)=0.00950.10850.0876P(D\mid +)=\frac{0.0095}{0.1085}\approx 0.0876

です。 つまり、検査が陽性でも、本当に病気である確率は約 8.8%8.8\% です。 有病率が低い病気では、偽陽性の影響が大きくなります。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

別解・別の見方

ベイズの公式を直接使う代わりに、対象者を1万人とした2×2表を作り、真陽性者数を陽性者総数で割っても同じ答えになります。

問題2:薬と治療効果は独立か

ある臨床試験で、薬を投与された事象を AA、治療効果があった事象を EE とします。 次の確率が分かっているとします。

P(A)=0.5,P(E)=0.4,P(EA)=0.6P(A)=0.5,\quad P(E)=0.4,\quad P(E\mid A)=0.6

薬の投与と治療効果は独立かどうかを、分割表を作って判定します。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、薬を投与され、かつ治療効果があった確率を求めます。

P(AE)=P(EA)P(A)=0.6×0.5=0.3P(A\cap E)=P(E\mid A)P(A)=0.6\times 0.5=0.3

次に、治療効果があった全体の確率は P(E)=0.4P(E)=0.4 なので、薬を投与されていないが治療効果があった確率は、

P(AcE)=P(E)P(AE)=0.40.3=0.1P(A^c\cap E)=P(E)-P(A\cap E)=0.4-0.3=0.1

です。 また、P(A)=0.5P(A)=0.5 なので、

P(AEc)=P(A)P(AE)=0.50.3=0.2P(A\cap E^c)=P(A)-P(A\cap E)=0.5-0.3=0.2

です。 残りは、

P(AcEc)=10.30.10.2=0.4P(A^c\cap E^c)=1-0.3-0.1-0.2=0.4

です。 したがって、分割表は次のようになります。

効果あり E効果なし E^c合計
投与あり A0.30.20.5
投与なし A^c0.10.40.5
合計0.40.61

独立なら、

P(AE)=P(A)P(E)P(A\cap E)=P(A)P(E)

が成り立ちます。 しかし、

P(A)P(E)=0.5×0.4=0.2P(A)P(E)=0.5\times 0.4=0.2

である一方、分割表より、

P(AE)=0.3P(A\cap E)=0.3

です。 一致しないので、薬の投与と治療効果は独立ではありません。

同じことは条件付き確率でも確認できます。

P(EA)=0.6,P(E)=0.4P(E\mid A)=0.6,\quad P(E)=0.4

なので、

P(EA)P(E)P(E\mid A)\neq P(E)

です。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題3:副作用の上限

ある薬について、眠気が出る事象を AA、吐き気が出る事象を BB とします。

P(A)=0.12,P(B)=0.08P(A)=0.12,\quad P(B)=0.08

このとき、眠気または吐き気の少なくとも一方が出る確率の上限を求めます。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

劣加法性より、

P(AB)P(A)+P(B)P(A\cup B)\leq P(A)+P(B)

です。 したがって、

P(AB)0.12+0.08=0.20P(A\cup B)\leq 0.12+0.08=0.20

です。 眠気または吐き気の少なくとも一方が出る確率は、高くても 20%20\% と評価できます。 この評価では、眠気と吐き気が独立かどうかを仮定していません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題4:有効かつ安全である確率

ある治療で、有効である事象を AA、重い副作用が出ない事象を BB とします。

P(A)=0.75,P(B)=0.92P(A)=0.75,\quad P(B)=0.92

このとき、「有効であり、かつ重い副作用が出ない」確率の下限を求めます。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

Bonferroni の不等式より、

P(AB)P(A)+P(B)1P(A\cap B)\geq P(A)+P(B)-1

です。 したがって、

P(AB)0.75+0.921=0.67P(A\cap B)\geq 0.75+0.92-1=0.67

です。 つまり、有効であり、かつ重い副作用が出ない確率は、少なくとも 67%67\% と評価できます。 ここでも、薬効と副作用の有無が独立であるとは仮定していません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:服薬アドヒアランスと血中濃度

患者が指示通り服薬している事象を AA、血中濃度が治療域に入る事象を TT とします。 次の確率が分かっているとします。

P(A)=0.8,P(TA)=0.9,P(TAc)=0.3P(A)=0.8,\quad P(T\mid A)=0.9,\quad P(T\mid A^c)=0.3

血中濃度が治療域に入る確率 P(T)P(T) を求めます。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

AAAcA^c で場合分けして、全確率の公式を使います。

P(T)=P(TA)P(A)+P(TAc)P(Ac)P(T)=P(T\mid A)P(A)+P(T\mid A^c)P(A^c)

です。 ここで、

P(Ac)=1P(A)=0.2P(A^c)=1-P(A)=0.2

なので、

P(T)=0.9×0.8+0.3×0.2P(T)=0.9\times 0.8+0.3\times 0.2

です。 したがって、

P(T)=0.72+0.06=0.78P(T)=0.72+0.06=0.78

となります。 血中濃度が治療域に入る確率は 78%78\% です。

この例では、服薬アドヒアランスによって血中濃度の分布が変わるため、AATT は一般には独立ではありません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:AI創薬モデルの陽性的中率

候補化合物の中で、実際に標的タンパク質に強く結合する化合物の割合を 5%5\% とします。 実際に強く結合する事象を AA、AIモデルが「有望」と判定する事象を ++ とします。

P(A)=0.05P(A)=0.05

モデルの感度、つまり実際に強く結合する化合物を有望と判定する確率を 80%80\% とします。

P(+A)=0.80P(+\mid A)=0.80

一方、実際には強く結合しない化合物を誤って有望と判定する確率を 15%15\% とします。

P(+Ac)=0.15P(+\mid A^c)=0.15

モデルが有望と判定した化合物が、実際に強く結合する確率 P(A+)P(A\mid +) を求めます。

AI創薬スクリーニングで事前確率が陽性判定後の事後確率に更新される模式図
AIモデルの陽性判定は、真のヒット率を 5% から約 21.9% に濃縮する情報として解釈できます。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

起こり得る経路を分けて全確率の公式で受信・陽性の確率を求め、その後にベイズの定理で原因側の確率へ戻します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

ベイズの定理を使います。

P(A+)=P(+A)P(A)P(+A)P(A)+P(+Ac)P(Ac)P(A\mid +) = \frac{P(+\mid A)P(A)} {P(+\mid A)P(A)+P(+\mid A^c)P(A^c)}

です。 まず、

P(Ac)=1P(A)=0.95P(A^c)=1-P(A)=0.95

です。 分子は、

P(+A)P(A)=0.80×0.05=0.040P(+\mid A)P(A)=0.80\times 0.05=0.040

です。 分母は、

0.80×0.05+0.15×0.95=0.040+0.1425=0.18250.80\times 0.05+0.15\times 0.95 =0.040+0.1425 =0.1825

です。 したがって、

P(A+)=0.0400.18250.219P(A\mid +) = \frac{0.040}{0.1825} \approx 0.219

となります。 有望と判定された化合物でも、実際に強く結合する確率は約 21.9%21.9\% です。

これは低く見えるかもしれませんが、ランダムに選ぶと 5%5\% なので、モデルにより候補化合物はかなり濃縮されています。 創薬スクリーニングでは、「当たる確率そのもの」だけでなく、「ベースラインからどれだけ濃縮できたか」も重要です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

第二章 確率分布と期待値

この章は18問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(10問)

問題1:離散型確率変数の期待値と分散

確率変数 XX の確率関数が次で与えられているとします。

xx0123
P(X=x)P(X=x)0.10.20.40.3
  1. E[X]E[X] を求めてください。
  2. Var(X)\mathrm{Var}(X) を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

期待値は、

E[X]=xxP(X=x)E[X]=\sum_x xP(X=x)

です。 したがって、

E[X]=00.1+10.2+20.4+30.3E[X] =0\cdot 0.1+1\cdot 0.2+2\cdot 0.4+3\cdot 0.3

です。 計算すると、

E[X]=0+0.2+0.8+0.9=1.9E[X]=0+0.2+0.8+0.9=1.9

です。

分散は、

Var(X)=E[X2](E[X])2\mathrm{Var}(X)=E[X^2]-(E[X])^2

で求めます。 まず、

E[X2]=xx2P(X=x)E[X^2]=\sum_x x^2P(X=x)

なので、

E[X2]=020.1+120.2+220.4+320.3E[X^2] =0^2\cdot 0.1+1^2\cdot 0.2+2^2\cdot 0.4+3^2\cdot 0.3

です。 計算すると、

E[X2]=0+0.2+1.6+2.7=4.5E[X^2]=0+0.2+1.6+2.7=4.5

です。 したがって、

Var(X)=4.5(1.9)2\mathrm{Var}(X)=4.5-(1.9)^2

です。

(1.9)2=3.61(1.9)^2=3.61

なので、

Var(X)=4.53.61=0.89\mathrm{Var}(X)=4.5-3.61=0.89

となります。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

別解・別の見方

分散は定義どおり E[(XE[X])2]E[(X-E[X])^2] を各値について足しても求められます。E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2 は、その計算を短くした公式です。

問題2:密度関数の定数を決める

連続型確率変数 XX の密度関数が、

f(x)={cx(0x2)0(otherwise)f(x)= \begin{cases} cx & (0\leq x\leq 2)\\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

で与えられているとします。

  1. 定数 cc を求めてください。
  2. P(1X2)P(1\leq X\leq 2) を求めてください。
  3. E[X]E[X] を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

最初に値が動く範囲を確認します。密度は全体を積分して1、分布関数は0から1へ増えることを最後に確かめます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

密度関数なので、全体の面積が 1 です。

f(x)dx=1\int_{-\infty}^{\infty}f(x)\,dx=1

です。 ここでは 0x20\leq x\leq 2 の範囲だけで正なので、

02cxdx=1\int_0^2 cx\,dx=1

です。 積分すると、

c02xdx=c[x22]02=c42=2cc\int_0^2 x\,dx = c\left[\frac{x^2}{2}\right]_0^2 =c\cdot \frac{4}{2} =2c

です。 したがって、

2c=12c=1

より、

c=12c=\frac{1}{2}

です。

次に、

P(1X2)=1212xdxP(1\leq X\leq 2) = \int_1^2 \frac{1}{2}x\,dx

です。 計算すると、

1212xdx=12[x22]12=14(41)=34\int_1^2 \frac{1}{2}x\,dx = \frac{1}{2}\left[\frac{x^2}{2}\right]_1^2 = \frac{1}{4}(4-1) =\frac{3}{4}

です。

最後に期待値です。

E[X]=xf(x)dxE[X]=\int_{-\infty}^{\infty}xf(x)\,dx

なので、

E[X]=02x12xdx=1202x2dxE[X]=\int_0^2 x\cdot \frac{1}{2}x\,dx = \frac{1}{2}\int_0^2 x^2\,dx

です。 積分すると、

12[x33]02=1283=43\frac{1}{2}\left[\frac{x^3}{3}\right]_0^2 = \frac{1}{2}\cdot \frac{8}{3} = \frac{4}{3}

です。 したがって、

E[X]=43E[X]=\frac{4}{3}

となります。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題3:積率母関数から平均と分散を求める

確率変数 XX の積率母関数が、

MX(t)=exp(2t+3t2)M_X(t)=\exp(2t+3t^2)

で与えられているとします。 E[X]E[X]Var(X)\mathrm{Var}(X) を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

最初に母関数の種類と定義を確認します。平均は1階微分、分散は2階微分から得た積率を組み合わせて求めます。

ヒント2:式を立てる入口

母関数は、種類ごとに微分する点が異なります。平均に必要な1階、分散に必要な2階まで微分する準備をします。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

積率母関数から直接求める方法もありますが、この形ではキュムラント母関数を使うと早いです。

KX(t)=logMX(t)K_X(t)=\log M_X(t)

なので、

KX(t)=log{exp(2t+3t2)}=2t+3t2K_X(t)=\log \{\exp(2t+3t^2)\} =2t+3t^2

です。 キュムラント母関数では、

KX(0)=E[X]K_X'(0)=E[X]KX(0)=Var(X)K_X''(0)=\mathrm{Var}(X)

です。

まず1回微分します。

KX(t)=2+6tK_X'(t)=2+6t

したがって、

KX(0)=2K_X'(0)=2

です。 よって、

E[X]=2E[X]=2

です。

次に2回微分します。

KX(t)=6K_X''(t)=6

なので、

KX(0)=6K_X''(0)=6

です。 したがって、

Var(X)=6\mathrm{Var}(X)=6

となります。

答案での注意

確率母関数・積率母関数・特性関数を混同しないよう、微分する点が 1100 かも書き添えます。

別解・別の見方

分布が既知なら、確率関数から E[X]E[X]E[X2]E[X^2] を直接計算できます。母関数による方法と照合すると、微分の符号ミスを見つけやすくなります。

問題4:変数変換

確率変数 XX が区間 (0,1)(0,1) 上の一様分布に従うとします。 つまり、

fX(x)={1(0<x<1)0(otherwise)f_X(x)= \begin{cases} 1 & (0<x<1)\\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

です。 Y=logXY=-\log X とおきます。 YY の密度関数を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、変換式を逆に解きます。

Y=logXY=-\log X

なので、

logX=Y\log X=-Y

です。 両辺の指数を取ると、

X=eYX=e^{-Y}

です。 したがって、逆変換は、

x=eyx=e^{-y}

です。

0<X<10<X<1 なので、Y=logXY=-\log X0<Y<0<Y<\infty を動きます。

連続型の変数変換公式より、

fY(y)=fX(ey)ddyeyf_Y(y)=f_X(e^{-y})\left|\frac{d}{dy}e^{-y}\right|

です。 ここで、

ddyey=ey\frac{d}{dy}e^{-y}=-e^{-y}

なので、

ddyey=ey\left|\frac{d}{dy}e^{-y}\right|=e^{-y}

です。 また、y>0y>0 のとき eye^{-y}(0,1)(0,1) に入るので、

fX(ey)=1f_X(e^{-y})=1

です。 したがって、

fY(y)=ey(y>0)f_Y(y)=e^{-y}\quad (y>0)

です。 それ以外では 0 なので、

fY(y)={ey(y>0)0(otherwise)f_Y(y)= \begin{cases} e^{-y} & (y>0)\\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

となります。 これはパラメータ 1 の指数分布の密度です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

別解・別の見方

密度変換公式の代わりに、まず FY(y)=P(g(X)ley)F_Y(y)=P(g(X)le y) を求め、最後に yy で微分する方法があります。単調性が分かりにくいときはこちらが安全です。

問題5:裾確率表示から期待値を求める

非負整数値確率変数 XX について、

P(X1)=0.80,P(X2)=0.35,P(X3)=0.10,P(X4)=0P(X\geq1)=0.80,\quad P(X\geq2)=0.35,\quad P(X\geq3)=0.10,\quad P(X\geq4)=0

とします。E[X]E[X] を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

非負整数値確率変数の裾確率表示、

E[X]=k=1P(Xk)E[X]=\sum_{k=1}^{\infty}P(X\geq k)

を使います。k4k\geq4 の項は0なので、

E[X]=0.80+0.35+0.10=1.25E[X] =0.80+0.35+0.10 =1.25

です。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題6:分布関数から密度・平均・分散を復元する

確率変数 XX の分布関数が、

FX(x)={0(x<0),1(1+x)3(x0)F_X(x)= \begin{cases} 0 & (x<0),\\ 1-(1+x)^{-3} & (x\geq0) \end{cases}

で与えられています。

  1. これが分布関数の条件を満たすことを確認してください。
  2. 確率密度関数を求めてください。
  3. 裾確率表示を用いて E[X]E[X]Var(X)\operatorname{Var}(X) を求めてください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

分布関数には、単調非減少、右連続、xx\to-\infty で0、xx\to\infty で1という条件が必要です。 x0x\geq0 では、

FX(x)=3(1+x)4>0F_X'(x)=3(1+x)^{-4}>0

なので単調増加です。また、FX(0)=0F_X(0)=0 で左側とつながり、

limxFX(x)=1\lim_{x\to\infty}F_X(x)=1

です。したがって分布関数の条件を満たします。

密度は分布関数を微分して、

fX(x)={3(1+x)4(x>0),0(otherwise)f_X(x)= \begin{cases} 3(1+x)^{-4} & (x>0),\\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

となります。

非負確率変数の裾確率表示より、

E[X]=0P(X>x)dxE[X]=\int_0^\infty P(X>x)\,dx

です。ここで、P(X>x)=1FX(x)=(1+x)3P(X>x)=1-F_X(x)=(1+x)^{-3} なので、

E[X]=0(1+x)3dx=[12(1+x)2]0=12.\begin{aligned} E[X] &=\int_0^\infty(1+x)^{-3}\,dx\\ &=\left[-\frac{1}{2}(1+x)^{-2}\right]_0^\infty\\ &=\frac12. \end{aligned}

同様に、X0X\geq0 なら、

E[X2]=20xP(X>x)dxE[X^2]=2\int_0^\infty xP(X>x)\,dx

です。したがって、

E[X2]=20x(1+x)3dx=21(u2u3)du=2(112)=1.\begin{aligned} E[X^2] &=2\int_0^\infty\frac{x}{(1+x)^3}\,dx\\ &=2\int_1^\infty\left(u^{-2}-u^{-3}\right)du\\ &=2\left(1-\frac12\right)=1. \end{aligned}

よって、

Var(X)=E[X2]{E[X]}2=114=34.\operatorname{Var}(X) =E[X^2]-\{E[X]\}^2 =1-\frac14 =\frac34.
答案で気をつけること

分布関数は微分する前に、単調性・右連続性・両端の極限を確認します。密度には必ず台を書き、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2 の第2項を落とさないようにします。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題7:切断分布を条件付き分布として扱う

XExp(2)X\sim\operatorname{Exp}(2) とします。X3/2X\geq3/2 であった個体だけを解析対象にしたとき、条件付き確率変数

Y=XX32Y=X\mid X\geq\frac32

の密度、平均、分散を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

切断後の密度は、条件付き確率の定義から、

fY(y)=fX(y)P(X3/2)(y32)f_Y(y) =\frac{f_X(y)}{P(X\geq3/2)} \quad\left(y\geq\frac32\right)

です。指数分布では、

fX(y)=2e2y,P(X3/2)=e3f_X(y)=2e^{-2y}, \qquad P(X\geq3/2)=e^{-3}

なので、

fY(y)={2e2(y3/2)(y3/2),0(otherwise)f_Y(y)= \begin{cases} 2e^{-2(y-3/2)} & (y\geq3/2),\\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

です。これは、

Y=d32+Z,ZExp(2)Y\overset{d}=\frac32+Z, \qquad Z\sim\operatorname{Exp}(2)

を意味します。指数分布の無記憶性を使えば、

E[Y]=32+12=2,Var(Y)=Var(Z)=122=14E[Y]=\frac32+\frac12=2, \qquad \operatorname{Var}(Y)=\operatorname{Var}(Z)=\frac{1}{2^2}=\frac14

です。

答案で気をつけること

切断後の密度は元の密度をそのまま使わず、残った確率 P(Xa)P(X\geq a) で正規化します。また、左切断後の平均は残余時間の平均だけでなく、すでに経過した aa も加えます。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題8:二乗誤差は平均、絶対誤差は中央値を選ぶ

E[X2]<E[X^2]<\infty とします。実数 tt に対して、

L2(t)=E[(Xt)2],L1(t)=E[Xt]L_2(t)=E[(X-t)^2], \qquad L_1(t)=E[|X-t|]

とおきます。

  1. L2(t)L_2(t) を最小にする tt は平均 E[X]E[X] であることを示してください。
  2. XX が連続分布に従うとき、L1(t)L_1(t) を最小にする tt は中央値であることを示してください。
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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

μ=E[X]\mu=E[X] とおくと、

Xt=(Xμ)+(μt)X-t=(X-\mu)+(\mu-t)

です。二乗して期待値を取れば、E[Xμ]=0E[X-\mu]=0 より、

L2(t)=E[(Xμ)2]+2(μt)E[Xμ]+(μt)2=Var(X)+(μt)2.\begin{aligned} L_2(t) &=E[(X-\mu)^2]+2(\mu-t)E[X-\mu]+(\mu-t)^2\\ &=\operatorname{Var}(X)+(\mu-t)^2. \end{aligned}

第1項は tt によらず、第2項は t=μt=\mu で最小になるので、二乗誤差を最小にする点は平均です。

次に、密度を ff、分布関数を FF とすると、

L1(t)=t(tx)f(x)dx+t(xt)f(x)dxL_1(t) =\int_{-\infty}^t(t-x)f(x)\,dx +\int_t^\infty(x-t)f(x)\,dx

です。積分区間の端点も tt に依存するので、Leibnizの公式を用いて微分します。端点では被積分関数が0になるため、

L1(t)=tf(x)dxtf(x)dx=F(t){1F(t)}=2F(t)1.\begin{aligned} L_1'(t) &=\int_{-\infty}^t f(x)\,dx-\int_t^\infty f(x)\,dx\\ &=F(t)-\{1-F(t)\}\\ &=2F(t)-1. \end{aligned}

したがって L1(t)=0L_1'(t)=0 となるのは、

F(t)=12F(t)=\frac12

を満たす中央値です。FF が狭義単調なら最小点は一意です。

答案で気をつけること

「微分して0」だけで終えず、二乗誤差では平方項が非負であること、絶対誤差では導関数が負から正へ変わることを示します。離散分布では中央値が区間になる場合があるため、P(Xm)1/2P(X\leq m)\geq1/2 かつ P(Xm)1/2P(X\geq m)\geq1/2 と書くのが安全です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題9:非単調な変数変換では逆像を足し合わせる

XUnif(3,1)X\sim\operatorname{Unif}(-3,1) とし、Y=X2Y=X^2 とします。 YY の確率密度関数、平均、分散を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず値域は、

0Y<90\leq Y<9

です。y>0y>0 に対する逆像は x=±yx=\pm\sqrt y ですが、両方が常に XX の台 (3,1)(-3,1) に入るわけではありません。

  • 0<y<10<y<1 では、y\sqrt yy-\sqrt y の両方が台に入る
  • 1y<91\leq y<9 では、y-\sqrt y だけが台に入る

各枝のJacobianは、

dxdy=12y\left|\frac{dx}{dy}\right|=\frac{1}{2\sqrt y}

で、fX(x)=1/4f_X(x)=1/4 です。したがって、

fY(y)={14y(0<y<1),18y(1y<9),0(otherwise)f_Y(y)= \begin{cases} \dfrac{1}{4\sqrt y} & (0<y<1),\\[6pt] \dfrac{1}{8\sqrt y} & (1\leq y<9),\\[6pt] 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

となります。

積率は Y=X2Y=X^2 を直接用いると簡単です。

E[Y]=E[X2]=1431x2dx=73E[Y]=E[X^2] =\frac14\int_{-3}^{1}x^2\,dx =\frac73

であり、

E[Y2]=E[X4]=1431x4dx=615E[Y^2]=E[X^4] =\frac14\int_{-3}^{1}x^4\,dx =\frac{61}{5}

です。よって、

Var(Y)=615(73)2=30445.\operatorname{Var}(Y) =\frac{61}{5}-\left(\frac73\right)^2 =\frac{304}{45}.
答案で気をつけること

xx2x\mapsto x^2 は単調でないため、公式を1本の逆関数だけに適用してはいけません。最初に YY の台を求め、各 yy で台に入る逆像を列挙し、その密度寄与を足します。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

別解・別の見方

分布関数法なら、FY(y)=P(X2ley)F_Y(y)=P(X^2le y) を区間の確率として書けます。逆像を漏らしにくいため、非単調変換では特に有効です。

発展問題10:裾確率と分位点から期待値を表す

E[X]<E[|X|]<\infty とします。次を示してください。

E[X]=0{1FX(x)}dx0FX(x)dxE[X] =\int_0^\infty\{1-F_X(x)\}\,dx -\int_{-\infty}^0F_X(x)\,dx

また、連続な分布関数に対して、

E[X]=01FX1(u)duE[X]=\int_0^1F_X^{-1}(u)\,du

が成り立つ理由を説明してください。最後に、非負確率変数 ZZ の生存関数が P(Z>x)=(1+x)2P(Z>x)=(1+x)^{-2} のとき、E[Z]E[Z] を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

X+=max(X,0)X^+=\max(X,0)X=max(X,0)X^-=\max(-X,0) とすると、X=X+XX=X^+-X^- です。非負確率変数の裾確率表示より、

E[X+]=0P(X>x)dx=0{1FX(x)}dxE[X^+]=\int_0^\infty P(X>x)\,dx =\int_0^\infty\{1-F_X(x)\}\,dx

です。また、

E[X]=0P(X<x)dx=0FX(x)dxE[X^-] =\int_0^\infty P(X<-x)\,dx =\int_{-\infty}^0F_X(x)\,dx

なので、差を取れば最初の式を得ます。

一方、UUnif(0,1)U\sim\operatorname{Unif}(0,1) とすると、逆変換法により、

FX1(U)=dXF_X^{-1}(U)\overset{d}=X

です。したがって、

E[X]=E[FX1(U)]=01FX1(u)du.E[X] =E[F_X^{-1}(U)] =\int_0^1F_X^{-1}(u)\,du.

最後に、

E[Z]=0(1+x)2dx=[(1+x)1]0=1.E[Z] =\int_0^\infty(1+x)^{-2}\,dx =\left[-(1+x)^{-1}\right]_0^\infty =1.
答案で気をつけること

符号を持つ確率変数では正部分と負部分を分けます。分位点表示では、一般には一般化逆関数 F1(u)=inf{x:F(x)u}F^{-1}(u)=\inf\{x:F(x)\geq u\} を使うと、不連続な分布にも拡張できます。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

医薬・生命科学の問題(8問)

問題1:副作用発現人数の期待値

ある薬剤で、患者1人に軽度の副作用が起こる確率を π=0.08\pi=0.08 とします。 20人の患者を独立に観察し、副作用が起きた人数を XX とします。

  1. XX の分布を答えてください。
  2. E[X]E[X]Var(X)\mathrm{Var}(X) を求めてください。
  3. P(X=0)P(X=0) を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

各患者について、副作用が起きるかどうかをベルヌーイ試行と見ます。 20人を独立に観察するので、

XBin(20,0.08)X\sim \mathrm{Bin}(20,0.08)

です。

二項分布の期待値と分散は、

E[X]=nπE[X]=n\piVar(X)=nπ(1π)\mathrm{Var}(X)=n\pi(1-\pi)

です。 ここではこの公式をそのまま使わず、ベルヌーイ変数の和として確認します。 患者 ii に副作用が起きたら Xi=1X_i=1、起きなければ Xi=0X_i=0 とします。 すると、

X=X1++X20X=X_1+\cdots+X_{20}

です。 各 XiX_i は、

P(Xi=1)=0.08,P(Xi=0)=0.92P(X_i=1)=0.08,\quad P(X_i=0)=0.92

を満たします。 したがって、

E[Xi]=10.08+00.92=0.08E[X_i] =1\cdot 0.08+0\cdot 0.92 =0.08

です。 期待値の線形性より、

E[X]=E[X1++X20]=E[X1]++E[X20]E[X] =E[X_1+\cdots+X_{20}] =E[X_1]+\cdots+E[X_{20}]

なので、

E[X]=200.08=1.6E[X]=20\cdot 0.08=1.6

です。

次に分散を計算します。 XiX_i は 0 または 1 だけを取るので、Xi2=XiX_i^2=X_i です。 したがって、

E[Xi2]=E[Xi]=0.08E[X_i^2]=E[X_i]=0.08

です。 分散の公式より、

Var(Xi)=E[Xi2](E[Xi])2=0.08(0.08)2\mathrm{Var}(X_i) =E[X_i^2]-(E[X_i])^2 =0.08-(0.08)^2

です。 計算すると、

0.08(0.08)2=0.080.0064=0.07360.08-(0.08)^2 =0.08-0.0064 =0.0736

です。 独立な確率変数の和では分散が足せるので、

Var(X)=200.0736=1.472\mathrm{Var}(X) =20\cdot 0.0736 =1.472

となります。 したがって、

E[X]=200.08=1.6E[X]=20\cdot 0.08=1.6Var(X)=200.080.92=1.472\mathrm{Var}(X)=20\cdot 0.08\cdot 0.92=1.472

です。

また、

P(X=0)=(200)0.080(0.92)20=0.92200.189P(X=0)=\binom{20}{0}0.08^0(0.92)^{20} =0.92^{20} \approx 0.189

です。 副作用確率が8%でも、20人観察して1人も出ない確率は約18.9%あります。 「観察されなかった」ことは「起こらない」ことを意味しない、という点が重要です。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題2:服薬忘れ回数と確率母関数

ある患者の1週間の服薬忘れ回数 XX がポアソン分布

XPoisson(λ)X\sim \mathrm{Poisson}(\lambda)

に従うとします。

  1. 確率母関数 GX(s)G_X(s) を求めてください。
  2. E[X]E[X] を確率母関数から求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

最初に母関数の種類と定義を確認します。平均は1階微分、分散は2階微分から得た積率を組み合わせて求めます。

ヒント2:式を立てる入口

母関数は、種類ごとに微分する点が異なります。平均に必要な1階、分散に必要な2階まで微分する準備をします。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

ポアソン分布の確率関数は、

P(X=x)=eλλxx!(x=0,1,2,)P(X=x)=e^{-\lambda}\frac{\lambda^x}{x!} \quad (x=0,1,2,\dots)

です。 したがって、

GX(s)=E[sX]=x=0sxeλλxx!G_X(s) = E[s^X] = \sum_{x=0}^{\infty}s^x e^{-\lambda}\frac{\lambda^x}{x!}

です。 整理すると、

GX(s)=eλx=0(λs)xx!=eλeλs=eλ(s1)G_X(s) = e^{-\lambda} \sum_{x=0}^{\infty}\frac{(\lambda s)^x}{x!} = e^{-\lambda}e^{\lambda s} = e^{\lambda(s-1)}

となります。 途中で使った

x=0(λs)xx!=eλs\sum_{x=0}^{\infty}\frac{(\lambda s)^x}{x!}=e^{\lambda s}

は、指数関数のマクローリン展開

eu=x=0uxx!e^u=\sum_{x=0}^{\infty}\frac{u^x}{x!}

u=λsu=\lambda s を代入したものです。 数IIIの範囲を少し越えて見える場合は、「指数関数はこの無限級数で表せる」と受け取れば大丈夫です。 統計検定1級では、ポアソン分布の母関数計算で頻繁に出てきます。

期待値は、

GX(1)=E[X]G_X'(1)=E[X]

で求められます。

GX(s)=λeλ(s1)G_X'(s)=\lambda e^{\lambda(s-1)}

なので、

GX(1)=λG_X'(1)=\lambda

です。 よって、

E[X]=λE[X]=\lambda

となります。

答案での注意

確率母関数・積率母関数・特性関数を混同しないよう、微分する点が 1100 かも書き添えます。

問題3:血中濃度の対数変換

ある薬の投与後血中濃度 XX が正の値をとり、

Y=logXY=\log X

が正規分布 N(μ,σ2)N(\mu,\sigma^2) に従うとします。

  1. XX の分布名を答えてください。
  2. XX の密度関数を求めてください。
  3. なぜ薬物動態で対数変換がよく使われるか説明してください。
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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

logX\log X が正規分布に従うので、XX対数正規分布 に従います。

Y=logXY=\log X の逆変換は、

x=eyx=e^y

です。 密度を求めたい変数は XX なので、逆に

y=logxy=\log x

と書いておきます。 YY の密度は正規分布の密度なので、

fY(y)=1σ2πexp{(yμ)22σ2}f_Y(y) = \frac{1}{\sigma\sqrt{2\pi}} \exp\left\{ -\frac{(y-\mu)^2}{2\sigma^2} \right\}

です。 密度を YY から XX に変換するときは、

fX(x)=fY(logx)ddxlogxf_X(x)=f_Y(\log x)\left|\frac{d}{dx}\log x\right|

を使います。 ここで、

ddxlogx=1x\left|\frac{d}{dx}\log x\right|=\frac{1}{x}

です。 したがって、

fY(logx)=1σ2πexp{(logxμ)22σ2}f_Y(\log x) = \frac{1}{\sigma\sqrt{2\pi}} \exp\left\{ -\frac{(\log x-\mu)^2}{2\sigma^2} \right\}

であり、これに 1x\frac{1}{x} を掛けるので、

fX(x)=1xσ2πexp{(logxμ)22σ2}(x>0)f_X(x) = \frac{1}{x\sigma\sqrt{2\pi}} \exp\left\{ -\frac{(\log x-\mu)^2}{2\sigma^2} \right\} \quad (x>0)

となります。

薬物動態で対数変換がよく使われる理由は、濃度やAUCが負にならず、個体差が「足し算」より「倍率」で現れやすいからです。 例えば、ある患者のAUCが別の患者の2倍という違いは、元のスケールでは右に長い分布を作りやすいです。 対数を取ると倍率の違いが加法的な違いになり、正規分布に近づくことがあります。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題4:キュムラント母関数で二項分布を見る

XBin(n,π)X\sim\mathrm{Bin}(n,\pi) とします。

  1. 積率母関数 MX(t)M_X(t) を求めてください。
  2. キュムラント母関数 KX(t)K_X(t) を求めてください。
  3. KX(0)K_X'(0)KX(0)K_X''(0) を確認してください。
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ヒント1:最初の着眼点

最初に母関数の種類と定義を確認します。平均は1階微分、分散は2階微分から得た積率を組み合わせて求めます。

ヒント2:式を立てる入口

母関数は、種類ごとに微分する点が異なります。平均に必要な1階、分散に必要な2階まで微分する準備をします。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

二項分布の積率母関数は、

MX(t)={(1π)+πet}nM_X(t)=\{(1-\pi)+\pi e^t\}^n

です。 したがって、キュムラント母関数は、

KX(t)=logMX(t)=nlog{(1π)+πet}K_X(t)=\log M_X(t) = n\log\{(1-\pi)+\pi e^t\}

です。 積率母関数を導出すると、まず

MX(t)=E[etX]=x=0netxP(X=x)M_X(t)=E[e^{tX}] = \sum_{x=0}^{n}e^{tx}P(X=x)

です。 二項分布の確率関数を代入すると、

MX(t)=x=0netx(nx)πx(1π)nxM_X(t) = \sum_{x=0}^{n}e^{tx}\binom{n}{x}\pi^x(1-\pi)^{n-x}

となります。 etxπx=(πet)xe^{tx}\pi^x=(\pi e^t)^x なので、

MX(t)=x=0n(nx)(πet)x(1π)nxM_X(t) = \sum_{x=0}^{n}\binom{n}{x}(\pi e^t)^x(1-\pi)^{n-x}

です。 二項定理より、

MX(t)={(1π)+πet}nM_X(t)=\{(1-\pi)+\pi e^t\}^n

が得られます。

1回微分すると、

KX(t)=nπet(1π)+πetK_X'(t) = n\frac{\pi e^t}{(1-\pi)+\pi e^t}

なので、

KX(0)=nπK_X'(0)=n\pi

です。 これは二項分布の期待値です。

さらに2回微分すると、

KX(0)=nπ(1π)K_X''(0)=n\pi(1-\pi)

となります。 この2回微分も省略せずに書くと、まず

KX(t)=nπet(1π)+πetK_X'(t) = n\frac{\pi e^t}{(1-\pi)+\pi e^t}

です。 ここで

A(t)=πet,B(t)=(1π)+πetA(t)=\pi e^t,\quad B(t)=(1-\pi)+\pi e^t

とおくと、

KX(t)=nA(t)B(t)K_X'(t)=n\frac{A(t)}{B(t)}

です。 商の微分より、

KX(t)=nA(t)B(t)A(t)B(t){B(t)}2K_X''(t) = n\frac{A'(t)B(t)-A(t)B'(t)}{\{B(t)\}^2}

です。 A(t)=πetA'(t)=\pi e^tB(t)=πetB'(t)=\pi e^t だから、

KX(t)=nπet{(1π)+πet}(πet)(πet){(1π)+πet}2K_X''(t) = n\frac{\pi e^t\{(1-\pi)+\pi e^t\}-(\pi e^t)(\pi e^t)} {\{(1-\pi)+\pi e^t\}^2}

です。 分子を整理すると、

πet(1π)+π2e2tπ2e2t=π(1π)et\pi e^t(1-\pi)+\pi^2 e^{2t}-\pi^2 e^{2t} = \pi(1-\pi)e^t

なので、

KX(t)=nπ(1π)et{(1π)+πet}2K_X''(t) = n\frac{\pi(1-\pi)e^t}{\{(1-\pi)+\pi e^t\}^2}

です。 t=0t=0 を代入すると e0=1e^0=1 で、分母は

{(1π)+π}2=1\{(1-\pi)+\pi\}^2=1

なので、

KX(0)=nπ(1π)K_X''(0)=n\pi(1-\pi)

となります。 これは二項分布の分散です。

このように、キュムラント母関数は平均と分散を直接取り出せます。 独立な和ではキュムラントが足し算になるため、複数患者の反応数や複数検体の陽性数を合計する場面で考え方が役立ちます。

答案での注意

確率母関数・積率母関数・特性関数を混同しないよう、微分する点が 1100 かも書き添えます。

問題5:コロニー数とポアソン分布

ある抗菌薬処理後のプレートで、一定面積あたりの耐性コロニー数 XX がポアソン分布

XPoisson(λ)X\sim \mathrm{Poisson}(\lambda)

に従うとします。 平均して1視野あたり 2.42.4 個のコロニーが観察されるとき、次を求めます。

  1. P(X=0)P(X=0)
  2. P(X1)P(X\geq 1)
  3. E[X]E[X]Var(X)\mathrm{Var}(X)
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

ポアソン分布の確率関数は、

P(X=x)=eλλxx!(x=0,1,2,)P(X=x)=e^{-\lambda}\frac{\lambda^x}{x!} \quad (x=0,1,2,\dots)

です。 ここでは λ=2.4\lambda=2.4 です。

まず、コロニーが0個の確率は、

P(X=0)=e2.42.400!P(X=0) = e^{-2.4}\frac{2.4^0}{0!}

です。 ここで、

2.40=1,0!=12.4^0=1,\quad 0!=1

なので、

P(X=0)=e2.4P(X=0)=e^{-2.4}

です。 数値としては、

e2.40.0907e^{-2.4}\approx 0.0907

です。

次に、少なくとも1個観察される確率は、補集合を使って、

P(X1)=1P(X=0)P(X\geq 1)=1-P(X=0)

です。 したがって、

P(X1)=1e2.410.0907=0.9093P(X\geq 1) =1-e^{-2.4} \approx 1-0.0907 =0.9093

となります。

ポアソン分布では、

E[X]=λ,Var(X)=λE[X]=\lambda,\quad \mathrm{Var}(X)=\lambda

です。 したがって、

E[X]=2.4,Var(X)=2.4E[X]=2.4,\quad \mathrm{Var}(X)=2.4

です。

この「平均と分散が等しい」という性質は、生命科学データを見るときの重要な診断点です。 実際のコロニー数データで標本分散が標本平均よりかなり大きいなら、細胞状態のばらつきや局所的な増殖差があり、単純なポアソン分布では足りない可能性があります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:IC50 の対数スケール

ある化合物の IC50 を XX とします。 IC50 は正の値で、実験を繰り返すと倍率方向にばらつくことが多いため、

Y=log10XY=\log_{10}X

を考えます。 ここで、

YN(6,0.22)Y\sim N(-6,\,0.2^2)

とします。 つまり、log10IC50\log_{10}\mathrm{IC50} の平均が 6-6、標準偏差が 0.20.2 です。

  1. IC50 の中央値を求めてください。
  2. YY が平均から +1+1 標準偏差だけ大きいとき、IC50 は中央値の何倍ですか。
  3. なぜ IC50 は元のスケールより対数スケールで扱いやすいのか説明してください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、

Y=log10XY=\log_{10}X

なので、

X=10YX=10^Y

です。 対数正規型の分布では、対数を取った変数 YY の中央値が、元の変数 XX の中央値に対応します。 ここでは YY の平均も中央値も 6-6 なので、IC50 の中央値は、

10610^{-6}

です。 単位が mol/L なら、

106mol/L=1μM10^{-6}\,\mathrm{mol/L}=1\,\mu\mathrm{M}

です。

次に、YY が平均から +1+1 標準偏差だけ大きい値は、

6+0.2=5.8-6+0.2=-5.8

です。 このときの IC50 は、

105.810^{-5.8}

です。 中央値 10610^{-6} との比を取ると、

105.8106=100.2\frac{10^{-5.8}}{10^{-6}} =10^{0.2}

です。 数値として、

100.21.5810^{0.2}\approx 1.58

なので、約 1.581.58 倍です。

IC50 は濃度なので、0以下にはなりません。 また、実験誤差や生物学的ばらつきは「0.1 μ\muM 増える」という足し算より、「1.5倍になる」「2倍になる」という倍率で現れることがあります。 対数を取ると、倍率の違いが足し算の違いになります。 そのため、正規分布近似、信頼区間、回帰モデルに載せやすくなります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題7:細胞生存率の期待値

ある濃度の薬剤を処理したウェルで、細胞が生存する確率を p=0.72p=0.72 とします。 1ウェル内で独立に観察できる細胞を 100100 個とし、生存細胞数を XX とします。

  1. XX の分布を答えてください。
  2. 生存率 R=X/100R=X/100 の期待値と分散を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

各細胞について、生存なら 1、非生存なら 0 と考えます。 100個の細胞を独立に観察できると仮定すると、

XBin(100,0.72)X\sim \mathrm{Bin}(100,0.72)

です。

二項分布より、

E[X]=np=1000.72=72E[X]=np=100\cdot 0.72=72

です。 また、

Var(X)=np(1p)=1000.720.28\mathrm{Var}(X)=np(1-p) =100\cdot 0.72\cdot 0.28

です。 計算すると、

Var(X)=20.16\mathrm{Var}(X)=20.16

です。

生存率は、

R=X100R=\frac{X}{100}

です。 期待値は定数倍の性質より、

E[R]=E[X100]=1100E[X]=72100=0.72E[R] =E\left[\frac{X}{100}\right] =\frac{1}{100}E[X] =\frac{72}{100} =0.72

です。

分散では、定数倍するとその定数の2乗が前に出ます。 つまり、

Var(aX)=a2Var(X)\mathrm{Var}(aX)=a^2\mathrm{Var}(X)

です。 ここで a=1/100a=1/100 なので、

Var(R)=Var(X100)=11002Var(X)\mathrm{Var}(R) = \mathrm{Var}\left(\frac{X}{100}\right) = \frac{1}{100^2}\mathrm{Var}(X)

です。 したがって、

Var(R)=20.1610000=0.002016\mathrm{Var}(R) = \frac{20.16}{10000} =0.002016

です。

この例はシンプルですが、細胞生存率、陽性細胞率、発現細胞割合のようなデータを考える入口になります。 実際の実験では細胞どうしが完全に独立でないことや、ウェル間差があることも多いため、二項分布からのずれを見ることが重要です。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題8:濃度指標の分位点を単位換算する

ある濃度指標 XX の95パーセンタイルが、

q0.95(X)=2.4 mg/Lq_{0.95}(X)=2.4\ \text{mg/L}

であるとします。Y=1000XY=1000X として ng/mL へ単位換算したとき、YY の95パーセンタイルを求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

Y=1000XY=1000X は正の係数による線形変換です。そのため、観測値の順序は変わらず、同じ確率に対応する分位点も1000倍されます。

q0.95(Y)=1000q0.95(X)=1000×2.4=2400 ng/mLq_{0.95}(Y) =1000q_{0.95}(X) =1000\times2.4 =2400\ \text{ng/mL}

です。単位換算では代表値だけでなく、中央値や95パーセンタイルなどの分位点も同じ係数で変換されます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

第三章 さまざまな確率分布

この章は30問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(17問)

問題1:二項分布の正規近似

XBin(200,0.30)X\sim\mathrm{Bin}(200,0.30)

とします。P(50X70)P(50\leq X\leq70) を、連続補正を用いて正規近似してください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

二項分布の平均と分散は、

μ=np=200×0.30=60\mu=np=200\times0.30=60σ2=np(1p)=200×0.30×0.70=42\sigma^2=np(1-p) =200\times0.30\times0.70 =42

です。したがって、

σ=426.481\sigma=\sqrt{42}\approx6.481

です。

50X7050\leq X\leq70 に連続補正を行うと、

49.5Y70.549.5\leq Y\leq70.5

とします。ただし、YN(60,42)Y\sim N(60,42) です。

下側を標準化すると、

z1=49.560421.62z_1=\frac{49.5-60}{\sqrt{42}} \approx-1.62

上側は、

z2=70.560421.62z_2=\frac{70.5-60}{\sqrt{42}} \approx1.62

です。標準正規分布表より Φ(1.62)0.9474\Phi(1.62)\approx0.9474 なので、対称性を使って、

P(50X70)Φ(1.62)Φ(1.62)P(50\leq X\leq70) \approx\Phi(1.62)-\Phi(-1.62)=0.9474(10.9474)=0.8948=0.9474-(1-0.9474) =0.8948

となります。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

別解・別の見方

二項変数を独立なベルヌーイ変数の和と見て、中心極限定理を適用しても同じ正規近似が得られます。連続補正は最後に境界へ 0.50.5 を足し引きします。

問題2:超幾何分布

30本の試料のうち6本が陽性です。ここから5本を非復元で無作為抽出します。 少なくとも1本の陽性試料が含まれる確率を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

全体 N=30N=30、陽性 K=6K=6、抽出数 n=5n=5 です。 陽性試料数 XX は超幾何分布に従います。

少なくとも1本を直接足すより、陽性が0本である余事象を使います。

P(X1)=1P(X=0)P(X\geq1)=1-P(X=0)

0本が陽性ということは、陰性24本から5本すべてを選ぶことなので、

P(X=0)=(60)(245)(305)=(245)(305)P(X=0) =\frac{\binom60\binom{24}{5}}{\binom{30}{5}} =\frac{\binom{24}{5}}{\binom{30}{5}}

です。

(245)=42504,(305)=142506\binom{24}{5}=42504, \qquad \binom{30}{5}=142506

より、

P(X1)=1425041425060.7017P(X\geq1) =1-\frac{42504}{142506} \approx0.7017

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:ポアソン過程とガンマ分布

イベントが1時間当たり λ=0.5\lambda=0.5 のポアソン過程に従って発生します。 3回目のイベントまでの待ち時間を TT とします。

  1. TT の分布、平均、分散を求めてください。
  2. 4時間以内に3回目のイベントが起こる確率を求めてください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

1回ごとの待ち時間は率 0.50.5 の指数分布です。 3回目までの待ち時間は独立な指数待ち時間3個の和なので、形状3、率0.5のガンマ分布です。

尺度で書けば、

θ=1λ=2\theta=\frac{1}{\lambda}=2

なので、

TGamma(3,2)T\sim\mathrm{Gamma}(3,2)

です。

E[T]=αθ=3×2=6E[T]=\alpha\theta=3\times2=6Var(T)=αθ2=3×22=12\mathrm{Var}(T)=\alpha\theta^2=3\times2^2=12

です。

4時間以内に3回目が起こることは、4時間以内のイベント数 N(4)N(4) が3以上であることと同じです。

N(4)Poisson(0.5×4)=Poisson(2)N(4)\sim\mathrm{Poisson}(0.5\times4) =\mathrm{Poisson}(2)

したがって、

P(T4)=P{N(4)3}P(T\leq4) =P\{N(4)\geq3\}=1P{N(4)2}=1-P\{N(4)\leq2\}=1e2(1+2+222!)=1-e^{-2}\left( 1+2+\frac{2^2}{2!} \right)=15e20.3233=1-5e^{-2} \approx0.3233

です。待ち時間の問題を発生回数の問題に読み替える関係は頻出です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

到着時刻の和としてガンマ分布を使う代わりに、「時刻 tt までの到着回数が所定回数未満」というポアソン分布の事象へ言い換えても計算できます。

問題4:正規標本から生じる分布

X1,,X9X_1,\ldots,X_9 を、平均 μ\mu、分散 σ2\sigma^2 の正規母集団からの無作為標本とします。

  1. (8S2)/σ2(8S^2)/\sigma^2 は何分布に従いますか。
  2. (Xˉμ)/(S/3)(\bar X-\mu)/(S/3) は何分布に従いますか。
  3. 実現値が S2=4S^2=4、母分散が σ2=2\sigma^2=2 のとき、1の統計量の値を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

標本サイズは n=9n=9 なので、標本分散に対応する自由度は、

n1=8n-1=8

です。したがって、

(n1)S2σ2=8S2σ2χ82\frac{(n-1)S^2}{\sigma^2} =\frac{8S^2}{\sigma^2} \sim\chi^2_8

です。

また、

n=9=3\sqrt n=\sqrt9=3

なので、

XˉμS/3=XˉμS/nt8\frac{\bar X-\mu}{S/3} =\frac{\bar X-\mu}{S/\sqrt n} \sim t_8

です。

実現値を代入すると、

8S2σ2=8×42=16\frac{8S^2}{\sigma^2} =\frac{8\times4}{2} =16

です。

同じ標本から標本平均と標本分散を作っていますが、正規標本では Xˉ\bar XS2S^2 が独立になることが、tt 分布の導出で重要です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:t分布とF分布の関係

Tt12T\sim t_{12}

とします。

  1. T2T^2 の分布を答えてください。
  2. 両側検定の棄却条件が T>2.179|T|>2.179 であるとき、T2T^2 を使った同値な棄却条件を書いてください。
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ヒント1:最初の着眼点

値の範囲、数えた値か測った値か、値が生じる仕組みの3点から候補を絞ります。分布名だけでなく、選んだ理由まで言葉にします。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

tt 分布の定義から、

T=ZV/12T=\frac{Z}{\sqrt{V/12}}

ただし、ZN(0,1)Z\sim N(0,1)Vχ122V\sim\chi^2_{12} で独立です。 平方すると、

T2=Z2/1V/12T^2=\frac{Z^2/1}{V/12}

です。Z2χ12Z^2\sim\chi^2_1 なので、

T2F1,12T^2\sim F_{1,12}

です。

また、

T>2.179|T|>2.179

の両辺を平方すると、

T2>(2.179)2T^2>(2.179)^2

です。

(2.179)24.748(2.179)^2\approx4.748

なので、同値な棄却条件は、

F>4.748,F=T2F1,12F>4.748, \qquad F=T^2\sim F_{1,12}

です。2群の平均差を調べる tt 検定と、1自由度の効果を調べる FF 検定が対応する理由です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:密度関数の正規化とガンマ分布

f(x)=cxex(x>0)f(x)=cxe^{-x}\qquad(x>0)

が確率密度関数となるように定数 cc を決め、E[X]E[X]Var(X)\mathrm{Var}(X) を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

最初に値が動く範囲を確認します。密度は全体を積分して1、分布関数は0から1へ増えることを最後に確かめます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

密度関数の全積分は1なので、

0cxexdx=1\int_0^\infty cxe^{-x}\,dx=1

です。ガンマ関数を使うと、

0xexdx=Γ(2)=1!=1\int_0^\infty xe^{-x}\,dx =\Gamma(2) =1!=1

なので、

c=1c=1

です。

期待値は、

E[X]=0xxexdx=0x2exdx=Γ(3)=2!=2E[X] =\int_0^\infty x\cdot xe^{-x}\,dx =\int_0^\infty x^2e^{-x}\,dx =\Gamma(3) =2!=2

です。

次に、

E[X2]=0x2xexdx=0x3exdx=Γ(4)=3!=6E[X^2] =\int_0^\infty x^2\cdot xe^{-x}\,dx =\int_0^\infty x^3e^{-x}\,dx =\Gamma(4) =3!=6

です。したがって、

Var(X)=E[X2]{E[X]}2=622=2\mathrm{Var}(X) =E[X^2]-\{E[X]\}^2 =6-2^2 =2

です。

この密度は、

XGamma(2,1)X\sim\mathrm{Gamma}(2,1)

の密度でもあります。公式 E[X]=αθE[X]=\alpha\thetaVar(X)=αθ2\mathrm{Var}(X)=\alpha\theta^2 とも一致します。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題7:一様分布から指数分布を作る

UU(0,1)U\sim U(0,1)

とし、λ>0\lambda>0 に対して、

X=1λlogUX=-\frac{1}{\lambda}\log U

とおきます。XX の分布関数を導き、分布を特定してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

0<U<10<U<1 なので、logU<0\log U<0 です。したがって X>0X>0 です。

x>0x>0 に対して、

FX(x)=P(Xx)F_X(x)=P(X\leq x)

を求めます。

P(1λlogUx)P\left(-\frac{1}{\lambda}\log U\leq x\right)

両辺に正の数 λ\lambda を掛けると、

P(logUλx)P(-\log U\leq\lambda x)

です。両辺に 1-1 を掛けると不等号が逆向きになり、

P(logUλx)P(\log U\geq-\lambda x)

です。指数関数は単調増加なので、

P(Ueλx)P(U\geq e^{-\lambda x})

となります。UU(0,1)(0,1) 上の一様分布なので、

P(Uu)=1uP(U\geq u)=1-u

です。よって、

FX(x)=1eλx(x>0)F_X(x)=1-e^{-\lambda x} \qquad(x>0)

となります。これは率 λ\lambda の指数分布の分布関数です。

XExp(λ)X\sim\mathrm{Exp}(\lambda)

です。この方法を逆関数法といい、一様乱数からさまざまな分布の乱数を作る基本になります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

ヤコビアン公式を使わず、FY(y)=P(logXley)F_Y(y)=P(-log Xle y) を求めて微分しても指数分布が得られます。

問題8:分布の関係を言葉で説明する

次の空欄を埋め、その関係を1文で説明してください。

  1. 独立なベルヌーイ分布を nn 個足すと(   )分布になる。
  2. 二項分布で n,p0,np=λn\to\infty,p\to0,np=\lambda とすると(   )分布に近づく。
  3. 独立な標準正規分布の平方を ν\nu 個足すと(   )分布になる。
  4. 自由度 ν\nutt 分布を平方すると(   )分布になる。
  5. ガンマ分布で形状母数を1にすると(   )分布になる。
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ヒント1:最初の着眼点

値の範囲、数えた値か測った値か、値が生じる仕組みの3点から候補を絞ります。分布名だけでなく、選んだ理由まで言葉にします。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
  1. 二項分布。各ベルヌーイ変数が1なら成功、0なら失敗なので、和は成功回数になります。
  2. ポアソン分布。多数回の試行における、一定の平均回数を持つまれな成功の極限です。
  3. 自由度 ν\nu のカイ二乗分布。自由度は独立な平方項の個数に対応します。
  4. F1,νF_{1,\nu} 分布tt 分布の分子にある標準正規変数を平方すると、自由度1のカイ二乗分布になります。
  5. 指数分布。ガンマ分布は複数回目までの待ち時間を表し、形状1は最初の1回までの待ち時間です。
答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題9:確率母関数から分布を復元する

非負整数値確率変数 XX の確率母関数が、

GX(s)=exp{3(s1)}G_X(s)=\exp\{3(s-1)\}

で与えられています。

  1. XX の確率関数を求め、分布を特定してください。
  2. E[X]E[X]Var(X)\mathrm{Var}(X) を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

最初に母関数の種類と定義を確認します。平均は1階微分、分散は2階微分から得た積率を組み合わせて求めます。

ヒント2:式を立てる入口

母関数は、種類ごとに微分する点が異なります。平均に必要な1階、分散に必要な2階まで微分する準備をします。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、

GX(s)=e3e3sG_X(s)=e^{-3}e^{3s}

と分けます。指数関数の展開から、

e3s=x=0(3s)xx!e^{3s}=\sum_{x=0}^{\infty}\frac{(3s)^x}{x!}

なので、

GX(s)=x=0(e33xx!)sxG_X(s) =\sum_{x=0}^{\infty} \left(e^{-3}\frac{3^x}{x!}\right)s^x

です。sxs^x の係数が P(X=x)P(X=x) なので、

P(X=x)=e33xx!P(X=x)=e^{-3}\frac{3^x}{x!}

です。したがって、

XPoisson(3)X\sim\mathrm{Poisson}(3)

です。

母関数を微分すると、

GX(s)=3e3(s1)G_X'(s)=3e^{3(s-1)}

より、

E[X]=GX(1)=3E[X]=G_X'(1)=3

です。また、

GX(s)=9e3(s1)G_X''(s)=9e^{3(s-1)}

なので、

E[X(X1)]=GX(1)=9E[X(X-1)]=G_X''(1)=9

です。したがって、

E[X2]=9+3=12E[X^2]=9+3=12Var(X)=1232=3\mathrm{Var}(X)=12-3^2=3

です。

答案での注意

確率母関数・積率母関数・特性関数を混同しないよう、微分する点が 1100 かも書き添えます。

問題10:積率母関数からガンマ分布の平均と分散を導く

MX(t)=(12t)3M_X(t)=(1-2t)^{-3}

とします。XX の分布を特定し、平均と分散を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

最初に母関数の種類と定義を確認します。平均は1階微分、分散は2階微分から得た積率を組み合わせて求めます。

ヒント2:式を立てる入口

母関数は、種類ごとに微分する点が異なります。平均に必要な1階、分散に必要な2階まで微分する準備をします。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

形状 α\alpha、尺度 θ\theta のガンマ分布の積率母関数は、

MX(t)=(1θt)αM_X(t)=(1-\theta t)^{-\alpha}

です。比較すると、

α=3,θ=2\alpha=3, \qquad \theta=2

なので、

XGamma(3,2)X\sim\mathrm{Gamma}(3,2)

です。

1回微分すると、

MX(t)=6(12t)4M_X'(t)=6(1-2t)^{-4}

なので、

E[X]=MX(0)=6E[X]=M_X'(0)=6

です。2回微分すると、

MX(t)=48(12t)5M_X''(t)=48(1-2t)^{-5}

より、

E[X2]=MX(0)=48E[X^2]=M_X''(0)=48

です。したがって、

Var(X)=4862=12\mathrm{Var}(X)=48-6^2=12

です。公式 αθ=6\alpha\theta=6αθ2=12\alpha\theta^2=12 と一致します。

答案での注意

確率母関数・積率母関数・特性関数を混同しないよう、微分する点が 1100 かも書き添えます。

問題11:最大反応値の分布

X1,,X5X_1,\ldots,X_5 が独立に U(0,1)U(0,1) に従うとします。 最大値 M=max(X1,,X5)M=\max(X_1,\ldots,X_5) の分布関数、密度関数、期待値を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

0<m<10<m<1 に対して、最大値が mm 以下であることは、5個すべてが mm 以下であることです。

FM(m)=P(X1m,,X5m)F_M(m) =P(X_1\leq m,\ldots,X_5\leq m)

独立性と P(Xim)=mP(X_i\leq m)=m より、

FM(m)=m5F_M(m)=m^5

です。したがって、

FM(m)={0(m0)m5(0<m<1)1(m1)F_M(m)= \begin{cases} 0 & (m\leq0)\\ m^5 & (0<m<1)\\ 1 & (m\geq1) \end{cases}

です。微分すると、

fM(m)=5m4(0<m<1)f_M(m)=5m^4 \qquad(0<m<1)

です。これは Beta(5,1)\mathrm{Beta}(5,1) の密度です。期待値は、

E[M]=55+1=56E[M]=\frac{5}{5+1}=\frac56

です。

答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

別解・別の見方

一般の順序統計量の公式を知っていれば、最大値の密度 nF(x)n1f(x)nF(x)^{n-1}f(x) を直接使えます。分布関数から導く方法の短縮形です。

発展 問題12:多変量正規分布の線形結合

(X1X2)N2((1020),(4339))\begin{pmatrix}X_1\\X_2\end{pmatrix} \sim N_2\left( \begin{pmatrix}10\\20\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}4&3\\3&9\end{pmatrix} \right)

とします。Y=X1+2X2Y=X_1+2X_2 の分布を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

独立性と共分散の有無を確認してから、和の確率、畳み込み、または線形結合の公式を選びます。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
a=(12)\mathbf a= \begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}

とすると、Y=aTXY=\mathbf a^\mathsf T\mathbf X です。

平均は、

E[Y]=1×10+2×20=50E[Y] =1\times10+2\times20 =50

です。分散は、

Var(Y)=aTΣa\mathrm{Var}(Y) =\mathbf a^\mathsf T \boldsymbol\Sigma\mathbf a

です。成分で計算すると、

Var(Y)=12×4+22×9+2×1×2×3\mathrm{Var}(Y) =1^2\times4 +2^2\times9 +2\times1\times2\times3=4+36+12=52=4+36+12 =52

です。したがって、

YN(50,52)Y\sim N(50,52)

です。共分散3を無視すると分散を40と誤るため、相関したバイオマーカーの合成では共分散項が重要です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

発展 問題13:非心カイ二乗分布

独立な、

Z1N(1,1),Z2N(2,1),Z3N(0,1)Z_1\sim N(1,1), \qquad Z_2\sim N(2,1), \qquad Z_3\sim N(0,1)

に対し、Q=Z12+Z22+Z32Q=Z_1^2+Z_2^2+Z_3^2 とします。 QQ の自由度、非心度、平均、分散を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

独立な正規変数の平方を3個足しているので、自由度は、

ν=3\nu=3

です。非心度は平均の平方和なので、

δ=12+22+02=5\delta=1^2+2^2+0^2=5

です。したがって、QQ は自由度3、非心度5の非心カイ二乗分布に従います。

E[Q]=ν+δ=3+5=8E[Q]=\nu+\delta=3+5=8Var(Q)=2(ν+2δ)=2(3+10)=26\mathrm{Var}(Q) =2(\nu+2\delta) =2(3+10) =26

です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題14:超幾何分布から二項分布への収束

大きさ NN の有限母集団に成功個体が MNM_N 個あり、非復元で一定個数 kk を抽出します。成功個体数を XNX_N とし、

MNNp(0<p<1)\frac{M_N}{N}\to p\quad(0<p<1)

とします。NN\to\infty のとき、XNX_NBin(k,p)\operatorname{Bin}(k,p) に分布収束することを示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

x=0,1,,kx=0,1,\ldots,k に対して、超幾何分布の確率関数は、下降階乗 (a)r=a(a1)(ar+1)(a)_r=a(a-1)\cdots(a-r+1) を使うと、

P(XN=x)=(kx)(MN)x(NMN)kx(N)kP(X_N=x) =\binom{k}{x} \frac{(M_N)_x(N-M_N)_{k-x}}{(N)_k}

と書けます。kkxx は固定されているので、各因子を NN で割ると、

(MN)xNx=j=0x1(MNNjN)px\frac{(M_N)_x}{N^x} =\prod_{j=0}^{x-1}\left(\frac{M_N}{N}-\frac{j}{N}\right) \to p^x

です。同様に、

(NMN)kxNkx(1p)kx,(N)kNk1.\frac{(N-M_N)_{k-x}}{N^{k-x}}\to(1-p)^{k-x}, \qquad \frac{(N)_k}{N^k}\to1.

したがって、

P(XN=x)(kx)px(1p)kx.P(X_N=x) \to\binom{k}{x}p^x(1-p)^{k-x}.

右辺は Bin(k,p)\operatorname{Bin}(k,p) の確率関数なので、

XNdBin(k,p)X_N\xrightarrow{d}\operatorname{Bin}(k,p)

です。有限母集団に比べて抽出割合 k/Nk/N が小さくなると、非復元抽出による依存が無視できるようになる、と解釈できます。

答案で気をつけること

この極限では抽出数 kk を固定します。kkNN とともに増える場合は同じ証明をそのまま使えません。また、有限の各 xx で確率関数の極限を示した後、右辺の総和が1であることを確認すると結論が明確です。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題15:対数変換で分布と積率を見抜く

  1. YN(μ,σ2)Y\sim N(\mu,\sigma^2)X=eYX=e^Y とします。XX の平均と分散を求めてください。
  2. VV の密度が
fV(v)=babvb+1(va),a>0, b>0f_V(v)=\frac{ba^b}{v^{b+1}}\quad(v\geq a), \qquad a>0,\ b>0

であるとします。W=log(V/a)W=\log(V/a) の分布を求め、E[Vr]E[V^r] が存在する条件と値を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

正規分布の積率母関数は、

E[etY]=exp(μt+σ2t22)E[e^{tY}] =\exp\left(\mu t+\frac{\sigma^2t^2}{2}\right)

です。X=eYX=e^Y なので、t=1,2t=1,2 を代入して、

E[X]=eμ+σ2/2,E[X2]=e2μ+2σ2E[X]=e^{\mu+\sigma^2/2}, \qquad E[X^2]=e^{2\mu+2\sigma^2}

を得ます。したがって、

Var(X)=e2μ+2σ2e2μ+σ2=e2μ+σ2(eσ21).\operatorname{Var}(X) =e^{2\mu+2\sigma^2}-e^{2\mu+\sigma^2} =e^{2\mu+\sigma^2}(e^{\sigma^2}-1).

次に W=log(V/a)W=\log(V/a) とおくと、逆変換は v=aewv=ae^w、Jacobianは dv/dw=aewdv/dw=ae^w です。vav\geq a から w0w\geq0 なので、

fW(w)=fV(aew)aew=bab(aew)b+1aew=bebw(w0).\begin{aligned} f_W(w) &=f_V(ae^w)ae^w\\ &=\frac{ba^b}{(ae^w)^{b+1}}ae^w\\ &=be^{-bw}\quad(w\geq0). \end{aligned}

よって、WExp(b)W\sim\operatorname{Exp}(b) です。また、V=aeWV=ae^W より、

E[Vr]=arE[erW]=ar0be(br)wdw.E[V^r] =a^rE[e^{rW}] =a^r\int_0^\infty be^{-(b-r)w}\,dw.

この積分が収束するのは r<br<b のときに限り、

E[Vr]=arbbr(r<b)E[V^r]=a^r\frac{b}{b-r}\quad(r<b)

です。

答案で気をつけること

積率の式だけでなく、存在条件まで必ず書きます。対数正規分布では E[etX]E[e^{tX}] という意味の積率母関数は正の tt で発散する一方、通常の全ての正の整数次モーメントは存在します。両者を混同しないでください。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題16:ガンマ積分から正規分布とカイ二乗分布の積率を導く

ZN(0,1)Z\sim N(0,1) とします。r>1r>-1 に対して、

E[Zr]=2r/2Γ((r+1)/2)πE[|Z|^r] =\frac{2^{r/2}\Gamma((r+1)/2)}{\sqrt\pi}

を示してください。さらに、Qχν2Q\sim\chi^2_\nu に対して、q>ν/2q>-\nu/2 なら、

E[Qq]=2qΓ(q+ν/2)Γ(ν/2)E[Q^q] =2^q\frac{\Gamma(q+\nu/2)}{\Gamma(\nu/2)}

となることを示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

標準正規密度の対称性より、

E[Zr]=22π0zrez2/2dz.E[|Z|^r] =\frac{2}{\sqrt{2\pi}} \int_0^\infty z^re^{-z^2/2}\,dz.

u=z2/2u=z^2/2 とおくと、z=(2u)1/2z=(2u)^{1/2}dz=(2u)1/2dudz=(2u)^{-1/2}du なので、

E[Zr]=22π0(2u)r/2eu(2u)1/2du=2r/2π0u(r+1)/21eudu=2r/2Γ((r+1)/2)π.\begin{aligned} E[|Z|^r] &=\frac{2}{\sqrt{2\pi}} \int_0^\infty(2u)^{r/2}e^{-u}(2u)^{-1/2}\,du\\ &=\frac{2^{r/2}}{\sqrt\pi} \int_0^\infty u^{(r+1)/2-1}e^{-u}\,du\\ &=\frac{2^{r/2}\Gamma((r+1)/2)}{\sqrt\pi}. \end{aligned}

積分原点付近で収束する条件が r>1r>-1 です。

カイ二乗分布の密度は、

fQ(x)=xν/21ex/22ν/2Γ(ν/2)(x>0)f_Q(x)=\frac{x^{\nu/2-1}e^{-x/2}}{2^{\nu/2}\Gamma(\nu/2)} \quad(x>0)

です。したがって、

E[Qq]=12ν/2Γ(ν/2)0xq+ν/21ex/2dx.E[Q^q] =\frac{1}{2^{\nu/2}\Gamma(\nu/2)} \int_0^\infty x^{q+\nu/2-1}e^{-x/2}\,dx.

u=x/2u=x/2 と変換すると、

E[Qq]=2qΓ(q+ν/2)Γ(ν/2).E[Q^q] =2^q\frac{\Gamma(q+\nu/2)}{\Gamma(\nu/2)}.

原点付近で積分可能である条件は q+ν/2>0q+\nu/2>0、すなわち q>ν/2q>-\nu/2 です。

答案で気をつけること

ガンマ関数の形に合わせるときは、指数を「形パラメータ minus 1」にそろえます。置換後の微分と2のべきが最も落ちやすい箇所です。負の次数も問われるため、原点付近の積分可能条件を省略しないでください。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

発展問題17:ポアソン分布とガンマ分布の裾確率を結ぶ

NPoisson(λ)N\sim\operatorname{Poisson}(\lambda) とし、TmT_m を率1の指数分布に従う独立な待ち時間 mm 個の和とします。正の整数 mm に対して、

P(Nm1)=P(Tmλ)P(N\leq m-1)=P(T_m\geq\lambda)

を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

TmT_m は形 mm、率1のガンマ分布に従うので、

P(Tmλ)=1(m1)!λtm1etdt.P(T_m\geq\lambda) =\frac{1}{(m-1)!}\int_\lambda^\infty t^{m-1}e^{-t}\,dt.

ここで、

Im(λ)=λtm1etdtI_m(\lambda)=\int_\lambda^\infty t^{m-1}e^{-t}\,dt

とおき、部分積分すると、

Im(λ)=λm1eλ+(m1)Im1(λ)I_m(\lambda) =\lambda^{m-1}e^{-\lambda}+(m-1)I_{m-1}(\lambda)

です。I1(λ)=eλI_1(\lambda)=e^{-\lambda} から再帰的に展開すると、

Im(λ)=(m1)!eλj=0m1λjj!.I_m(\lambda) =(m-1)!e^{-\lambda} \sum_{j=0}^{m-1}\frac{\lambda^j}{j!}.

したがって、

P(Tmλ)=eλj=0m1λjj!=P(Nm1).P(T_m\geq\lambda) =e^{-\lambda}\sum_{j=0}^{m-1}\frac{\lambda^j}{j!} =P(N\leq m-1).

これは「時間 λ\lambda までの発生回数が mm 回未満」と「mm 回目の発生時刻が λ\lambda 以降」が同じ事象であることの解析的表現です。

答案で気をつけること

対応する事象の向きを確認します。Nm1N\leq m-1 に対応するのは TmλT_m\geq\lambda であり、下側確率同士ではありません。また、ガンマ分布の第2パラメータが率か尺度かを答案の冒頭で明記してください。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

医薬・生命科学の問題(13問)

問題1:分布を選ぶ

次の確率変数について、第一候補となる分布を答えてください。

  1. 独立な患者50人のうち、特定の副作用が出た人数
  2. 100本のチューブから非復元で10本を選んだとき、不良チューブが含まれる本数
  3. 一定面積の培地に生じたコロニー数
  4. 初めて陽性化合物が見つかるまでの試験回数
  5. 一定発生率の下で、次の有害事象報告までの時間
  6. 正規母集団から得た標本平均を、標本標準偏差で標準化した量
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

値の範囲、数えた値か測った値か、値が生じる仕組みの3点から候補を絞ります。分布名だけでなく、選んだ理由まで言葉にします。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
問い分布判断の中心
1二項分布独立な50回の二値試行における成功数
2超幾何分布有限母集団からの非復元抽出
3ポアソン分布一定領域内の発生回数
4幾何分布初成功までの試行回数
5指数分布一定率のポアソン過程における待ち時間
6tt分布母分散を標本分散で置き換えた標準化平均

ただし、どれも発生過程の仮定を確認する必要があります。 例えば問題3でコロニーが凝集して発生するなら独立発生とは考えにくく、ポアソン分布より負の二項分布が合うことがあります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題2:二項分布の基本計算

ある副作用が1人の患者に起こる確率を p=0.10p=0.10 とします。 患者20人を独立に観察し、副作用が出た人数を XX とします。

  1. XX の分布、平均、分散を求めてください。
  2. 副作用が2人以下に出る確率を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

20人について、同じ発現確率 0.100.10 の独立な二値試行を考えるので、

XBin(20,0.10)X\sim\mathrm{Bin}(20,0.10)

です。

平均は、

E[X]=np=20×0.10=2E[X]=np=20\times0.10=2

です。分散は、

Var(X)=np(1p)=20×0.10×0.90=1.8\mathrm{Var}(X) =np(1-p) =20\times0.10\times0.90 =1.8

です。

2人以下の確率は、

P(X2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)P(X\leq2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)

です。それぞれ、

P(X=0)=(200)(0.1)0(0.9)20=(0.9)200.1216P(X=0) =\binom{20}{0}(0.1)^0(0.9)^{20} =(0.9)^{20} \approx0.1216P(X=1)=(201)(0.1)(0.9)19=20×0.1×(0.9)190.2702P(X=1) =\binom{20}{1}(0.1)(0.9)^{19} =20\times0.1\times(0.9)^{19} \approx0.2702P(X=2)=(202)(0.1)2(0.9)18=190×0.01×(0.9)180.2852P(X=2) =\binom{20}{2}(0.1)^2(0.9)^{18} =190\times0.01\times(0.9)^{18} \approx0.2852

です。したがって、

P(X2)0.1216+0.2702+0.2852=0.6770P(X\leq2) \approx0.1216+0.2702+0.2852 =0.6770

となります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:ポアソン分布と少なくとも1回

ある培養条件で、1視野当たりのコロニー数 XX が平均2.5のポアソン分布に従うとします。

  1. コロニーが少なくとも1個見える確率を求めてください。
  2. 2個以下である確率を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
XPoisson(2.5)X\sim\mathrm{Poisson}(2.5)

です。

「少なくとも1個」は、0個でない事象なので、余事象を使います。

P(X1)=1P(X=0)P(X\geq1) =1-P(X=0)=1e2.52.500!=1e2.50.9179=1-e^{-2.5}\frac{2.5^0}{0!} =1-e^{-2.5} \approx0.9179

です。

2個以下の確率は、

P(X2)=e2.5(1+2.5+2.522)P(X\leq2) =e^{-2.5}(1+2.5+\frac{2.5^2}{2})

です。括弧内は、

1+2.5+6.252=6.6251+2.5+\frac{6.25}{2}=6.625

なので、

P(X2)=6.625e2.50.5438P(X\leq2) =6.625e^{-2.5} \approx0.5438

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

「少なくとも1回」を直接足す代わりに、余事象の「0回」を1から引きます。計算量が少なく、答案でも最も安全な方法です。

問題4:まれな副作用のポアソン近似

ある副作用の発現確率は1人当たり 0.0020.002 です。 1000人中の発現人数 XX について、誰にも発現しない確率をポアソン近似で求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

厳密には、

XBin(1000,0.002)X\sim\mathrm{Bin}(1000,0.002)

です。nn が大きく pp が小さいので、

λ=np=1000×0.002=2\lambda=np=1000\times0.002=2

としたポアソン分布で近似します。

XPoisson(2)X\approx\mathrm{Poisson}(2)

したがって、

P(X=0)e2200!=e20.1353P(X=0) \approx e^{-2}\frac{2^0}{0!} =e^{-2} \approx0.1353

です。

厳密値は、

(10.002)1000=0.99810000.1351(1-0.002)^{1000}=0.998^{1000}\approx0.1351

であり、よく近似できています。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:幾何分布と無記憶性

1回の化合物スクリーニングで目的活性が見つかる確率を p=0.08p=0.08 とします。 各試行は独立で、成功確率は一定とします。

  1. 初成功までの平均試行回数を求めてください。
  2. 10回試しても見つからない確率を求めてください。
  3. すでに5回失敗したという条件の下で、さらに10回失敗する確率を求めてください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

初成功までの試行回数を XX とすると、

XGeo(0.08)X\sim\mathrm{Geo}(0.08)

です。

平均は、

E[X]=1p=10.08=12.5E[X]=\frac{1}{p}=\frac{1}{0.08}=12.5

回です。

10回試しても見つからないことは X>10X>10 なので、

P(X>10)=(1p)10=0.92100.4344P(X>10) =(1-p)^{10} =0.92^{10} \approx0.4344

です。

3つ目は、すでに5回失敗し、合計15回まで失敗する条件付き確率です。

P(X>15X>5)P(X>15\mid X>5)

幾何分布の無記憶性より、

P(X>15X>5)=P(X>10)=0.92100.4344P(X>15\mid X>5) =P(X>10) =0.92^{10} \approx0.4344

です。過去5回の失敗は、成功確率が一定というモデルの下では、今後の成功確率を変えません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:多項分布とカテゴリ間の共分散

遺伝子型 AA,Aa,aaAA,Aa,aa の確率が、それぞれ 0.25,0.50,0.250.25,0.50,0.25 である集団から、独立に10個体を観察します。

  1. AAAA が2個体、AaAa が5個体、aaaa が3個体となる確率を求めてください。
  2. AAAA の個体数 XAAX_{AA}AaAa の個体数 XAaX_{Aa} の共分散を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

個体数ベクトルは、

(XAA,XAa,Xaa)Multinomial(10;0.25,0.50,0.25)(X_{AA},X_{Aa},X_{aa}) \sim\mathrm{Multinomial}(10;0.25,0.50,0.25)

です。したがって、

P(2,5,3)=10!2!5!3!(0.25)2(0.50)5(0.25)3P(2,5,3) =\frac{10!}{2!5!3!} (0.25)^2(0.50)^5(0.25)^3

です。

10!2!5!3!=2520\frac{10!}{2!5!3!}=2520

なので、

P(2,5,3)=2520(0.25)5(0.50)50.0769P(2,5,3) =2520(0.25)^5(0.50)^5 \approx0.0769

です。

異なるカテゴリ間の共分散は、

Cov(Xi,Xj)=npipj\mathrm{Cov}(X_i,X_j)=-np_ip_j

なので、

Cov(XAA,XAa)=10×0.25×0.50=1.25\mathrm{Cov}(X_{AA},X_{Aa}) =-10\times0.25\times0.50 =-1.25

です。合計10個体という制約のため、カテゴリ個数は負に相関します。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題7:指数分布と待ち時間

ある有害事象報告までの待ち時間 TT が、1時間当たりの率 λ=0.2\lambda=0.2 の指数分布に従うとします。

  1. 5時間を超えて報告がない確率を求めてください。
  2. 3時間報告がなかったという条件の下で、合計8時間を超えて報告がない確率を求めてください。
  3. 待ち時間の中央値を求めてください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

指数分布の生存関数は、

P(T>t)=eλtP(T>t)=e^{-\lambda t}

です。したがって、

P(T>5)=e0.2×5=e10.3679P(T>5) =e^{-0.2\times5} =e^{-1} \approx0.3679

です。

無記憶性より、

P(T>8T>3)=P(T>5)0.3679P(T>8\mid T>3) =P(T>5) \approx0.3679

です。

中央値 mm は、半分の確率で mm を超える値なので、

P(T>m)=0.5P(T>m)=0.5

とおけます。

e0.2m=0.5e^{-0.2m}=0.5

両辺の自然対数を取ると、

0.2m=log0.5=log2-0.2m=\log0.5=-\log2

よって、

m=log20.23.466m=\frac{\log2}{0.2} \approx3.466

時間です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題8:正規分布による分析値の評価

ある分析法による測定値 XX は、平均100、標準偏差4の正規分布に従うとします。 測定値が95以上108以下になる確率を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
XN(100,42)X\sim N(100,4^2)

です。下限95を標準化すると、

z1=951004=1.25z_1=\frac{95-100}{4}=-1.25

上限108は、

z2=1081004=2z_2=\frac{108-100}{4}=2

です。したがって、

P(95X108)=P(1.25Z2)P(95\leq X\leq108) =P(-1.25\leq Z\leq2)=Φ(2)Φ(1.25)=\Phi(2)-\Phi(-1.25)

です。標準正規分布表より、

Φ(2)0.9772,Φ(1.25)0.1056\Phi(2)\approx0.9772, \qquad \Phi(-1.25)\approx0.1056

なので、

P(95X108)0.8716P(95\leq X\leq108) \approx0.8716

となります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題9:対数正規分布と薬物動態量

薬物動態量 XX について、

logXN(log20,0.32)\log X\sim N(\log20,0.3^2)

とします。対数は自然対数です。

  1. XX の中央値と平均を求めてください。
  2. P(X>30)P(X>30) を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

対数正規分布の中央値は、

Median(X)=eμ\mathrm{Median}(X)=e^\mu

なので、

Median(X)=elog20=20\mathrm{Median}(X)=e^{\log20}=20

です。

平均は、

E[X]=eμ+σ2/2E[X]=e^{\mu+\sigma^2/2}

なので、

E[X]=elog20+0.32/2=20e0.04520.92E[X] =e^{\log20+0.3^2/2} =20e^{0.045} \approx20.92

です。右に歪んでいるため、平均は中央値より大きくなります。

次に、

P(X>30)=P(logX>log30)P(X>30) =P(\log X>\log30)

です。標準化すると、

P(X>30)=P(Z>log30log200.3)P(X>30) =P\left( Z>\frac{\log30-\log20}{0.3} \right)=P(Z>log1.50.3)=P\left( Z>\frac{\log1.5}{0.3} \right)log1.50.31.352\frac{\log1.5}{0.3}\approx1.352

より、

P(X>30)1Φ(1.352)0.088P(X>30) \approx1-\Phi(1.352) \approx0.088

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題10:ベータ事前分布と副作用率

未知の副作用発現確率 pp の事前分布を、

pBeta(2,8)p\sim\mathrm{Beta}(2,8)

とします。新たに20人を観察したところ、6人に副作用が出ました。

  1. pp の事後分布を求めてください。
  2. 事後平均を求めてください。
  3. 次の1人に副作用が出る事後予測確率を求めてください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

ベータ事前分布と二項尤度の共役性より、成功数6を α\alpha に、失敗数14を β\beta に加えます。

pxBeta(2+6,8+14)p\mid x \sim\mathrm{Beta}(2+6,8+14)

したがって、

pxBeta(8,22)p\mid x\sim\mathrm{Beta}(8,22)

です。

事後平均は、

E[px]=88+22=8300.2667E[p\mid x] =\frac{8}{8+22} =\frac{8}{30} \approx0.2667

です。

次の1人の副作用指標を YY とすると、pp が与えられた下では、

P(Y=1p)=pP(Y=1\mid p)=p

です。全期待値の公式より、

P(Y=1x)=E{P(Y=1p,x)x}=E[px]P(Y=1\mid x) =E\{P(Y=1\mid p,x)\mid x\} =E[p\mid x]

なので、事後予測確率も、

P(Y=1x)0.2667P(Y=1\mid x)\approx0.2667

です。

事前平均 2/(2+8)=0.202/(2+8)=0.20 と、データだけの割合 6/20=0.306/20=0.30 の間に入っていることも確認できます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題11:ワイブル分布と時間依存ハザード

ある製剤が規格外となるまでの時間 TT が、形状 k=2k=2、尺度 η=100\eta=100 日のワイブル分布に従うとします。

  1. 80日を超えて規格内である確率を求めてください。
  2. 50日目と100日目のハザードを求め、比較してください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

ワイブル分布の生存関数は、

S(t)=exp{(tη)k}S(t)=\exp\left\{-\left(\frac{t}{\eta}\right)^k\right\}

です。したがって、

P(T>80)=exp{(80100)2}=e0.640.5273P(T>80) =\exp\left\{-\left(\frac{80}{100}\right)^2\right\} =e^{-0.64} \approx0.5273

です。

ハザードは、

h(t)=kη(tη)k1h(t)=\frac{k}{\eta}\left(\frac{t}{\eta}\right)^{k-1}

なので、

h(50)=2100(50100)=0.01h(50) =\frac{2}{100}\left(\frac{50}{100}\right) =0.01h(100)=2100(100100)=0.02h(100) =\frac{2}{100}\left(\frac{100}{100}\right) =0.02

です。k=2>1k=2>1 なので、規格外となる瞬間的なリスクは時間とともに増加します。 100日目のハザードは50日目の2倍です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題12:過分散からモデルを考える

多数の培養ウェルでコロニー数を数えたところ、標本平均は4、標本分散は12でした。

  1. ポアソン分布を第一候補としたとき、どの点が気になりますか。
  2. 負の二項分布の平均と分散を、
E[X]=μ,Var(X)=μ+μ2rE[X]=\mu, \qquad \mathrm{Var}(X)=\mu+\frac{\mu^2}{r}

と表すとします。μ=4\mu=4、分散12に合う rr を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

ポアソン分布では、

E[X]=Var(X)=λE[X]=\mathrm{Var}(X)=\lambda

です。しかしデータでは、

平均=4,分散=12\text{平均}=4, \qquad \text{分散}=12

であり、分散が平均の3倍です。 これは過分散のサインです。

考えられる原因には、ウェル間の細胞密度差、バッチ差、コロニーの凝集、観測されない異質性などがあります。

負の二項分布の分散式に代入すると、

12=4+42r12=4+\frac{4^2}{r}

です。したがって、

8=16r8=\frac{16}{r}

両辺に rr を掛けて8で割ると、

r=2r=2

です。

ただし、標本平均と標本分散だけでモデルを確定はできません。 ヒストグラム、ゼロの個数、外れた大カウント、実験デザインを合わせて確認します。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

発展 問題13:ゼロ過剰ポアソン分布

確率 π=0.4\pi=0.4 で構造的に0となり、それ以外では平均 λ=3\lambda=3 のポアソン分布に従うとします。

  1. P(X=0)P(X=0) を求めてください。
  2. E[X]E[X]Var(X)\mathrm{Var}(X) を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

0は「構造的な0」と「ポアソン分布から生じる0」の2経路で起こります。

P(X=0)=0.4+0.6e30.4299P(X=0) =0.4+0.6e^{-3} \approx0.4299

です。

平均は、

E[X]=(1π)λ=0.6×3=1.8E[X]=(1-\pi)\lambda =0.6\times3 =1.8

です。分散は、

Var(X)=(1π)λ+π(1π)λ2\mathrm{Var}(X) =(1-\pi)\lambda +\pi(1-\pi)\lambda^2

に代入して、

Var(X)=0.6×3+0.4×0.6×32\mathrm{Var}(X) =0.6\times3 +0.4\times0.6\times3^2=1.8+2.16=3.96=1.8+2.16 =3.96

です。平均1.8より分散3.96が大きく、ゼロ過剰が過分散を生むことが分かります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

第四章 多次元確率変数の分布

この章は30問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(22問)

問題1:同時確率表

同時確率が次で与えられます。

Y=0Y=0Y=1Y=1
X=0X=00.420.08
X=1X=10.180.32

次を求めてください。

  1. P(X=1)P(X=1)P(Y=1)P(Y=1)
  2. P(Y=1X=1)P(Y=1\mid X=1)
  3. X,YX,Y は独立か
  4. Cov(X,Y)\mathrm{Cov}(X,Y) と相関係数
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

周辺確率は行・列を足して、

P(X=1)=0.18+0.32=0.50P(X=1)=0.18+0.32=0.50P(Y=1)=0.08+0.32=0.40P(Y=1)=0.08+0.32=0.40

です。条件付き確率は、

P(Y=1X=1)=0.320.50=0.64P(Y=1\mid X=1) =\frac{0.32}{0.50} =0.64

です。独立なら P(X=1,Y=1)=0.50×0.40=0.20P(X=1,Y=1)=0.50\times0.40=0.20 ですが、実際は0.32なので独立ではありません。

二値変数なので、

E[XY]=P(X=1,Y=1)=0.32E[XY]=P(X=1,Y=1)=0.32

です。したがって、

Cov(X,Y)=0.320.50×0.40=0.12\mathrm{Cov}(X,Y) =0.32-0.50\times0.40 =0.12

です。また、

Var(X)=0.5(10.5)=0.25\mathrm{Var}(X)=0.5(1-0.5)=0.25Var(Y)=0.4(10.4)=0.24\mathrm{Var}(Y)=0.4(1-0.4)=0.24

なので、

Corr(X,Y)=0.120.25×0.240.490\mathrm{Corr}(X,Y) =\frac{0.12}{\sqrt{0.25\times0.24}} \approx0.490

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題2:三角形の台

fX,Y(x,y)=c(0<x<y<1)f_{X,Y}(x,y)=c \qquad(0<x<y<1)

が同時密度となるように cc を定め、周辺密度 fX(x),fY(y)f_X(x),f_Y(y) と条件付き密度 fXY(xy)f_{X\mid Y}(x\mid y) を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

正規化より、

1=010ycdxdy=c21=\int_0^1\int_0^y c\,dx\,dy =\frac c2

なので c=2c=2 です。

fX(x)=x12dy=2(1x)(0<x<1)f_X(x)=\int_x^1 2\,dy=2(1-x) \qquad(0<x<1)fY(y)=0y2dx=2y(0<y<1)f_Y(y)=\int_0^y2\,dx=2y \qquad(0<y<1)

です。したがって、

fXY(xy)=22y=1y(0<x<y)f_{X\mid Y}(x\mid y) =\frac{2}{2y} =\frac1y \qquad(0<x<y)

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:条件付き期待値

問題1の表について、E[YX]E[Y\mid X]E{E[YX]}E\{E[Y\mid X]\} を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
E[YX=0]=P(Y=1X=0)=0.080.50=0.16E[Y\mid X=0] =P(Y=1\mid X=0) =\frac{0.08}{0.50} =0.16E[YX=1]=0.64E[Y\mid X=1]=0.64

です。したがって、

E{E[YX]}=0.50×0.16+0.50×0.64=0.40E\{E[Y\mid X]\} =0.50\times0.16+0.50\times0.64 =0.40

となり、E[Y]=P(Y=1)=0.40E[Y]=P(Y=1)=0.40 と一致します。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題4:全分散の公式

問題1の表について、全分散の公式を使って Var(Y)\mathrm{Var}(Y) を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

条件付き分散は、

Var(YX=0)=0.16(10.16)=0.1344\mathrm{Var}(Y\mid X=0) =0.16(1-0.16) =0.1344Var(YX=1)=0.64(10.64)=0.2304\mathrm{Var}(Y\mid X=1) =0.64(1-0.64) =0.2304

です。よって、

E{Var(YX)}=0.5(0.1344)+0.5(0.2304)=0.1824E\{\mathrm{Var}(Y\mid X)\} =0.5(0.1344)+0.5(0.2304) =0.1824

です。条件付き平均は0.16と0.64で、全体平均は0.40なので、

Var{E[YX]}=0.5(0.160.40)2+0.5(0.640.40)2=0.0576\mathrm{Var}\{E[Y\mid X]\} =0.5(0.16-0.40)^2 +0.5(0.64-0.40)^2 =0.0576

です。したがって、

Var(Y)=0.1824+0.0576=0.24\mathrm{Var}(Y)=0.1824+0.0576=0.24

となり、ベルヌーイ分散 0.4(10.4)0.4(1-0.4) と一致します。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題5:線形結合の平均と分散

E[X]=2,E[Y]=3,E[X]=2,\quad E[Y]=3,Var(X)=4,Var(Y)=9,Cov(X,Y)=3\mathrm{Var}(X)=4,\quad \mathrm{Var}(Y)=9,\quad \mathrm{Cov}(X,Y)=3

とします。S=2XYS=2X-Y の平均と分散を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
E[S]=2E[X]E[Y]=43=1E[S]=2E[X]-E[Y]=4-3=1

です。分散は、

Var(2XY)=4Var(X)+Var(Y)4Cov(X,Y)=4×4+94×3=13\begin{aligned} \mathrm{Var}(2X-Y) &=4\mathrm{Var}(X) +\mathrm{Var}(Y) -4\mathrm{Cov}(X,Y)\\ &=4\times4+9-4\times3\\ &=13 \end{aligned}

です。係数の積 2×(1)2\times(-1) を2倍して、共分散項が 4Cov(X,Y)-4\mathrm{Cov}(X,Y) となる点に注意します。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

別解・別の見方

成分表示で共分散項まで展開する方法と、係数ベクトル aa を使って operatornameVar(aTX)=aTSigmaaoperatorname{Var}(a^T X)=a^TSigma a と計算する方法の2通りがあります。

問題6:離散畳み込み

独立な確率変数 X,YX,Y が、

P(X=0)=P(Y=0)=12,P(X=1)=P(Y=1)=12P(X=0)=P(Y=0)=\frac12, \qquad P(X=1)=P(Y=1)=\frac12

を満たします。S=X+YS=X+Y の分布を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

独立性と共分散の有無を確認してから、和の確率、畳み込み、または線形結合の公式を選びます。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
P(S=0)=P(X=0,Y=0)=14P(S=0)=P(X=0,Y=0)=\frac14P(S=1)=P(0,1)+P(1,0)=14+14=12P(S=1) =P(0,1)+P(1,0) =\frac14+\frac14 =\frac12P(S=2)=P(1,1)=14P(S=2)=P(1,1)=\frac14

です。したがって SBin(2,1/2)S\sim\mathrm{Bin}(2,1/2) です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

別解・別の見方

確率母関数が使える離散分布なら、各変数の母関数を掛け、積を展開して和の確率を読み取る方法もあります。

問題7:一様分布の和

X,YX,Y は独立に U(0,1)U(0,1) に従います。S=X+YS=X+Y の密度を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

独立性と共分散の有無を確認してから、和の確率、畳み込み、または線形結合の公式を選びます。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

畳み込みより、

fS(s)=fX(x)fY(sx)dxf_S(s)=\int f_X(x)f_Y(s-x)\,dx

です。積分される値が1になるには、

0<x<1,0<sx<10<x<1, \qquad 0<s-x<1

が必要です。

0<s<10<s<1 では 0<x<s0<x<s なので、

fS(s)=0s1dx=sf_S(s)=\int_0^s1\,dx=s

です。1s<21\leq s<2 では s1<x<1s-1<x<1 なので、

fS(s)=s111dx=2sf_S(s)=\int_{s-1}^1 1\,dx=2-s

です。したがって、

fS(s)={s(0<s<1)2s(1s<2)0(otherwise)f_S(s) = \begin{cases} s & (0<s<1)\\ 2-s & (1\leq s<2)\\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}

です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

別解・別の見方

畳み込み積分の代わりに、単位正方形の中で x+ylezx+yle z を満たす領域の面積を求めても分布関数が得られます。

問題8:指数分布の和

X,YX,Y は独立に率 λ\lambda の指数分布に従います。S=X+YS=X+Y の密度を畳み込みで求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

独立性と共分散の有無を確認してから、和の確率、畳み込み、または線形結合の公式を選びます。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

s>0s>0 で、

fS(s)=0sλeλxλeλ(sx)dx=λ2eλs0s1dx=λ2seλs\begin{aligned} f_S(s) &=\int_0^s \lambda e^{-\lambda x} \lambda e^{-\lambda(s-x)}\,dx\\ &=\lambda^2e^{-\lambda s} \int_0^s1\,dx\\ &=\lambda^2s e^{-\lambda s} \end{aligned}

です。これは形状2、率 λ\lambda のガンマ分布です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

問題9:和と比への変換

X,YX,Y は独立に率1の指数分布に従います。

S=X+Y,U=XX+YS=X+Y,\qquad U=\frac{X}{X+Y}

とします。(S,U)(S,U) の同時密度を求め、S,US,U が独立であることを示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

逆変換は、

X=SU,Y=S(1U)X=SU,\qquad Y=S(1-U)

です。台は、

s>0,0<u<1s>0,\qquad0<u<1

です。ヤコビアンは、

(x,y)(s,u)=us1us=s\left| \frac{\partial(x,y)}{\partial(s,u)} \right| = \left| \begin{matrix} u&s\\ 1-u&-s \end{matrix} \right| =s

です。したがって、

fS,U(s,u)=esues(1u)s=ses\begin{aligned} f_{S,U}(s,u) &=e^{-su}e^{-s(1-u)}s\\ &=se^{-s} \end{aligned}

です。これは、

{ses}×1\{se^{-s}\}\times1

と分解できるので、

SGamma(2,rate 1),UU(0,1)S\sim\mathrm{Gamma}(2,\text{rate }1), \qquad U\sim U(0,1)

であり、S,US,U は独立です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

問題10:Box–Muller変換

U1=e1,U2=18U_1=e^{-1}, \qquad U_2=\frac18

について、次を求めてください。

  1. 半径 RR と角度 Θ\Theta
  2. Box–Muller変換後の Z1,Z2Z_1,Z_2
  3. Z12+Z22=2logU1Z_1^2+Z_2^2=-2\log U_1 が成り立つことの確認
  4. U1U_1U2U_2 がそれぞれ変換後の点の何を決めているか
  5. 極座標から直交座標へのヤコビアンの絶対値
  6. (U1,U2)(U_1,U_2) から (Z1,Z2)(Z_1,Z_2) への変換全体のヤコビアンと、その逆数
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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

半径は、

R=2log(e1)=2R=\sqrt{-2\log(e^{-1})}=\sqrt2

です。角度は、

Θ=2π×18=π4\Theta=2\pi\times\frac18=\frac{\pi}{4}

です。したがって、

Z1=2cosπ4=1Z_1=\sqrt2\cos\frac{\pi}{4}=1Z2=2sinπ4=1Z_2=\sqrt2\sin\frac{\pi}{4}=1

です。

平方和を計算すると、

Z12+Z22=12+12=2Z_1^2+Z_2^2=1^2+1^2=2

です。一方、

2logU1=2log(e1)=2-2\log U_1 =-2\log(e^{-1}) =2

なので、

Z12+Z22=2logU1Z_1^2+Z_2^2=-2\log U_1

を確認できます。

U1U_1 は、

R=2logU1R=\sqrt{-2\log U_1}

を通して原点からの距離を決めます。U1U_1 が0へ近づくほど RR は大きくなります。 U2U_2 は、

Θ=2πU2\Theta=2\pi U_2

を通して方向を決め、半径は変えません。

極座標から直交座標へのヤコビアンは、

(z1,z2)(r,θ)=r\left| \frac{\partial(z_1,z_2)} {\partial(r,\theta)} \right| =r

です。この問題では R=2R=\sqrt2 なので、

(z1,z2)(r,θ)=2\left| \frac{\partial(z_1,z_2)} {\partial(r,\theta)} \right| =\sqrt2

です。これは (R,Θ)(R,\Theta) 空間の微小長方形 dR,dΘdR,d\Theta が、(Z1,Z2)(Z_1,Z_2) 平面で面積約 2,dR,dΘ\sqrt2,dR,d\Theta の扇形へ変わることを表します。

変換全体のヤコビアンは、

(z1,z2)(u1,u2)=2πu1\left| \frac{\partial(z_1,z_2)} {\partial(u_1,u_2)} \right| =\frac{2\pi}{u_1}

でした。u1=e1u_1=e^{-1} を代入すると、

(z1,z2)(u1,u2)=2πe\left| \frac{\partial(z_1,z_2)} {\partial(u_1,u_2)} \right| =2\pi e

です。密度変換で (Z1,Z2)(Z_1,Z_2) の密度を求めるときに使う逆向きのヤコビアンは、

(u1,u2)(z1,z2)=12πe\left| \frac{\partial(u_1,u_2)} {\partial(z_1,z_2)} \right| =\frac{1}{2\pi e}

です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

別解・別の見方

逆変換全体のヤコビアンを計算する方法のほか、二変量標準正規密度を極座標に直し、半径と角度が独立になることから導く方法があります。

問題11:多項分布の確率

細胞の表現型がA、B、Cに分類される確率を、

(pA,pB,pC)=(0.5,0.3,0.2)(p_A,p_B,p_C)=(0.5,0.3,0.2)

とします。独立に10細胞を観察したとき、個数が (5,3,2)(5,3,2) となる確率を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
P(NA=5,NB=3,NC=2)=10!5!3!2!(0.5)5(0.3)3(0.2)2P(N_A=5,N_B=3,N_C=2) = \frac{10!}{5!3!2!} (0.5)^5(0.3)^3(0.2)^2

です。多項係数は、

10!5!3!2!=2520\frac{10!}{5!3!2!}=2520

なので、

2520(0.5)5(0.3)3(0.2)20.08512520(0.5)^5(0.3)^3(0.2)^2 \approx0.0851

です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

問題12:多項分布の共分散

問題11で、E[NA]E[N_A]Var(NA)\mathrm{Var}(N_A)Cov(NA,NB)\mathrm{Cov}(N_A,N_B) を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
E[NA]=npA=10×0.5=5E[N_A]=np_A=10\times0.5=5Var(NA)=npA(1pA)=10×0.5×0.5=2.5\mathrm{Var}(N_A) =np_A(1-p_A) =10\times0.5\times0.5 =2.5Cov(NA,NB)=npApB=10×0.5×0.3=1.5\mathrm{Cov}(N_A,N_B) =-np_Ap_B =-10\times0.5\times0.3 =-1.5

です。合計細胞数が固定されているため、カテゴリ間の共分散は負です。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題13:多変量正規分布の線形結合

(XY)N2[(1020),(4339)]\begin{pmatrix}X\\Y\end{pmatrix} \sim N_2\left[ \begin{pmatrix}10\\20\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}4&3\\3&9\end{pmatrix} \right]

とします。S=X+2YS=X+2Y の分布を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

独立性と共分散の有無を確認してから、和の確率、畳み込み、または線形結合の公式を選びます。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

平均は、

E[S]=10+2×20=50E[S]=10+2\times20=50

です。a=(1,2)T\mathbf a=(1,2)^\mathsf T とすると、

Var(S)=aTΣa=12×4+22×9+2×1×2×3=52\begin{aligned} \mathrm{Var}(S) &=\mathbf a^\mathsf T \boldsymbol\Sigma\mathbf a\\ &=1^2\times4 +2^2\times9 +2\times1\times2\times3\\ &=52 \end{aligned}

です。したがって、

SN(50,52)S\sim N(50,52)

です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

別解・別の見方

行列公式 aTSigmaaa^TSigma a を使う方法と、分散の加法公式を成分ごとに展開する方法があります。後者は共分散項の意味を確認しやすい方法です。

問題14:二変量正規の条件付き分布

X,YX,Y は平均0、分散1、相関係数 ρ=0.8\rho=0.8 の二変量正規分布に従います。 X=1.5X=1.5 のときの YY の条件付き分布を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
E[YX=1.5]=ρx=0.8×1.5=1.2E[Y\mid X=1.5] =\rho x =0.8\times1.5 =1.2Var(YX=1.5)=1ρ2=10.64=0.36\mathrm{Var}(Y\mid X=1.5) =1-\rho^2 =1-0.64 =0.36

なので、

YX=1.5N(1.2,0.36)Y\mid X=1.5\sim N(1.2,0.36)

です。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題15:2成分混合分布

確率0.7で N(0,1)N(0,1)、確率0.3で N(4,1)N(4,1) から値を生成します。 混合分布の平均と分散を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

平均は、

μ=0.7×0+0.3×4=1.2\mu=0.7\times0+0.3\times4=1.2

です。群内分散の平均は、

0.7×1+0.3×1=10.7\times1+0.3\times1=1

です。群間平均による分散は、

0.7(01.2)2+0.3(41.2)2=3.360.7(0-1.2)^2+0.3(4-1.2)^2 =3.36

です。したがって、

Var(X)=1+3.36=4.36\mathrm{Var}(X)=1+3.36=4.36

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題16:同じユークリッド距離、異なるマハラノビス距離

平均ベクトルが 0\boldsymbol{0}、各変数の分散が1、相関係数が ρ=0.8\rho=0.8 の二変量正規分布を考えます。 次の2点について、原点からのユークリッド距離とマハラノビス距離の2乗を求めてください。

xA=(2,2),xB=(2,2)\boldsymbol{x}_A=(2,2)^\top, \qquad \boldsymbol{x}_B=(2,-2)^\top

さらに、自由度2のカイ二乗分布の上側5%点 5.9915.991 と比較し、どちらが95%確率楕円の外側にあるか説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

どちらの点もユークリッド距離は、

xA2=xB2=22+22=8\|\boldsymbol{x}_A\|_2 =\|\boldsymbol{x}_B\|_2 =\sqrt{2^2+2^2} =\sqrt{8}

であり、原点からの直線距離だけでは区別できません。

各変数の標準偏差が1なので、マハラノビス距離の2乗は、

D2=x122ρx1x2+x221ρ2D^2 =\frac{x_1^2-2\rho x_1x_2+x_2^2}{1-\rho^2}

です。xA=(2,2)\boldsymbol{x}_A=(2,2)^\top では、

DA2=222(0.8)(2)(2)+2210.82=86.40.36=1.60.364.44\begin{aligned} D_A^2 &=\frac{2^2-2(0.8)(2)(2)+2^2}{1-0.8^2}\\ &=\frac{8-6.4}{0.36}\\ &=\frac{1.6}{0.36}\\ &\approx4.44 \end{aligned}

です。一方、xB=(2,2)\boldsymbol{x}_B=(2,-2)^\top では、

DB2=222(0.8)(2)(2)+(2)210.82=8+6.40.36=14.40.36=40\begin{aligned} D_B^2 &=\frac{2^2-2(0.8)(2)(-2)+(-2)^2}{1-0.8^2}\\ &=\frac{8+6.4}{0.36}\\ &=\frac{14.4}{0.36}\\ &=40 \end{aligned}

です。したがって、

DA2=4.44<5.991,DB2=40>5.991D_A^2=4.44<5.991, \qquad D_B^2=40>5.991

より、xA\boldsymbol{x}_A は95%確率楕円の内側、xB\boldsymbol{x}_B は外側です。 正の相関が強い集団では「両方とも高い」は起こりやすい一方、「片方が高く、もう片方が低い」は非常に起こりにくいためです。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題17:階層モデルの分散、ICC、部分プーリング

次の正規階層モデルを考えます。

Yij=μ+ui+εijY_{ij}=\mu+u_i+\varepsilon_{ij}uiN(0,0.64),εijN(0,1.44)u_i\sim N(0,0.64), \qquad \varepsilon_{ij}\sim N(0,1.44)

各群の標本数は ni=4n_i=4、全体平均は μ=1\mu=1 とします。ある群の標本平均が Yˉi=3\bar Y_i=3 でした。

  1. YijY_{ij} の分散
  2. 同じ群内の2観測の共分散
  3. ICC
  4. 部分プーリング後の群平均

を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

群間分散は τ2=0.64\tau^2=0.64、群内分散は σ2=1.44\sigma^2=1.44 です。

観測値の分散は、

Var(Yij)=Var(ui)+Var(εij)=0.64+1.44=2.08\begin{aligned} \mathrm{Var}(Y_{ij}) &=\mathrm{Var}(u_i)+\mathrm{Var}(\varepsilon_{ij})\\ &=0.64+1.44\\ &=2.08 \end{aligned}

です。

同じ群の2観測は uiu_i を共有するため、

Cov(Yij,Yik)=Var(ui)=0.64\mathrm{Cov}(Y_{ij},Y_{ik}) =\mathrm{Var}(u_i) =0.64

です。したがってICCは、

ICC=τ2τ2+σ2=0.640.64+1.44=0.642.080.308\begin{aligned} \mathrm{ICC} &=\frac{\tau^2}{\tau^2+\sigma^2}\\ &=\frac{0.64}{0.64+1.44}\\ &=\frac{0.64}{2.08}\\ &\approx0.308 \end{aligned}

です。

部分プーリングで群自身の平均に掛かる重みは、

Bi=niτ2niτ2+σ2=4(0.64)4(0.64)+1.44=2.564.00=0.64\begin{aligned} B_i &=\frac{n_i\tau^2}{n_i\tau^2+\sigma^2}\\ &=\frac{4(0.64)}{4(0.64)+1.44}\\ &=\frac{2.56}{4.00}\\ &=0.64 \end{aligned}

です。したがって、

E[θiYˉi]=BiYˉi+(1Bi)μ=0.64(3)+0.36(1)=1.92+0.36=2.28\begin{aligned} E[\theta_i\mid\bar Y_i] &=B_i\bar Y_i+(1-B_i)\mu\\ &=0.64(3)+0.36(1)\\ &=1.92+0.36\\ &=2.28 \end{aligned}

です。生の群平均3をそのまま採用せず、標本数と分散成分に応じて全体平均1の方向へ縮めています。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題18:Cauchy—Schwarzの不等式を二次式から導く

E[X2]<E[X^2]<\inftyE[Y2]<E[Y^2]<\infty とします。二次式

h(t)=E[{(XE[X])t(YE[Y])}2]h(t)=E[\{(X-E[X])-t(Y-E[Y])\}^2]

を用いて、

Cov(X,Y)Var(X)Var(Y)|\operatorname{Cov}(X,Y)| \leq\sqrt{\operatorname{Var}(X)\operatorname{Var}(Y)}

を示し、等号成立条件を答えてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

U=XE[X]U=X-E[X]V=YE[Y]V=Y-E[Y] とおくと、

h(t)=E[(UtV)2]=Var(X)2tCov(X,Y)+t2Var(Y).\begin{aligned} h(t) &=E[(U-tV)^2]\\ &=\operatorname{Var}(X)-2t\operatorname{Cov}(X,Y) +t^2\operatorname{Var}(Y). \end{aligned}

h(t)h(t) は平方の期待値なので、すべての tt に対して非負です。Var(Y)>0\operatorname{Var}(Y)>0 のとき、平方完成すると、

h(t)=Var(Y)(tCov(X,Y)Var(Y))2+Var(X)Cov(X,Y)2Var(Y).\begin{aligned} h(t) &=\operatorname{Var}(Y) \left(t-\frac{\operatorname{Cov}(X,Y)}{\operatorname{Var}(Y)}\right)^2\\ &\quad+\operatorname{Var}(X) -\frac{\operatorname{Cov}(X,Y)^2}{\operatorname{Var}(Y)}. \end{aligned}

最小値も非負なので、

Cov(X,Y)2Var(X)Var(Y).\operatorname{Cov}(X,Y)^2 \leq\operatorname{Var}(X)\operatorname{Var}(Y).

両辺の平方根を取れば目的の不等式を得ます。

等号が成立するのは最小値が0、すなわち、ある定数 cc が存在して、

XE[X]=c{YE[Y]}a.s.X-E[X]=c\{Y-E[Y]\}\quad\text{a.s.}

となるときです。どちらかの分散が0の場合も等号になります。

答案で気をつけること

相関係数の範囲だけを書くのではなく、非負な二次式を明示します。等号条件は単なる「線形関係」ではなく、中心化した変数がほとんど確実に比例することです。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題19:条件付き期待値は残差と直交する

X,YX,Y は二乗可積分とし、

R=YE[YX]R=Y-E[Y\mid X]

とおきます。次を示してください。

  1. Cov(X,R)=0\operatorname{Cov}(X,R)=0
  2. Var(R)=E[Var(YX)]\operatorname{Var}(R)=E[\operatorname{Var}(Y\mid X)]
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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、条件付き期待値の定義から、

E[RX]=E[YX]E[YX]=0.E[R\mid X] =E[Y\mid X]-E[Y\mid X] =0.

したがって、反復期待値の法則により、

E[R]=E[E[RX]]=0E[R]=E[E[R\mid X]]=0

です。また、XXXX の関数なので条件の外へ出せます。

E[XR]=E[E[XRX]]=E[XE[RX]]=0.\begin{aligned} E[XR] &=E[E[XR\mid X]]\\ &=E[XE[R\mid X]]\\ &=0. \end{aligned}

よって、

Cov(X,R)=E[XR]E[X]E[R]=0.\operatorname{Cov}(X,R) =E[XR]-E[X]E[R] =0.

次に、E[RX]=0E[R\mid X]=0 なので、

Var(R)=E[R2].\operatorname{Var}(R) =E[R^2].

条件付きで見ると E[YX]E[Y\mid X] は定数であるため、

E[R2X]=E[{YE[YX]}2X]=Var(YX).E[R^2\mid X] =E[\{Y-E[Y\mid X]\}^2\mid X] =\operatorname{Var}(Y\mid X).

再び期待値を取れば、

Var(R)=E[Var(YX)]\operatorname{Var}(R) =E[\operatorname{Var}(Y\mid X)]

です。これは回帰における「説明できなかったばらつき」に対応します。

答案で気をつけること

無相関を示すには E[XR]=0E[XR]=0 だけでなく E[R]=0E[R]=0 も確認します。また、残差が XX と無相関でも、一般には独立とは限りません。独立まで言えるのは、たとえば同時正規性など追加条件がある場合です。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題20:カイ二乗分布の和と比を同時変換する

独立な確率変数

Aχm2,Bχn2A\sim\chi_m^2, \qquad B\sim\chi_n^2

に対して、

S=A+B,R=AA+BS=A+B, \qquad R=\frac{A}{A+B}

とおきます。(S,R)(S,R) の同時密度を求め、SSRR の分布および独立性を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

逆変換は、

A=RS,B=(1R)SA=RS, \qquad B=(1-R)S

であり、台は s>0s>00<r<10<r<1 です。Jacobianは、

(a,b)(s,r)=rs1rs=s.\left| \frac{\partial(a,b)}{\partial(s,r)} \right| =\left| \begin{matrix} r&s\\ 1-r&-s \end{matrix} \right| =s.

独立性とカイ二乗密度を使うと、

fS,R(s,r)=(rs)m/21{(1r)s}n/21es/2s2(m+n)/2Γ(m/2)Γ(n/2)={s(m+n)/21es/22(m+n)/2Γ((m+n)/2)}×{Γ((m+n)/2)Γ(m/2)Γ(n/2)rm/21(1r)n/21}.\begin{aligned} f_{S,R}(s,r) &=\frac{(rs)^{m/2-1}\{(1-r)s\}^{n/2-1}e^{-s/2}s} {2^{(m+n)/2}\Gamma(m/2)\Gamma(n/2)}\\ &=\left\{ \frac{s^{(m+n)/2-1}e^{-s/2}} {2^{(m+n)/2}\Gamma((m+n)/2)} \right\}\\ &\quad\times\left\{ \frac{\Gamma((m+n)/2)}{\Gamma(m/2)\Gamma(n/2)} r^{m/2-1}(1-r)^{n/2-1} \right\}. \end{aligned}

同時密度が ss だけの密度と rr だけの密度の積に分解できたので、

Sχm+n2,RBeta(m2,n2),SRS\sim\chi_{m+n}^2, \qquad R\sim\operatorname{Beta}\left(\frac m2,\frac n2\right), \qquad S\perp R

です。

答案で気をつけること

多変量変換は、逆変換、変換後の台、Jacobianの絶対値の順で書きます。独立性は「形が似ている」ではなく、同時密度が周辺密度の積に因数分解されたことから結論します。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題21:全共分散の公式と潜在変数による相関

  1. 次の全共分散の公式を示してください。
Cov(X,Y)=E[Cov(X,YZ)]+Cov(E[XZ],E[YZ])\operatorname{Cov}(X,Y) =E[\operatorname{Cov}(X,Y\mid Z)] +\operatorname{Cov}(E[X\mid Z],E[Y\mid Z])
  1. ZN(0,τ2)Z\sim N(0,\tau^2) とし、ZZ を与えたとき X,YX,Y は独立に、
XZN(Z,σ2),YZN(Z,σ2)X\mid Z\sim N(Z,\sigma^2), \qquad Y\mid Z\sim N(Z,\sigma^2)

に従うとします。Cov(X,Y)\operatorname{Cov}(X,Y) と相関係数を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

条件付き共分散の定義から、

E[XYZ]=Cov(X,YZ)+E[XZ]E[YZ]E[XY\mid Z] =\operatorname{Cov}(X,Y\mid Z) +E[X\mid Z]E[Y\mid Z]

です。両辺の期待値を取り、E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] を作ると、

Cov(X,Y)=E[Cov(X,YZ)]+E[E[XZ]E[YZ]]E[X]E[Y]=E[Cov(X,YZ)]+Cov(E[XZ],E[YZ]).\begin{aligned} \operatorname{Cov}(X,Y) &=E[\operatorname{Cov}(X,Y\mid Z)]\\ &\quad+E[E[X\mid Z]E[Y\mid Z]]-E[X]E[Y]\\ &=E[\operatorname{Cov}(X,Y\mid Z)]\\ &\quad+\operatorname{Cov}(E[X\mid Z],E[Y\mid Z]). \end{aligned}

階層モデルでは、条件付き独立性より、

Cov(X,YZ)=0\operatorname{Cov}(X,Y\mid Z)=0

です。一方、E[XZ]=E[YZ]=ZE[X\mid Z]=E[Y\mid Z]=Z なので、

Cov(X,Y)=Var(Z)=τ2.\operatorname{Cov}(X,Y)=\operatorname{Var}(Z)=\tau^2.

また、全分散の公式より、

Var(X)=E[σ2]+Var(Z)=σ2+τ2\operatorname{Var}(X) =E[\sigma^2]+\operatorname{Var}(Z) =\sigma^2+\tau^2

で、YY も同じです。したがって、

Corr(X,Y)=τ2σ2+τ2.\operatorname{Corr}(X,Y) =\frac{\tau^2}{\sigma^2+\tau^2}.

条件付きでは独立でも、共通の潜在変数を周辺化すると正の相関が生じます。

答案で気をつけること

「条件付き独立だから独立」と結論しないでください。条件付き共分散が0でも、条件付き平均が共通因子とともに動くと、第2項によって周辺共分散が生じます。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

発展問題22:Dirichlet分布の周辺・条件付き分布

(P1,P2,P3)Dirichlet(a,b,c)(P_1,P_2,P_3)\sim\operatorname{Dirichlet}(a,b,c) とし、P1+P2+P3=1P_1+P_2+P_3=1 とします。

  1. P1P_1 の周辺分布を求めてください。
  2. U=P2/(1P1)U=P_2/(1-P_1) の分布を求め、P1P_1UU が独立であることを示してください。
  3. Cov(P1,P2)\operatorname{Cov}(P_1,P_2) を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

x=P1x=P_1u=P2/(1P1)u=P_2/(1-P_1) とおくと、

P2=(1x)u,P3=(1x)(1u)P_2=(1-x)u, \qquad P_3=(1-x)(1-u)

です。台は 0<x<10<x<10<u<10<u<1 で、(P1,P2)(P_1,P_2) から (x,u)(x,u) への逆変換のJacobianは、

(P1,P2)(x,u)=1x\left| \frac{\partial(P_1,P_2)}{\partial(x,u)} \right|=1-x

です。Dirichlet密度に代入すると、

fP1,U(x,u)=Γ(a+b+c)Γ(a)Γ(b)Γ(c)xa1{(1x)u}b1×{(1x)(1u)}c1(1x)={xa1(1x)b+c1B(a,b+c)}{ub1(1u)c1B(b,c)}.\begin{aligned} f_{P_1,U}(x,u) &=\frac{\Gamma(a+b+c)}{\Gamma(a)\Gamma(b)\Gamma(c)} x^{a-1}\{(1-x)u\}^{b-1}\\ &\quad\times\{(1-x)(1-u)\}^{c-1}(1-x)\\ &=\left\{ \frac{x^{a-1}(1-x)^{b+c-1}}{B(a,b+c)} \right\} \left\{ \frac{u^{b-1}(1-u)^{c-1}}{B(b,c)} \right\}. \end{aligned}

したがって、

P1Beta(a,b+c),UBeta(b,c),P1U.P_1\sim\operatorname{Beta}(a,b+c), \qquad U\sim\operatorname{Beta}(b,c), \qquad P_1\perp U.

α0=a+b+c\alpha_0=a+b+c とおくと、Dirichlet分布の積率は、

E[P1]=aα0,E[P2]=bα0,E[P1P2]=abα0(α0+1)E[P_1]=\frac{a}{\alpha_0}, \qquad E[P_2]=\frac{b}{\alpha_0}, \qquad E[P_1P_2]=\frac{ab}{\alpha_0(\alpha_0+1)}

なので、

Cov(P1,P2)=abα02(α0+1).\operatorname{Cov}(P_1,P_2) =-\frac{ab}{\alpha_0^2(\alpha_0+1)}.

成分和が1に固定されるため、1成分が増えると他成分に負の共分散が生じます。

答案で気をつけること

Dirichlet分布は3変数を自由に積分する分布ではなく、単体 p1+p2+p3=1p_1+p_2+p_3=1 上の分布です。独立性を示す変換ではJacobianの 1x1-x を落とさず、共分散の負号を組成制約と結びつけて確認します。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

医薬・生命科学の問題(8問)

問題1:バイオマーカー層別と全分散

患者の30%がバイオマーカー陽性です。 陽性群の薬効スコアの平均・分散はそれぞれ8、4、陰性群ではそれぞれ5、9とします。 全患者での平均と分散を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

陽性を Z=1Z=1 とすると、

E[Y]=0.3×8+0.7×5=5.9E[Y] =0.3\times8+0.7\times5 =5.9

です。群内分散の平均は、

E{Var(YZ)}=0.3×4+0.7×9=7.5E\{\mathrm{Var}(Y\mid Z)\} =0.3\times4+0.7\times9 =7.5

です。群間平均の分散は、

Var{E[YZ]}=0.3(85.9)2+0.7(55.9)2=1.89\begin{aligned} \mathrm{Var}\{E[Y\mid Z]\} &=0.3(8-5.9)^2+0.7(5-5.9)^2\\ &=1.89 \end{aligned}

です。したがって、

Var(Y)=7.5+1.89=9.39\mathrm{Var}(Y)=7.5+1.89=9.39

です。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題2:有害事象グレードの多項分布

100人の患者について、有害事象なし、軽度、中等度、重度の確率が、

(0.55,0.25,0.15,0.05)(0.55,0.25,0.15,0.05)

とします。

  1. 重度の人数 N4N_4 の平均と分散
  2. 中等度以上の人数 N3+N4N_3+N_4 の分布
  3. 軽度と重度の人数の共分散

を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

和・比・線形結合で新しい変数を作るときは、独立性と変換後の取り得る範囲を先に確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

独立性と台を確認し、畳み込み・変数変換・母関数のうち適切な方法を選び、式変形を示しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

重度の人数の周辺分布は、

N4Bin(100,0.05)N_4\sim\mathrm{Bin}(100,0.05)

なので、

E[N4]=5,Var(N4)=100(0.05)(0.95)=4.75E[N_4]=5, \qquad \mathrm{Var}(N_4)=100(0.05)(0.95)=4.75

です。

中等度以上の確率は、

0.15+0.05=0.200.15+0.05=0.20

なので、

N3+N4Bin(100,0.20)N_3+N_4\sim\mathrm{Bin}(100,0.20)

です。軽度と重度の共分散は、

Cov(N2,N4)=100(0.25)(0.05)=1.25\mathrm{Cov}(N_2,N_4) =-100(0.25)(0.05) =-1.25

です。

答案での注意

畳み込みや変数変換では、積分範囲・変換後の台・独立性を先に確定します。

問題3:階層構造と疑似反復

薬剤群3匹、対照群3匹のマウスから、それぞれ100細胞を測定しました。 600細胞を独立標本として2群比較する解析の問題点を説明し、適切な解析単位とモデル案を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

同じマウス由来の100細胞は、遺伝背景、処置、組織環境、標本作製条件を共有するため独立ではありません。 600細胞を独立標本とみなすと、実際の独立単位より標本数を過大に数え、標準誤差を過小評価する疑似反復になります。

処置がマウスに割り付けられているなら、処置効果の独立な反復単位は基本的にマウスです。 解析案としては、

  • マウスごとに細胞測定値を要約し、n=3n=3n=3n=3 として比較する
  • 細胞をレベル1、マウスをレベル2とする混合効果モデルを用いる
  • 細胞型やバッチがあるなら、研究目的とデザインに応じて追加階層を組み込む

ことが考えられます。 細胞数を増やすことは各マウス内の推定精度を高めますが、マウス数を増やすことと同じではありません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

発展 問題4:ベータ二項分布の過分散

施設ごとの有害事象発現確率が、

PBeta(4,16)P\sim\mathrm{Beta}(4,16)

に従い、各施設で n=20n=20 人を観察するとします。 施設ごとの発現人数 YY の平均と分散を求め、成功確率を固定した二項分布と比較してください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
μ=44+16=0.2,κ=20\mu=\frac{4}{4+16}=0.2, \qquad \kappa=20

です。平均は、

E[Y]=nμ=20×0.2=4E[Y]=n\mu=20\times0.2=4

です。ベータ二項分布の分散は、

Var(Y)=nμ(1μ)×κ+nκ+1=20(0.2)(0.8)×20+2020+16.095\begin{aligned} \mathrm{Var}(Y) &=n\mu(1-\mu) \times\frac{\kappa+n}{\kappa+1}\\ &=20(0.2)(0.8) \times\frac{20+20}{20+1}\\ &\approx6.095 \end{aligned}

です。一方、成功確率を0.2に固定した二項分布の分散は、

20(0.2)(0.8)=3.220(0.2)(0.8)=3.2

です。施設ごとの発現確率の違いにより、分散が約1.90倍になっています。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

発展 問題5:多変量バイオマーカーの条件付き予測

標準化した2つのバイオマーカー X,YX,Y が相関0.6の二変量正規分布に従うとします。

  1. X=2X=2 の患者における YY の条件付き平均と分散
  2. 条件付け前後で分散が何%減少するか

を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

条件として分かっている情報を分母に置きます。文章のまま計算せず、分子と分母がどの事象かを先に書くと混乱しません。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
YX=2N(0.6×2,10.62)=N(1.2,0.64)Y\mid X=2 \sim N(0.6\times2,1-0.6^2) =N(1.2,0.64)

です。したがって条件付き平均は1.2、分散は0.64です。 条件付け前の分散は1なので、分散の減少率は、

10.641×100=36%\frac{1-0.64}{1}\times100=36\%

です。 これは相関があるとき、XX の情報が YY の予測不確実性を減らすことを表します。 ただし、予測精度の評価には、正規性、線形性、外部検証、測定誤差も確認する必要があります。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

発展 問題6:AUCとCmaxの組み合わせ異常

ある薬物動態試験で、用量補正後の log(AUC)\log(\mathrm{AUC})log(Cmax)\log(C_{\max}) を標準化した値をそれぞれ X,YX,Y とします。 基準集団では平均がともに0、分散がともに1、相関係数が ρ=0.7\rho=0.7 でした。 ある被験者の観測値が、

(X,Y)=(1.5,1.0)(X,Y)=(1.5,-1.0)

であったとします。

  1. この被験者のマハラノビス距離の2乗 D2D^2 を求めてください。
  2. 二変量正規分布を仮定し、χ22\chi_2^2 の上側5%点 5.9915.991 と比較してください。
  3. 実データで確認すべき項目を3つ以上挙げてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

標準化済みなので、

D2=X22ρXY+Y21ρ2D^2 =\frac{X^2-2\rho XY+Y^2}{1-\rho^2}

を使います。値を代入すると、

D2=1.522(0.7)(1.5)(1.0)+(1.0)210.72=2.25+2.10+1.000.51=5.350.5110.49\begin{aligned} D^2 &=\frac{1.5^2-2(0.7)(1.5)(-1.0)+(-1.0)^2}{1-0.7^2}\\ &=\frac{2.25+2.10+1.00}{0.51}\\ &=\frac{5.35}{0.51}\\ &\approx10.49 \end{aligned}

したがって、

D10.493.24D\approx\sqrt{10.49}\approx3.24

です。また、

D2=10.49>5.991D^2=10.49>5.991

なので、この点は基準集団の95%確率楕円の外側にあります。 AUCが高い一方で CmaxC_{\max} が低いという組み合わせは、正の相関をもつ基準集団では起こりにくいと解釈できます。

ただし、これだけで「異常な薬物動態」や「疾患による変化」と断定してはいけません。少なくとも次を確認します。

  • 投与量、服薬遵守、投与・採血時刻の記録
  • 単位、転記、欠測補完、用量補正などのデータ処理
  • 測定法の定量下限、精度管理、バッチ効果
  • 吸収速度、製剤、食事、併用薬などの臨床条件
  • 腎機能、肝機能、体重、遺伝型などの患者背景
  • 基準集団の選び方、正規性、共分散行列の推定精度

マハラノビス距離は、確認すべき症例を見つけるスクリーニング指標です。原因を特定する指標ではないため、記録・測定・生物学的背景を順に検証します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題7:混合分布か階層モデルか

次の研究場面で、混合分布、階層モデル、または両方のどれを考えるべきか答え、理由を説明してください。

  1. 由来不明の細胞1000個について薬剤応答量だけがあり、感受性群と耐性群の混在を調べたい
  2. 6匹のマウスから各500細胞を測定し、マウスIDが記録されている
  3. 10施設の患者を追跡し、施設内にもレスポンダーと非レスポンダーがいる可能性がある
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

1では、各細胞の表現型ラベルが観測されておらず、未知の感受性群・耐性群を推定したいので混合分布が候補です。ただし、二峰性だけで生物学的表現型を断定せず、マーカーや機能試験で検証します。

2では、細胞がどのマウスに由来するか既知であり、細胞がマウス内に入れ子になっているので階層モデルが候補です。500細胞を500匹の独立マウスとして扱ってはいけません。処置効果の一般化対象がマウスなら、独立単位は基本的に6匹です。

3では、患者が施設内に入れ子になっているため施設差を扱う階層モデルが必要です。さらに、施設内で所属不明のレスポンダー・非レスポンダーが混在すると仮定するなら、潜在クラスをもつ混合分布も組み合わせることになります。

実際のモデル選択では、次を順に確認します。

  • 所属IDが観測されている階層は何か
  • 未観測のサブタイプを仮定する根拠があるか
  • 独立な実験単位は患者、個体、施設のどれか
  • 技術反復と生物学的反復を区別できているか
  • 複雑なモデルを支える標本数と検証データがあるか
答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

発展 問題8:毒性予測と適用領域

標準化した2つの化学記述子 X1,X2X_1,X_2 の学習データで、平均がともに0、分散がともに1、相関係数が ρ=0.65\rho=0.65 だったとします。

候補化合物の記述子が、

(X1,X2)=(1.5,1.0)(X_1,X_2)=(1.5,-1.0)

であり、説明用の仮想毒性モデルが、

logit{P(毒性)}=0.3+0.9X10.6X2\operatorname{logit} \{P(\text{毒性})\} =-0.3+0.9X_1-0.6X_2

であったとします。

  1. マハラノビス距離の2乗 D2D^2 を求めてください。
  2. χ22\chi_2^2 の95%点 5.9915.991 と比較してください。
  3. 仮想モデルの毒性確率を求めてください。
  4. この候補化合物について、どのように報告し、何を追加確認すべきか説明してください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

マハラノビス距離の2乗は、

D2=x122ρx1x2+x221ρ2D^2 = \frac{x_1^2-2\rho x_1x_2+x_2^2} {1-\rho^2}

です。値を代入すると、

D2=1.522(0.65)(1.5)(1.0)+(1.0)210.652=2.25+1.95+1.000.5775=5.200.57759.00\begin{aligned} D^2 &= \frac{ 1.5^2-2(0.65)(1.5)(-1.0)+(-1.0)^2 }{ 1-0.65^2 }\\ &= \frac{2.25+1.95+1.00}{0.5775}\\ &= \frac{5.20}{0.5775}\\ &\approx9.00 \end{aligned}

です。

D29.00>5.991D^2\approx9.00>5.991

なので、二変量正規分布と母数既知を仮定した95%化学空間の外側です。

仮想毒性モデルの線形予測子は、

η=0.3+0.9(1.5)0.6(1.0)=0.3+1.35+0.60=1.65\begin{aligned} \eta &=-0.3+0.9(1.5)-0.6(-1.0)\\ &=-0.3+1.35+0.60\\ &=1.65 \end{aligned}

です。したがって、

P(毒性)=11+e1.650.839\begin{aligned} P(\text{毒性}) &=\frac{1}{1+e^{-1.65}}\\ &\approx0.839 \end{aligned}

です。

報告では、

仮想モデルは毒性確率約83.9%を出力したが、候補化合物はマハラノビス距離による95%適用領域外であり、外挿予測である

と、予測値と適用領域を分けて記載します。

少なくとも次を確認します。

  • 学習データ中の近傍化合物と構造類似性
  • 毒性エンドポイントの定義、ラベル品質、クラス不均衡
  • 構造アラート、反応性官能基、代謝活性化の可能性
  • in vitro assayの濃度反応、細胞毒性、測定干渉
  • 別モデル、read-across、外部データによる予測の再現性
  • 実験確認の優先順位と、ヒト曝露量との関係

高い予測値を無視してはいけませんが、「83.9%を高精度に信頼できる」とも結論できません。適用領域外という情報を、追加評価を優先する警告として使います。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

数学コラム 必要な数学の確認

この章は12問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数学コラム確認問題(12問)

問題1:指示関数

事象 A,BA,B について、

IAB=IA+IBIAIBI_{A\cup B}=I_A+I_B-I_AI_B

を用いて、P(AB)P(A\cup B) の公式を導いてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

両辺の期待値を取ると、E[IA]=P(A)E[I_A]=P(A)IAIB=IABI_AI_B=I_{A\cap B} より、

P(AB)=P(A)+P(B)P(AB)P(A\cup B) =P(A)+P(B)-P(A\cap B)

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題2:二項係数の和

r=0n(nr)\sum_{r=0}^n\binom nr

を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

二項定理で a=b=1a=b=1 とすると、

(1+1)n=r=0n(nr)1nr1r(1+1)^n =\sum_{r=0}^n\binom nr1^{n-r}1^r

なので、

r=0n(nr)=2n\sum_{r=0}^n\binom nr=2^n

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

二項定理で x=1x=1 を代入する方法のほか、nn 個の要素から作れる全部分集合を大きさ別に数える組合せ論的な方法があります。

問題3:等比級数の微分

s<1|s|<1 で、

k=0sk=11s\sum_{k=0}^{\infty}s^k=\frac1{1-s}

を微分し、k=1ksk1\sum_{k=1}^{\infty}ks^{k-1} を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

収束半径の内部で項別微分すると、

k=1ksk1=1(1s)2\sum_{k=1}^{\infty}ks^{k-1} =\frac1{(1-s)^2}

です。幾何分布の期待値計算に使えます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題4:部分積分

0xexdx\int_0^\infty xe^{-x}\,dx

を部分積分で求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

u=x,dv=exdxu=x,dv=e^{-x}dx とすると、du=dx,v=exdu=dx,v=-e^{-x} なので、

0xexdx=[xex]0+0exdx=0+1=1\begin{aligned} \int_0^\infty xe^{-x}\,dx &=[-xe^{-x}]_0^\infty +\int_0^\infty e^{-x}\,dx\\ &=0+1=1 \end{aligned}

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:1変数の変数変換

Y=eXY=e^X とします。XX の密度が fX(x)f_X(x) のとき、YY の密度を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

逆変換は x=logyx=\log y、ヤコビアンは、

dxdy=1y\left|\frac{dx}{dy}\right|=\frac1y

です。y>0y>0 で、

fY(y)=fX(logy)1yf_Y(y)=f_X(\log y)\frac1y

です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題6:Leibnizの公式

H(t)=0t(xt)2f(x)dxH(t)=\int_0^t(x-t)^2f(x)\,dx

tt で微分してください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

上端の境界項は (tt)2f(t)=0(t-t)^2f(t)=0 です。被積分関数を偏微分すると、

t{(xt)2f(x)}=2(xt)f(x)\frac{\partial}{\partial t} \{(x-t)^2f(x)\} =-2(x-t)f(x)

なので、

H(t)=20t(xt)f(x)dxH'(t) =-2\int_0^t(x-t)f(x)\,dx

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題7:Hessian

f(x,y)=x2+2xy+3y2f(x,y)=x^2+2xy+3y^2

の勾配とHessian行列を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
f=(2x+2y2x+6y)\nabla f =\begin{pmatrix}2x+2y\\2x+6y\end{pmatrix}Hf=(2226)\mathbf H_f =\begin{pmatrix}2&2\\2&6\end{pmatrix}

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題8:ヤコビアン

u=x+y,v=xyu=x+y, \qquad v=x-y

の逆変換と (x,y)/(u,v)|\partial(x,y)/\partial(u,v)| を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

連立して、

x=u+v2,y=uv2x=\frac{u+v}{2}, \qquad y=\frac{u-v}{2}

です。したがって、

(x,y)(u,v)=1/21/21/21/2=12=12\left| \frac{\partial(x,y)}{\partial(u,v)} \right| = \left| \begin{matrix}1/2&1/2\\1/2&-1/2\end{matrix} \right| =\left|-\frac12\right| =\frac12

です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題9:線形結合の分散

共分散行列が Σ\boldsymbol\Sigma の確率ベクトル X\mathbf X に対して、Y=aTXY=\mathbf a^\mathsf T\mathbf X の分散を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
YE[Y]=aT(XE[X])Y-E[Y] =\mathbf a^\mathsf T (\mathbf X-E[\mathbf X])

なので、

Var(Y)=aTΣa\mathrm{Var}(Y) =\mathbf a^\mathsf T \boldsymbol\Sigma\mathbf a

です。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

別解・別の見方

分散を成分ごとに展開する代わりに、係数ベクトルと共分散行列を使って operatornameVar(aTX)=aTSigmaaoperatorname{Var}(a^T X)=a^TSigma a と一行で表せます。

問題10:固有値

A=(2112)\mathbf A= \begin{pmatrix}2&1\\1&2\end{pmatrix}

の固有値を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
AλI=2λ112λ=(2λ)21|\mathbf A-\lambda\mathbf I| = \left| \begin{matrix}2-\lambda&1\\1&2-\lambda\end{matrix} \right| =(2-\lambda)^2-1

です。これを0とおくと、

(2λ)2=1(2-\lambda)^2=1

より、

λ=3,1\lambda=3,1

です。両方正なので、A\mathbf A は正定値です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題11:ガンマ関数

Γ(5)\Gamma(5) を漸化式から求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
Γ(5)=4Γ(4)=43Γ(3)=432Γ(2)=4!=24\Gamma(5) =4\Gamma(4) =4\cdot3\Gamma(3) =4\cdot3\cdot2\Gamma(2) =4!=24

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題12:制約付き最適化

x+y=1x+y=1 の下で x2+y2x^2+y^2 を最小にしてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
L(x,y,λ)=x2+y2λ(x+y1)L(x,y,\lambda) =x^2+y^2-\lambda(x+y-1)

とおきます。

2xλ=0,2yλ=02x-\lambda=0, \qquad 2y-\lambda=0

より x=yx=y です。制約へ代入して、

x=y=12x=y=\frac12

です。最小値は、

(12)2+(12)2=12\left(\frac12\right)^2 +\left(\frac12\right)^2 =\frac12

です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

第五章 標本分布とその近似

この章は37問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(25問)

問題1:標本平均の標本分布

X1,,X25X_1,\ldots,X_{25} は平均12、分散9の母集団からの独立同一分布標本とします。

  1. E[Xˉ]E[\bar X]Var(Xˉ)\operatorname{Var}(\bar X) を求めてください。
  2. 母集団が正規分布なら、P(11.4Xˉ12.6)P(11.4\leq\bar X\leq12.6) を求めてください。
段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

期待値と分散は、

E[Xˉ]=12E[\bar X]=12Var(Xˉ)=925=0.36\operatorname{Var}(\bar X)=\frac{9}{25}=0.36

です。したがって標準誤差は、

SE(Xˉ)=0.36=0.6\operatorname{SE}(\bar X)=\sqrt{0.36}=0.6

です。正規母集団なら、

XˉN(12,0.36).\bar X\sim N(12,0.36).

よって、

P(11.4Xˉ12.6)=P(11.4120.6Z12.6120.6)=P(1Z1)0.6827.\begin{aligned} P(11.4\leq\bar X\leq12.6) &=P\left( \frac{11.4-12}{0.6}\leq Z\leq \frac{12.6-12}{0.6} \right)\\ &=P(-1\leq Z\leq1)\\ &\approx0.6827. \end{aligned}
答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題2:不偏標本分散

X1,,XnX_1,\ldots,X_n は平均 μ\mu、分散 σ2\sigma^2 の独立同一分布標本です。

Sn2=1ni=1n(XiXˉ)2S_n^2=\frac1n\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2

と置くとき、E[Sn2]E[S_n^2] を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

期待値からバイアス、2次モーメントから分散を求め、MSEを「分散+バイアスの2乗」に分けます。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

偏差平方和の期待値は、

E[i=1n(XiXˉ)2]=(n1)σ2E\left[\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2\right]=(n-1)\sigma^2

でした。したがって、

E[Sn2]=1n(n1)σ2=n1nσ2.\begin{aligned} E[S_n^2] &=\frac1n(n-1)\sigma^2\\ &=\frac{n-1}{n}\sigma^2. \end{aligned}

nn で割る標本分散は母分散を過小評価します。n1n-1 で割ることで不偏になります。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題3:母分散の信頼区間

正規母集団からの大きさ10の標本で s2=4.0s^2=4.0 を得ました。自由度9のカイ二乗分布について、

χ9,0.0252=2.700,χ9,0.9752=19.023\chi^2_{9,0.025}=2.700,\qquad \chi^2_{9,0.975}=19.023

とします。母分散 σ2\sigma^2 の95%信頼区間を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
(n1)S2σ2χn12\frac{(n-1)S^2}{\sigma^2}\sim\chi^2_{n-1}

なので、

P(2.7009S2σ219.023)=0.95.P\left( 2.700\leq\frac{9S^2}{\sigma^2}\leq19.023 \right)=0.95.

正の量について不等号を解くと、

P(9S219.023σ29S22.700)=0.95.P\left( \frac{9S^2}{19.023}\leq\sigma^2\leq \frac{9S^2}{2.700} \right)=0.95.

s2=4.0s^2=4.0 を代入して、

(3619.023,362.700)(1.89,13.33).\left( \frac{36}{19.023}, \frac{36}{2.700} \right) \approx(1.89,13.33).

分散の区間は非対称になります。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題4:tt 統計量

正規母集団から大きさ16の標本を取り、xˉ=52\bar x=52s=8s=8 を得ました。H0:μ=48H_0:\mu=48 を検定する1標本 tt 統計量を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
t=xˉμ0s/n=52488/16=42=2.\begin{aligned} t &=\frac{\bar x-\mu_0}{s/\sqrt n}\\ &=\frac{52-48}{8/\sqrt{16}}\\ &=\frac4{2}\\ &=2. \end{aligned}

自由度は n1=15n-1=15 です。両側検定なら t|t|t15t_{15} の両側臨界値と比較します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:ttFF の関係

Tt12T\sim t_{12} とします。T2T^2 の分布を導いてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

定義から、独立な ZN(0,1)Z\sim N(0,1)Vχ122V\sim\chi^2_{12} を使って、

T=ZV/12T=\frac{Z}{\sqrt{V/12}}

と書けます。両辺を2乗すると、

T2=Z2/1V/12.T^2=\frac{Z^2/1}{V/12}.

Z2χ12Z^2\sim\chi^2_1 なので、FF 分布の定義から、

T2F1,12.T^2\sim F_{1,12}.
答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

T=Z/sqrtV/uT=Z/sqrt{V/ u} を平方して定義から示す方法が最短です。密度を変数変換して導く方法もありますが、試験答案では定義を使う方が簡潔です。

問題6:Chebyshev上界

平均100、分散64の母集団から独立に64個を抽出します。P(Xˉ1002)P(|\bar X-100|\geq2) のChebyshev上界を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

標本平均の分散は、

Var(Xˉ)=6464=1.\operatorname{Var}(\bar X)=\frac{64}{64}=1.

したがって、

P(Xˉ1002)122=0.25.P(|\bar X-100|\geq2) \leq\frac{1}{2^2}=0.25.

これは分布形を使わない保証であり、実際の確率と一致するとは限りません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

Chebyshevの不等式を暗記していなくても、非負変数 (Xmu)2(X-mu)^2 にMarkovの不等式を適用すれば導けます。

問題7:大数の弱法則

XiiidBernoulli(p)X_i\overset{\mathrm{iid}}{\sim}\operatorname{Bernoulli}(p) とします。標本比率 p^n\hat p_npp に確率収束することを示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

Bernoulli分布の平均と分散は、

E[Xi]=p,Var(Xi)=p(1p).E[X_i]=p,\qquad\operatorname{Var}(X_i)=p(1-p).

p^n=Xˉn\hat p_n=\bar X_n なので、Chebyshevの不等式から、

P(p^npε)p(1p)nε20.P(|\hat p_n-p|\geq\varepsilon) \leq\frac{p(1-p)}{n\varepsilon^2} \to0.

よって、

p^npp.\hat p_n\xrightarrow{p}p.
答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題8:二項分布の正規近似

YBin(200,0.4)Y\sim\operatorname{Bin}(200,0.4) とします。P(Y90)P(Y\geq90) を連続補正付き正規近似で表してください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

平均と分散は、

E[Y]=200(0.4)=80E[Y]=200(0.4)=80Var(Y)=200(0.4)(0.6)=48.\operatorname{Var}(Y)=200(0.4)(0.6)=48.

Y90Y\geq90 には下側境界89.5を使うので、

P(Y90)P(Z89.58048)=P(Z1.371).\begin{aligned} P(Y\geq90) &\approx P\left(Z\geq\frac{89.5-80}{\sqrt{48}}\right)\\ &=P(Z\geq1.371). \end{aligned}

標準正規分布表から約0.085です。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

別解・別の見方

二項変数をベルヌーイ変数の和と書いて中心極限定理を使う方法と、de Moivre—Laplaceの定理を直接使う方法があります。

問題9:Slutskyの定理

n(θ^nθ)dN(0,τ2),τ^npτ>0\sqrt n(\hat\theta_n-\theta)\xrightarrow{d}N(0,\tau^2), \qquad \hat\tau_n\xrightarrow{p}\tau>0

とします。n(θ^nθ)/τ^n\sqrt n(\hat\theta_n-\theta)/\hat\tau_n の極限分布を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、

n(θ^nθ)τdN(0,1).\frac{\sqrt n(\hat\theta_n-\theta)}{\tau} \xrightarrow{d}N(0,1).

また、連続写像定理から、

ττ^np1.\frac{\tau}{\hat\tau_n}\xrightarrow{p}1.

積に分けると、

n(θ^nθ)τ^n=n(θ^nθ)τττ^n.\frac{\sqrt n(\hat\theta_n-\theta)}{\hat\tau_n} = \frac{\sqrt n(\hat\theta_n-\theta)}{\tau} \frac{\tau}{\hat\tau_n}.

Slutskyの定理より、

n(θ^nθ)τ^ndN(0,1).\frac{\sqrt n(\hat\theta_n-\theta)}{\hat\tau_n} \xrightarrow{d}N(0,1).
答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題10:デルタ法によるオッズの分散

p^\hat p が、

n(p^p)dN(0,p(1p))\sqrt n(\hat p-p)\xrightarrow{d}N(0,p(1-p))

を満たすとします。推定オッズ p^/(1p^)\hat p/(1-\hat p) の漸近分散を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
g(p)=p1pg(p)=\frac{p}{1-p}

と置くと、

g(p)=(1p)+p(1p)2=1(1p)2.g'(p)=\frac{(1-p)+p}{(1-p)^2} =\frac{1}{(1-p)^2}.

デルタ法から、

n{p^1p^p1p}dN(0,p(1p)3).\sqrt n\left\{ \frac{\hat p}{1-\hat p}-\frac{p}{1-p} \right\} \xrightarrow{d} N\left(0, \frac{p}{(1-p)^3} \right).

したがって推定オッズ自体の近似分散は、

Var(p^1p^)pn(1p)3.\operatorname{Var}\left(\frac{\hat p}{1-\hat p}\right) \approx\frac{p}{n(1-p)^3}.
答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題11:分散安定化変換

YPoisson(λ)Y\sim\operatorname{Poisson}(\lambda) とします。g(Y)=Yg(Y)=\sqrt Y の近似分散をデルタ法で求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

g(λ)=1/(2λ)g'(\lambda)=1/(2\sqrt\lambda) なので、

Var(Y){g(λ)}2Var(Y)=14λλ=14.\begin{aligned} \operatorname{Var}(\sqrt Y) &\approx\{g'(\lambda)\}^2\operatorname{Var}(Y)\\ &=\frac{1}{4\lambda}\lambda\\ &=\frac14. \end{aligned}

近似分散は λ\lambda に依存しません。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題12:最大値の分布

X1,,XniidExp(λ)X_1,\ldots,X_n\overset{\mathrm{iid}}{\sim}\operatorname{Exp}(\lambda) とし、Mn=X(n)M_n=X_{(n)} とします。

  1. MnM_n の分布関数を求めてください。
  2. P(Mnm)=0.95P(M_n\leq m)=0.95 となる mm を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

指数分布の分布関数は、x0x\geq0 で、

F(x)=1eλxF(x)=1-e^{-\lambda x}

です。したがって、

FMn(m)={1eλm}n.F_{M_n}(m)=\{1-e^{-\lambda m}\}^n.

95%点は、

{1eλm}n=0.95\{1-e^{-\lambda m}\}^n=0.95

を解きます。

1eλm=0.951/n1-e^{-\lambda m}=0.95^{1/n}eλm=10.951/ne^{-\lambda m}=1-0.95^{1/n}

より、

m=1λlog{10.951/n}.m=-\frac1\lambda\log\{1-0.95^{1/n}\}.
答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

別解・別の見方

最大値の分布関数を積で求める代わりに、余事象「少なくとも1つが xx を超える」を考えることもできます。独立性があると分布関数法の方が短くなります。

問題13:一様分布の順序統計量

U1,,U9iidUnif(0,1)U_1,\ldots,U_9\overset{\mathrm{iid}}{\sim}\operatorname{Unif}(0,1) とします。標本中央値 U(5)U_{(5)} の分布、平均、分散を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

一様分布の順序統計量より、

U(5)Beta(5,5).U_{(5)}\sim\operatorname{Beta}(5,5).

平均は、

E[U(5)]=55+5=12.E[U_{(5)}]=\frac{5}{5+5}=\frac12.

分散は、

Var(U(5))=55(5+5)2(5+5+1)=251100=144.\begin{aligned} \operatorname{Var}(U_{(5)}) &=\frac{5\cdot5}{(5+5)^2(5+5+1)}\\ &=\frac{25}{1100}\\ &=\frac1{44}. \end{aligned}
答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

問題14:収束様式

UUnif(0,1)U\sim\operatorname{Unif}(0,1) とし、Xn=U/nX_n=U/n とします。XnX_n の概収束、確率収束、平均二乗収束を調べてください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

任意の標本点で 0U10\leq U\leq1 なので、

0Xn=Un1n0.0\leq X_n=\frac Un\leq\frac1n\to0.

したがって、すべての標本点で Xn0X_n\to0 であり、

Xna.s.0.X_n\xrightarrow{a.s.}0.

また、

E[(Xn0)2]=E[U2]n2=13n20E[(X_n-0)^2] =\frac{E[U^2]}{n^2} =\frac{1}{3n^2} \to0

なので、

XnL20.X_n\xrightarrow{L^2}0.

どちらからも確率収束が従い、

Xnp0.X_n\xrightarrow{p}0.
答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題15:Lyapunov条件

nn で独立な確率変数 Xn1,,XnnX_{n1},\ldots,X_{nn} が、E[Xnj]=0E[X_{nj}]=0Var(Xnj)=1\operatorname{Var}(X_{nj})=1、さらに一様に、

E[Xnj3]CE[|X_{nj}|^3]\leq C

を満たすとします。δ=1\delta=1 のLyapunov条件を確認してください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

総分散は、

sn2=j=1n1=ns_n^2=\sum_{j=1}^n1=n

なので、sn3=n3/2s_n^3=n^{3/2} です。したがって、

1sn3j=1nE[Xnj3]nCn3/2=Cn0.\begin{aligned} \frac{1}{s_n^3}\sum_{j=1}^nE[|X_{nj}|^3] &\leq\frac{nC}{n^{3/2}}\\ &=\frac{C}{\sqrt n}\\ &\to0. \end{aligned}

よってLyapunov条件が成り立ち、

1nj=1nXnjdN(0,1).\frac{1}{\sqrt n}\sum_{j=1}^nX_{nj} \xrightarrow{d}N(0,1).
答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題16:tt 分布と FF 分布の積率・存在条件

独立な確率変数

ZN(0,1),Vχν2Z\sim N(0,1), \qquad V\sim\chi_\nu^2

から、

T=ZV/νT=\frac{Z}{\sqrt{V/\nu}}

を定義します。

  1. TT の平均と分散、およびそれらが存在する自由度の条件を求めてください。
  2. 独立な Uχm2U\sim\chi_m^2Vχn2V\sim\chi_n^2 に対し、F=(U/m)/(V/n)F=(U/m)/(V/n) とします。E[Fr]E[F^r] と、その存在条件を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

TT は自由度 ν\nutt 分布に従います。分布は0について対称なので、絶対可積分である ν>1\nu>1 のとき、

E[T]=0E[T]=0

です。ν1\nu\leq1 では平均は存在しません。

ν>2\nu>2 のとき、独立性より、

E[T2]=E[Z2]νE[V1]=1×ν×1ν2=νν2.\begin{aligned} E[T^2] &=E[Z^2]\,\nu E[V^{-1}]\\ &=1\times\nu\times\frac{1}{\nu-2}\\ &=\frac{\nu}{\nu-2}. \end{aligned}

平均が0なので、

Var(T)=νν2(ν>2)\operatorname{Var}(T)=\frac{\nu}{\nu-2}\quad(\nu>2)

です。1<ν21<\nu\leq2 では平均は存在しますが、分散は存在しません。

次に、

Fr=(nm)rUrVrF^r=\left(\frac{n}{m}\right)^rU^rV^{-r}

です。独立性とカイ二乗分布の積率公式から、

E[Ur]=2rΓ(m/2+r)Γ(m/2),E[U^r] =2^r\frac{\Gamma(m/2+r)}{\Gamma(m/2)},E[Vr]=2rΓ(n/2r)Γ(n/2).E[V^{-r}] =2^{-r}\frac{\Gamma(n/2-r)}{\Gamma(n/2)}.

よって、

E[Fr]=(nm)rΓ(m/2+r)Γ(n/2r)Γ(m/2)Γ(n/2)E[F^r] =\left(\frac{n}{m}\right)^r \frac{\Gamma(m/2+r)\Gamma(n/2-r)} {\Gamma(m/2)\Gamma(n/2)}

です。存在条件は、

m2<r<n2-\frac m2<r<\frac n2

です。特に r=1r=1 とすれば、n>2n>2 のとき、

E[F]=nn2E[F]=\frac{n}{n-2}

を得ます。

答案で気をつけること

平均・分散の値だけでなく、存在する自由度の範囲を書きます。対称性だけでは平均0とはいえず、絶対可積分性が必要です。FF 分布の高次積率の存在条件は分母側の自由度 nn が支配します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題17:標本分散の漸近正規性

X1,,XnX_1,\ldots,X_n は平均 μ\mu、分散 σ2\sigma^2 の母集団からのi.i.d.標本で、

μ4=E[(X1μ)4]<\mu_4=E[(X_1-\mu)^4]<\infty

とします。不偏標本分散

Sn2=1n1i=1n(XiXˉn)2S_n^2=\frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X_n)^2

に対して、

n(Sn2σ2)dN(0,μ4σ4)\sqrt n(S_n^2-\sigma^2) \xrightarrow{d}N(0,\mu_4-\sigma^4)

を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

恒等式

i=1n(XiXˉn)2=i=1n(Xiμ)2n(Xˉnμ)2\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X_n)^2 =\sum_{i=1}^n(X_i-\mu)^2-n(\bar X_n-\mu)^2

より、

Sn2=nn1{1ni=1n(Xiμ)2(Xˉnμ)2}.S_n^2 =\frac{n}{n-1} \left\{ \frac1n\sum_{i=1}^n(X_i-\mu)^2-(\bar X_n-\mu)^2 \right\}.

Yi=(Xiμ)2Y_i=(X_i-\mu)^2 とおくと、

E[Yi]=σ2,Var(Yi)=μ4σ4.E[Y_i]=\sigma^2, \qquad \operatorname{Var}(Y_i)=\mu_4-\sigma^4.

中心極限定理より、

n(1ni=1nYiσ2)dN(0,μ4σ4).\sqrt n\left(\frac1n\sum_{i=1}^nY_i-\sigma^2\right) \xrightarrow{d}N(0,\mu_4-\sigma^4).

一方、Xˉnμ=Op(n1/2)\bar X_n-\mu=O_p(n^{-1/2}) なので、

n(Xˉnμ)2=Op(n1/2)p0.\sqrt n(\bar X_n-\mu)^2=O_p(n^{-1/2})\xrightarrow{p}0.

また、n/(n1)1n/(n-1)\to1 であり、不偏化による差 nσ2/(n1)\sqrt n\,\sigma^2/(n-1) も0へ収束します。したがってSlutskyの定理より、

n(Sn2σ2)dN(0,μ4σ4).\sqrt n(S_n^2-\sigma^2) \xrightarrow{d}N(0,\mu_4-\sigma^4).

正規母集団では μ4=3σ4\mu_4=3\sigma^4 なので、極限分散は 2σ42\sigma^4 です。

答案で気をつけること

標本分散をそのまま扱わず、真の平均まわりの2次モーメントと標本平均の補正に分解します。OpO_p の項を消すときは、Xˉnμ=Op(n1/2)\bar X_n-\mu=O_p(n^{-1/2}) から二乗の次数を明記します。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題18:デルタ法と境界事象の処理

KnBin(n,p)K_n\sim\operatorname{Bin}(n,p)0<p<10<p<1 とし、p^n=Kn/n\hat p_n=K_n/n とします。Kn1K_n\geq1 のとき Yn=logp^nY_n=\log\hat p_nKn=0K_n=0 のとき Yn=0Y_n=0 と定義します。次を示してください。

YnplogpY_n\xrightarrow{p}\log pn(Ynlogp)dN(0,1pp)\sqrt n(Y_n-\log p) \xrightarrow{d}N\left(0,\frac{1-p}{p}\right)
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

大数の法則より、

p^npp.\hat p_n\xrightarrow{p}p.

p>0p>0g(x)=logxg(x)=\log x は連続なので、連続写像定理から、通常は logp^nplogp\log\hat p_n\xrightarrow{p}\log p といえます。ここでは p^n=0\hat p_n=0 で対数が定義できませんが、

P(Kn=0)=(1p)n0P(K_n=0)=(1-p)^n\to0

です。したがって、0回成功のときだけ別の値を割り当てても確率極限は変わりません。

二項分布の中心極限定理より、

n(p^np)dN(0,p(1p)).\sqrt n(\hat p_n-p) \xrightarrow{d}N(0,p(1-p)).

g(p)=1/pg'(p)=1/p なので、デルタ法により、

n{g(p^n)g(p)}dN(0,{g(p)}2p(1p))=N(0,1pp).\begin{aligned} \sqrt n\{g(\hat p_n)-g(p)\} &\xrightarrow{d} N\left(0,\{g'(p)\}^2p(1-p)\right)\\ &=N\left(0,\frac{1-p}{p}\right). \end{aligned}

Kn=0K_n=0 の事象の確率は0へ収束するため、同じ極限が YnY_n にも成り立ちます。

答案で気をつけること

対数変換では0が定義域外になる問題を無視しません。「その事象の確率が0へ行くため、任意の値で補っても極限分布は変わらない」と説明します。デルタ法では導関数と元の極限分散を別々に書くと計算ミスを防げます。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題19:指数分布の最大値とGumbel分布

X1,,XnX_1,\ldots,X_n は率 λ\lambda の指数分布に従うi.i.d.確率変数とし、

Mn=max(X1,,Xn)M_n=\max(X_1,\ldots,X_n)

とします。次を示してください。

λMnlogndG,\lambda M_n-\log n \xrightarrow{d}G,

ただし GG の分布関数は、

P(Gx)=exp(ex)P(G\leq x)=\exp(-e^{-x})

です。

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ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

固定した実数 xx に対し、十分大きな nn では (logn+x)/λ>0(\log n+x)/\lambda>0 です。独立性より、

P(λMnlognx)=P(Mnlogn+xλ)=i=1nP(Xilogn+xλ)={1exp[(logn+x)]}n=(1exn)n.\begin{aligned} P(\lambda M_n-\log n\leq x) &=P\left(M_n\leq\frac{\log n+x}{\lambda}\right)\\ &=\prod_{i=1}^n P\left(X_i\leq\frac{\log n+x}{\lambda}\right)\\ &=\left\{1-\exp[-(\log n+x)]\right\}^n\\ &=\left(1-\frac{e^{-x}}{n}\right)^n. \end{aligned}

nn\to\infty とすると、(1a/n)nea(1-a/n)^n\to e^{-a} より、

P(λMnlognx)exp(ex).P(\lambda M_n-\log n\leq x) \to\exp(-e^{-x}).

よってGumbel分布への分布収束が示されました。

答案で気をつけること

最大値の分布は P(Mnx)=F(x)nP(M_n\leq x)=F(x)^n から始めます。正規化は「中心化 logn\log n」と「尺度 1/λ1/\lambda」の両方が必要です。極限分布のCDFが0から1へ増加する向きも確認します。

答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

問題20:重み付き平均の大数の法則

X1,X2,X_1,X_2,\ldots は平均 μ\mu、分散 σ2<\sigma^2<\infty のi.i.d.確率変数とします。

Tn=2n(n+1)j=1njXjT_n=\frac{2}{n(n+1)}\sum_{j=1}^n jX_j

に対して、TnpμT_n\xrightarrow{p}\mu を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

重みの総和は、

2n(n+1)j=1nj=1\frac{2}{n(n+1)}\sum_{j=1}^n j=1

なので、

E[Tn]=μE[T_n]=\mu

です。独立性より、

Var(Tn)=4σ2n2(n+1)2j=1nj2=4σ2n2(n+1)2n(n+1)(2n+1)6=2σ2(2n+1)3n(n+1)0.\begin{aligned} \operatorname{Var}(T_n) &=\frac{4\sigma^2}{n^2(n+1)^2}\sum_{j=1}^n j^2\\ &=\frac{4\sigma^2}{n^2(n+1)^2} \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}\\ &=\frac{2\sigma^2(2n+1)}{3n(n+1)}\\ &\to0. \end{aligned}

したがって、任意の ε>0\varepsilon>0 に対してChebyshevの不等式から、

P(Tnμε)Var(Tn)ε20.P(|T_n-\mu|\geq\varepsilon) \leq\frac{\operatorname{Var}(T_n)}{\varepsilon^2} \to0.

よって TnpμT_n\xrightarrow{p}\mu です。

答案で気をつけること

重み付き平均では、重みの総和が1か、最大の重みが0へ行くかを確認します。独立性がない場合は分散に共分散項が加わるため、この計算をそのまま使えません。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

発展問題21:Chernoff境界をポアソン分布で最適化する

積率母関数 MX(t)=E[etX]M_X(t)=E[e^{tX}] が存在するとき、t>0t>0 に対して、

P(Xa)etaMX(t)P(X\geq a)\leq e^{-ta}M_X(t)

を示してください。さらに、XPoisson(λ)X\sim\operatorname{Poisson}(\lambda)a>λa>\lambda のとき、右辺を tt について最小化してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

t>0t>0 なら xetxx\mapsto e^{tx} は単調増加なので、

{Xa}={etXeta}.\{X\geq a\}=\{e^{tX}\geq e^{ta}\}.

非負確率変数 etXe^{tX} にMarkovの不等式を適用すると、

P(Xa)E[etX]eta=etaMX(t).P(X\geq a) \leq\frac{E[e^{tX}]}{e^{ta}} =e^{-ta}M_X(t).

ポアソン分布の積率母関数は、

MX(t)=exp{λ(et1)}M_X(t)=\exp\{\lambda(e^t-1)\}

なので、上界の対数は、

q(t)=ta+λ(et1)q(t)=-ta+\lambda(e^t-1)

です。微分すると、

q(t)=a+λet,q(t)=λet>0.q'(t)=-a+\lambda e^t, \qquad q''(t)=\lambda e^t>0.

a>λa>\lambda より、最小点は正の値

t=logaλt^*=\log\frac{a}{\lambda}

です。これを代入して、

P(Xa)exp{alogaλ+aλ}P(X\geq a) \leq \exp\left\{-a\log\frac{a}{\lambda}+a-\lambda\right\}

を得ます。

答案で気をつけること

上側確率では t>0t>0、下側確率では通常 t<0t<0 を使います。最適化では対数を取ってから微分し、停留点が許された範囲に入ることと2階微分が正であることを確認します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題22:Lévyの連続性定理によるPoisson極限

λ>0\lambda>0 を固定し、

XnBin(n,λn)X_n\sim\operatorname{Bin}\left(n,\frac{\lambda}{n}\right)

とします。特性関数とLévyの連続性定理を用いて、

XndPoisson(λ)X_n\xrightarrow{d}\operatorname{Poisson}(\lambda)

を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

二項分布の特性関数は、Bernoulli変数の特性関数を nn 乗して、

φXn(t)={1λn+λneit}n={1+λ(eit1)n}n\begin{aligned} \varphi_{X_n}(t) &=\left\{1-\frac{\lambda}{n} +\frac{\lambda}{n}e^{it}\right\}^n\\ &=\left\{1+\frac{\lambda(e^{it}-1)}{n}\right\}^n \end{aligned}

です。固定した tt に対して (1+z/n)nez(1+z/n)^n\to e^z を使うと、

φXn(t)exp{λ(eit1)}.\varphi_{X_n}(t) \longrightarrow \exp\{\lambda(e^{it}-1)\}.

右辺は Poisson(λ)\operatorname{Poisson}(\lambda) の特性関数で、t=0t=0 で連続です。したがってLévyの連続性定理より、

XndPoisson(λ)X_n\xrightarrow{d}\operatorname{Poisson}(\lambda)

です。

答案で気をつけること

極限を計算しただけで終わらず、(1) 極限関数が既知の確率分布の特性関数であること、(2) 0で連続であること、(3) したがってLévyの連続性定理を使えること、まで書きます。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

別解・別の見方

確率関数を直接計算し、(nk)(λ/n)k(1λ/n)nk\binom{n}{k}(\lambda/n)^k(1-\lambda/n)^{n-k} の極限を取る方法でもPoisson極限を示せます。特性関数法は全ての kk を一度に扱える点が利点です。

問題23:順序統計量とBeta分布

X1,,XnX_1,\ldots,X_n は連続分布関数 FF をもつi.i.d.標本で、X(k)X_{(k)} を小さい方から kk 番目の順序統計量とします。

  1. X(k)X_{(k)} の密度を求めてください。
  2. U(k)=F(X(k))U_{(k)}=F(X_{(k)}) の分布と平均を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

事前分布と尤度の母数に関する項だけを掛け、指数をまとめて既知の分布族を見つけます。点推定は指定された損失関数に合わせます。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

X(k)X_{(k)}xx の近くに入るには、k1k-1 個が xx より小さく、1個が幅 dxdx に入り、残り nkn-k 個が xx より大きい必要があります。どの標本が各役割を持つかを数えると、

fX(k)(x)=n!(k1)!(nk)!F(x)k1{1F(x)}nkf(x)f_{X_{(k)}}(x) =\frac{n!}{(k-1)!(n-k)!} F(x)^{k-1}\{1-F(x)\}^{n-k}f(x)

です。

u=F(x)u=F(x) と変換すると du=f(x)dxdu=f(x)dx なので、

fU(k)(u)=n!(k1)!(nk)!uk1(1u)nk,0<u<1.f_{U_{(k)}}(u) =\frac{n!}{(k-1)!(n-k)!} u^{k-1}(1-u)^{n-k}, \qquad 0<u<1.

これは、

U(k)Beta(k,nk+1)U_{(k)}\sim\operatorname{Beta}(k,n-k+1)

を表します。したがって、

E[U(k)]=kn+1E[U_{(k)}] =\frac{k}{n+1}

です。元の分布が何であっても、分布関数で確率尺度へ移すと同じBeta分布になる点が重要です。

答案で気をつけること

係数は n!/{(k1)!(nk)!}n!/\{(k-1)!(n-k)!\} です。k!k! としないよう、「下に k1k-1 個、点の近くに1個、上に nkn-k 個」と役割を言葉で確認します。変換では du=f(x)dxdu=f(x)dx が密度の f(x)f(x) を打ち消します。

答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

別解・別の見方

Ui=F(Xi)U_i=F(X_i) が一様分布に従うことを先に使い、一様分布の第 kk 順序統計量の公式へ帰着する方法でも導けます。

問題24:多変量デルタ法と対数比

正のパラメータ θ1,θ2\theta_1,\theta_2 の推定量が、

n{(θ^1θ^2)(θ1θ2)}dN2(0,(σ11σ12σ12σ22))\sqrt n \left\{ \begin{pmatrix}\hat\theta_1\\\hat\theta_2\end{pmatrix} - \begin{pmatrix}\theta_1\\\theta_2\end{pmatrix} \right\} \xrightarrow{d} N_2\left( \mathbf0, \begin{pmatrix} \sigma_{11}&\sigma_{12}\\ \sigma_{12}&\sigma_{22} \end{pmatrix} \right)

を満たすとします。g(θ1,θ2)=log(θ1/θ2)g(\theta_1,\theta_2)=\log(\theta_1/\theta_2) の漸近分散を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

対数比は、

g(θ1,θ2)=logθ1logθ2g(\theta_1,\theta_2)=\log\theta_1-\log\theta_2

なので、勾配は、

g=(1/θ11/θ2)\nabla g = \begin{pmatrix} 1/\theta_1\\ -1/\theta_2 \end{pmatrix}

です。多変量デルタ法より、n{g(θ^)g(θ)}\sqrt n\{g(\hat{\boldsymbol\theta})-g(\boldsymbol\theta)\} の極限分散は、

(g)TΣg=σ11θ12+σ22θ222σ12θ1θ2.\begin{aligned} (\nabla g)^T\Sigma\nabla g &= \frac{\sigma_{11}}{\theta_1^2} +\frac{\sigma_{22}}{\theta_2^2} -\frac{2\sigma_{12}}{\theta_1\theta_2}. \end{aligned}

したがって、対数比の推定量自体の近似分散は、

Var{logθ^1θ^2}1n(σ11θ12+σ22θ222σ12θ1θ2)\operatorname{Var}\left\{\log\frac{\hat\theta_1}{\hat\theta_2}\right\} \approx \frac1n \left( \frac{\sigma_{11}}{\theta_1^2} +\frac{\sigma_{22}}{\theta_2^2} -\frac{2\sigma_{12}}{\theta_1\theta_2} \right)

です。

この行列計算を掛け算3個へほどく

単変量なら{g(θ)}2σ2\{g'(\theta)\}^2\sigma^2 です。2変量では、1番目の分散の寄与、2番目の分散の寄与、2つが一緒に動く共分散の寄与、の3個を足します。勾配の2成分の符号が逆なので、正の共分散は対数比の分散を小さくします。

答案で気をつけること

行列表記だけで終えず、成分表示まで展開します。問題で与えられた Σ\Sigman\sqrt n を付けた極限分散なら、推定量自体の近似分散では最後に nn で割ります。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

別解・別の見方

行列を使わず、logθ^1\log\hat\theta_1logθ^2-\log\hat\theta_2 の分散および共分散を1項ずつ展開しても同じ式が得られます。

発展問題25:1階微分が0になる2次デルタ法

n(Tnθ)dN(0,τ2)\sqrt n(T_n-\theta)\xrightarrow{d}N(0,\tau^2)

とし、gg は2回微分可能で g(θ)=0g'(\theta)=0g(θ)0g''(\theta)\neq0 とします。n{g(Tn)g(θ)}n\{g(T_n)-g(\theta)\} の極限分布を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

θ\theta のまわりで2次までTaylor展開すると、ある θ~n\tilde\theta_n に対して、

g(Tn)g(θ)=g(θ)(Tnθ)+12g(θ~n)(Tnθ)2.g(T_n)-g(\theta) =g'(\theta)(T_n-\theta) +\frac12g''(\tilde\theta_n)(T_n-\theta)^2.

g(θ)=0g'(\theta)=0 なので1次項は消えます。一致性から θ~npθ\tilde\theta_n\xrightarrow{p}\theta であり、

n{g(Tn)g(θ)}=12g(θ~n){n(Tnθ)}2.n\{g(T_n)-g(\theta)\} =\frac12g''(\tilde\theta_n) \{\sqrt n(T_n-\theta)\}^2.

標準正規変数を ZZ とすると、連続写像定理とSlutskyの定理より、

n{g(Tn)g(θ)}d12g(θ)τ2Z2=12g(θ)τ2χ12\boxed{ n\{g(T_n)-g(\theta)\} \xrightarrow{d} \frac12g''(\theta)\tau^2 Z^2 =\frac12g''(\theta)\tau^2\chi_1^2 }

です。通常の n\sqrt n 尺度ではなく nn 尺度になり、極限分布も一般には正規分布ではありません。

答案で気をつけること

g(θ)=0g'(\theta)=0 のとき通常のデルタ法を使うと分散0という退化した結論になります。そこでTaylor展開を2次まで残し、尺度を n\sqrt n から nn へ変えます。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

別解・別の見方

g(x)=(xθ)2g(x)=(x-\theta)^2 の具体例で先に確認すると、n(Tnθ)2={n(Tnθ)}2n(T_n-\theta)^2=\{\sqrt n(T_n-\theta)\}^2 からカイ二乗分布が現れる理由を直感的に理解できます。

医薬・生命科学の問題(12問)

問題1:独立単位と標準誤差

対照群6匹、処置群6匹のマウスから、それぞれ1匹当たり200細胞を測定しました。細胞レベルの測定値を使って処置効果を比較したいとします。

  1. 処置効果の独立な標本数を各群1200と考えてよいですか。
  2. どのような解析単位またはモデルが候補ですか。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

各群1200とは考えられません。処置はマウスに割り付けられ、同じマウス内の細胞は共通の生物学的背景、処置、調製、測定バッチを共有するため依存します。

目的に応じて、次が候補です。

  • マウスごとに細胞測定を要約し、各群 n=6n=6 として比較する
  • 細胞をレベル1、マウスをレベル2とする階層モデルを使う
  • 遺伝子発現なら、個体単位のpseudobulkを作る

細胞数を増やすと各マウス内の要約精度は上がりますが、個体間変動を推定する独立単位は増えません。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題2:小標本の薬効指標

独立な10例で、投与前後差の平均が 4.0-4.0、標本標準偏差が5.0でした。差が正規分布に従うと仮定し、母平均差の95%信頼区間を求めてください。t9,0.975=2.262t_{9,0.975}=2.262 とします。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

対応差を1標本として扱います。標準誤差は、

sn=5101.581.\frac{s}{\sqrt n}=\frac5{\sqrt{10}}\approx1.581.

したがって、

dˉ±t9,0.975sn=4.0±2.262(1.581)=4.0±3.576.\begin{aligned} \bar d\pm t_{9,0.975}\frac{s}{\sqrt n} &=-4.0\pm2.262(1.581)\\ &=-4.0\pm3.576. \end{aligned}

95%信頼区間は、

(7.58,0.42)(-7.58,-0.42)

です。0を含まないことは統計的な差を示しますが、臨床的意義は効果量、評価尺度、事前に定めた重要差と合わせて判断します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:2つの測定法の精度

同じ濃度水準で、測定法Aを11回、測定法Bを9回独立に測定し、標本分散がそれぞれ sA2=1.8s_A^2=1.8sB2=0.9s_B^2=0.9 でした。正規性と独立性を仮定します。

  1. 分散比統計量を求めてください。
  2. 帰無仮説のもとでの分布を書いてください。
  3. 実務上の注意を述べてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

分散比は、

F=sA2sB2=1.80.9=2.0.F=\frac{s_A^2}{s_B^2}=\frac{1.8}{0.9}=2.0.

H0:σA2=σB2H_0:\sigma_A^2=\sigma_B^2 のもとで、

FF10,8.F\sim F_{10,8}.

ただし、測定日の違い、試料調製、装置バッチ、濃度依存の不均一分散、外れ値を確認します。同一試料を両測定法で測ったなら結果は対応しており、独立2標本の単純な分散比だけでは設計を十分に表せません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題4:有害事象割合とデルタ法

独立な400例中、80例で有害事象が観測されました。

  1. 標本比率とその近似標準誤差を求めてください。
  2. g(p)=log{p/(1p)}g(p)=\log\{p/(1-p)\} の近似標準誤差を求めてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

標本比率は、

p^=80400=0.20.\hat p=\frac{80}{400}=0.20.

近似標準誤差は、

SE^(p^)=0.2(0.8)400=0.02.\widehat{\operatorname{SE}}(\hat p) =\sqrt{\frac{0.2(0.8)}{400}} =0.02.

ロジット関数の微分は、

g(p)=1p+11p=1p(1p).g'(p)=\frac1p+\frac1{1-p} =\frac{1}{p(1-p)}.

したがって、

SE^{g(p^)}1p^(1p^)SE^(p^)=0.020.2(0.8)=0.125.\begin{aligned} \widehat{\operatorname{SE}}\{g(\hat p)\} &\approx \frac{1}{\hat p(1-\hat p)} \widehat{\operatorname{SE}}(\hat p)\\ &=\frac{0.02}{0.2(0.8)}\\ &=0.125. \end{aligned}

比率が0または1に近い場合、単純な正規近似やロジット変換は不安定になるため、二項尤度に基づく方法を検討します。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題5:コロニー数と平方根変換

ある培養条件で、1視野当たりのコロニー数を YPoisson(25)Y\sim\operatorname{Poisson}(25) と近似します。

  1. YY の標準偏差を求めてください。
  2. Y\sqrt Y の近似標準偏差を求めてください。
  3. データ解析でPoisson仮定以外に確認すべきことを挙げてください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

Poisson分布では分散が平均に等しいため、

SD(Y)=25=5.\operatorname{SD}(Y)=\sqrt{25}=5.

平方根変換後の近似分散は 1/41/4 なので、

SD(Y)12.\operatorname{SD}(\sqrt Y)\approx\frac12.

解析では、過分散、ゼロ過剰、視野面積の違い、同一培養皿内の視野間相関、検出限界を確認します。過分散があるなら負の二項分布、階層構造があるならランダム効果を含む計数モデルが候補です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:最大QT延長の解釈

同じ分布から独立に得られるQT延長量を考えます。試験Aは各患者1時点、試験Bは各患者20時点で測定し、各患者の最大値を報告しました。試験Bの最大値が大きい傾向を示しました。

この結果だけから試験Bの薬剤が危険だと結論できますか。

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ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

結論できません。MnM_n の分布関数は、

P(Mnx)=F(x)nP(M_n\leq x)=F(x)^n

なので、同じ母分布でも観測回数 nn が多いほど最大値は大きくなりやすいからです。

少なくとも、測定時点数、時間窓、ベースライン補正、同一患者内相関、欠測、心拍補正法、併用薬をそろえて比較します。最大値だけでなく、事前指定時点、時間平均、閾値超過、濃度QTモデルなどを検討します。

答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

問題7:多施設データとLindeberg条件

多数の独立患者について治療効果の和を考えます。患者ごとに分散が異なりますが、各患者の寄与は有界で、総分散は患者数とともに増加するとします。

  1. iid中心極限定理をそのまま引用してよいですか。
  2. Lindeberg条件を薬学的に説明してください。
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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

同一分布ではないため、iid中心極限定理をそのまま引用するのは不十分です。独立非同一分布のLindeberg–Feller定理などの条件を確認します。

薬学的には、特定の1患者の極端な反応や極端に大きな分散が、研究全体のばらつきを支配しないことを要求します。有界な寄与と増大する総分散はLindeberg条件を満たしやすくします。

ただし、施設内相関がある場合は患者間独立性が崩れるため、施設をクラスターとして扱う必要があります。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題8:上位分位点のバイオマーカー

バイオマーカー分布の95%分位点を正常上限として推定したいとします。標本中央値より大きな標本数が必要になりやすい理由を、順序統計量と漸近分散から説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

95%分位点は並べた標本の上端近くにあり、それより大きい観測は全体の約5%しかありません。したがって、実質的に利用できる裾の情報が少なくなります。

漸近分散は、

Var(ξ^p)p(1p)nf(ξp)2\operatorname{Var}(\hat\xi_p) \approx \frac{p(1-p)}{n f(\xi_p)^2}

です。上側裾では密度 f(ξ0.95)f(\xi_{0.95}) が小さいことが多く、分母が小さくなるため分散が大きくなります。

正常上限を設定するには、対象集団の定義、年齢・性別などの層別、測定誤差、外れ値、必要な信頼度を踏まえて標本数を設計します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題9:薬物動態量の比

同じ被験者で測定したAUCと CmaxC_{\max} の推定量を θ^1,θ^2\hat\theta_1,\hat\theta_2 とし、その比 R=θ1/θ2R=\theta_1/\theta_2 の標準誤差をデルタ法で求めたいとします。共分散を無視してよいでしょうか。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

同じ被験者から得たAUCと CmaxC_{\max} は通常相関するため、共分散を無視すべきではありません。勾配、

g=(1/θ2θ1/θ22)\nabla g= \begin{pmatrix} 1/\theta_2\\ -\theta_1/\theta_2^2 \end{pmatrix}

と共分散行列 Σ\Sigma を用いて、

Var(R^)1ngΣg\operatorname{Var}(\hat R) \approx \frac1n\nabla g^\top\Sigma\nabla g

と評価します。共分散項の符号によって、独立と仮定した計算より分散が大きくも小さくもなります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題10:EC50からpEC50への変換

ある受容体作動薬の EC^50\widehat{\mathrm{EC}}_{50} が30 nM、その標準誤差が6 nMでした。局所的な正規近似が妥当と仮定します。

  1. pEC^50\widehat{\mathrm{pEC}}_{50} を求めてください。
  2. デルタ法で標準誤差を求めてください。
  3. pEC50尺度の95%信頼区間を作り、EC50尺度へ戻してください。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

pEC50では濃度をmol/Lで表すので、30 nM=30×109 M30\ \mathrm{nM}=30\times10^{-9}\ \mathrm{M} です。したがって、

pEC^50=log10(30×109)7.523.\widehat{\mathrm{pEC}}_{50} =-\log_{10}(30\times10^{-9}) \approx7.523.

g(θ)=log10θg(\theta)=-\log_{10}\theta の微分は、

g(θ)=1θlog10g'(\theta)=-\frac1{\theta\log 10}

なので、単位をそろえれば、

SE(pEC^50)630log100.087.\operatorname{SE}(\widehat{\mathrm{pEC}}_{50}) \approx \frac6{30\log 10} \approx0.087.

pEC50尺度の95%信頼区間は、

7.523±1.96(0.087)=(7.353,7.693)7.523\pm1.96(0.087) =(7.353,7.693)

です。EC50=10pEC50 M\mathrm{EC}_{50}=10^{-\mathrm{pEC}_{50}}\ \mathrm{M} で戻すと、向きが反転して、およそ、

(20.3,44.4) nM(20.3,44.4)\ \mathrm{nM}

です。

答案で気をつけること

pEC50では必ずmol/Lへ換算します。負の対数なので、pEC50の上限はEC50の下限へ移ります。また、この区間は局所的なWald近似であり、用量反応曲線が飽和していない場合にはprofile likelihoodやbootstrapも検討します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

EC50の95%区間を先に作って端点をpEC50へ変換する方法もあります。ただし、どの尺度で正規近似したかにより区間は一致しないため、モデル化した尺度を明記します。

問題11:相関したPK指標の比

同じ被験者データから得た推定値が、AUC^=100\widehat{\mathrm{AUC}}=100C^max=80\widehat C_{\max}=80 で、推定量の共分散行列が、

Σ^=(25669)\widehat\Sigma = \begin{pmatrix} 25&6\\ 6&9 \end{pmatrix}

でした。R=AUC/CmaxR=\mathrm{AUC}/C_{\max} の推定値とデルタ法による標準誤差を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

比の推定値は、

R^=10080=1.25\widehat R=\frac{100}{80}=1.25

です。g(x,y)=x/yg(x,y)=x/y の勾配を推定値で評価すると、

g=(1/80100/802).\nabla g = \begin{pmatrix} 1/80\\ -100/80^2 \end{pmatrix}.

行列表記を成分へ展開すると、

Var^(R^)25802+10029804210068030.003760.\begin{aligned} \widehat{\operatorname{Var}}(\widehat R) &\approx \frac{25}{80^2} +\frac{100^2\cdot9}{80^4} -\frac{2\cdot100\cdot6}{80^3}\\ &\approx0.003760. \end{aligned}

したがって、

SE^(R^)0.0037600.0613\widehat{\operatorname{SE}}(\widehat R) \approx\sqrt{0.003760} \approx0.0613

です。

この2行2列の計算を単変量の誤差伝播へ戻す

AUCだけが不確実なら、分散は (1/Cmax)2Var(AUC^)(1/C_{\max})^2\operatorname{Var}(\widehat{\mathrm{AUC}}) です。2変量では CmaxC_{\max} の不確実性と共分散項も加えます。今回は2つの偏微分の符号が逆で共分散が正なので、共分散項は分散を小さくする向きに働きます。

答案で気をつけること

与えられた行列が各観測値の共分散か、推定量そのものの共分散かを確認します。この問題では推定量の共分散なので、さらに nn で割りません。共分散項の係数2と符号を落とさないようにします。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題12:非母数的な95%基準上限と順序統計量

健康参照集団から連続型バイオマーカーを独立に199例測定し、小さい順に X(1),,X(199)X_{(1)},\ldots,X_{(199)} と並べました。分布形を仮定せず、95%分位点に対応する観測値を選びたいとします。

  1. E[F(X(k))]=k/(n+1)E[F(X_{(k)})]=k/(n+1) を使い、対応する順位 kk を求めてください。
  2. その1点だけを確定的な正常上限としてよいか説明してください。
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ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

n=199n=199 なので、

kn+1=k2000.95\frac{k}{n+1}=\frac{k}{200}\approx0.95

より、

k=190k=190

です。したがって X(190)X_{(190)} が95%分位点に対応する自然な候補です。

ただし、X(190)X_{(190)} 自体も標本を取り直せば変動します。95%分位点より下に入る観測数は二項分布で表せるため、順序統計量を2個選んで分位点の信頼区間を作れます。さらに、参照集団の選択、年齢・性別・腎機能などの層別、測定誤差、外れ値、検出限界も評価します。

答案で気をつけること

0.95n0.95n0.95(n+1)0.95(n+1) では順位が異なる場合があります。どの標本分位点の定義を使ったかを明記します。また、推定値と信頼限界を区別し、「190番目だから真の95%点」と断定しません。

答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

別解・別の見方

順位を1点で選ぶ代わりに、二項分布 B(n,0.95)B(n,0.95) の確率を使って2つの順位を選び、95%分位点の非母数的信頼区間を構成できます。

第六章 統計的推定

この章は26問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(16問)

問題1:Bernoulli標本の十分統計量

X1,,XniidBernoulli(p)X_1,\ldots,X_n\overset{\mathrm{iid}}{\sim}\operatorname{Bernoulli}(p) とする。T=iXiT=\sum_iX_ipp の十分統計量であることを因子分解定理で示せ。

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ヒント1:最初の着眼点

同時確率関数または同時密度を、母数を含む部分と含まない部分へ分けます。母数を含む側がデータをどの統計量だけで見ているかを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 因子分解定理では、同時確率関数を「母数 pp と統計量 TT の関数」と「データだけの関数」の積に分けます。

同時確率関数は

ipxi(1p)1xi=pixi(1p)nixi.\prod_i p^{x_i}(1-p)^{1-x_i} =p^{\sum_i x_i}(1-p)^{n-\sum_i x_i}.

pp を含む部分は T=ixiT=\sum_i x_i だけの関数で、残りは h(x)=1h(x)=1 と置けます。因子分解定理より TT は十分です。

答案で気をつけること: 「和だけに依存する」と書くだけでなく、gp(T)h(x)g_p(T)h(x) の形を示します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題2:一様分布の十分統計量

X1,,XniidU(0,θ)X_1,\ldots,X_n\overset{\mathrm{iid}}{\sim}U(0,\theta) とする。十分統計量を1つ求め、理由を示せ。

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ヒント1:最初の着眼点

同時確率関数または同時密度を、母数を含む部分と含まない部分へ分けます。母数を含む側がデータをどの統計量だけで見ているかを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 一様分布では、各観測値が θ\theta 未満であるという条件を、最大値1つの条件へまとめます。

L(θ)=θniI(0<xi<θ)=θnI(0<x(n)<θ).L(\theta) =\theta^{-n}\prod_i I(0<x_i<\theta) =\theta^{-n}I(0<x_{(n)}<\theta).

2行目では、すべての xix_iθ\theta 未満であることと、最大値 x(n)x_{(n)}θ\theta 未満であることが同値であることを使いました。したがって

L(θ)=θnI(x(n)<θ)gθ{x(n)}I(0<x(1))h(x)L(\theta) =\underbrace{\theta^{-n}I(x_{(n)}<\theta)}_{g_\theta\{x_{(n)}\}} \underbrace{I(0<x_{(1)})}_{h(x)}

と因子分解でき、X(n)X_{(n)} が十分統計量です。

答案で気をつけること: 最大値を答えるだけでなく、支持範囲の積が1個の指示関数へまとまる途中を示します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題3:指数型分布族と自然母数

Poisson分布とBernoulli分布を指数型分布族の形に直し、自然母数と1標本の十分統計量を答えよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 指数型分布族の標準形 h(x)exp{ηT(x)A(η)}h(x)\exp\{\eta T(x)-A(\eta)\} と見比べ、xx に掛かる量を自然母数 η\eta と読み取ります。

Poisson分布は

f(xλ)=1x!exp{xlogλλ}=1x!exp{xηeη}f(x\mid\lambda) =\frac1{x!}\exp\{x\log\lambda-\lambda\} =\frac1{x!}\exp\{x\eta-e^\eta\}

なので η=logλ\eta=\log\lambdaT(x)=xT(x)=xA(η)=eηA(\eta)=e^\eta です。Bernoulli分布は

f(xp)=exp{xlogp1p+log(1p)}=exp{xηlog(1+eη)}f(x\mid p) =\exp\left\{x\log\frac p{1-p}+\log(1-p)\right\} =\exp\{x\eta-\log(1+e^\eta)\}

なので η=log{p/(1p)}\eta=\log\{p/(1-p)\}T(x)=xT(x)=xA(η)=log(1+eη)A(\eta)=\log(1+e^\eta) です。2つの分布とも、標本全体では iXi\sum_iX_i が十分統計量になります。

答案で気をつけること: 自然母数は元の母数と同じとは限りません。logやlogitへの変換を明示します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題4:期待値母数

Bernoulli分布の自然母数を η\eta とする。A(η)=log(1+eη)A(\eta)=\log(1+e^\eta) を微分し、期待値母数が pp になることを示せ。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 期待値母数は A(η)A'(\eta) です。まず普通に微分し、次に eηe^\etapp で置き換えます。

A(η)=ηlog(1+eη)=11+eηeη=eη1+eη.\begin{aligned} A'(\eta) &=\frac{\partial}{\partial\eta}\log(1+e^\eta)\\ &=\frac{1}{1+e^\eta}\cdot e^\eta\\ &=\frac{e^\eta}{1+e^\eta}. \end{aligned}

η=log{p/(1p)}\eta=\log\{p/(1-p)\} なので eη=p/(1p)e^\eta=p/(1-p) です。したがって、

A(η)=p/(1p)1+p/(1p)=p.A'(\eta) =\frac{p/(1-p)}{1+p/(1-p)} =p.

さらに A(η)=pA'(\eta)=p をもう一度 η\eta で微分すると、

A(η)=eη(1+eη)2=p(1p)A''(\eta) =\frac{e^\eta}{(1+e^\eta)^2} =p(1-p)

で、Bernoulli分布の分散に一致します。

答案で気をつけること: 微分後に自然母数から元の母数へ戻します。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題5:Gamma分布のモーメント推定

形状 α\alpha、尺度 β\beta のGamma分布から標本を得た。Xˉ\bar Xm2=n1i(XiXˉ)2m_2=n^{-1}\sum_i(X_i-\bar X)^2 を用いてモーメント推定量を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

母集団モーメントを未知母数で表し、同じ次数の標本モーメントと等置します。未知母数の個数だけ方程式を用意します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: Gamma分布の平均と分散を標本の平均・分散へ等置し、2本の式を連立して α,β\alpha,\beta を解きます。ここで β\beta は尺度です。

Xˉ=αβ,m2=αβ2\bar X=\alpha\beta,\qquad m_2=\alpha\beta^2

と置きます。第2式を第1式で割ると、

β^=m2Xˉ.\hat\beta=\frac{m_2}{\bar X}.

これを第1式へ戻して、

α^=Xˉβ^=Xˉ2m2.\hat\alpha=\frac{\bar X}{\hat\beta} =\frac{\bar X^2}{m_2}.

なお m2=n1i(XiXˉ)2m_2=n^{-1}\sum_i(X_i-\bar X)^2 はモーメント法で使う標本2次中心モーメントです。不偏分散の分母 n1n-1 とは別物です。

答案で気をつけること: Gamma分布の第2母数が尺度か率かを先に確認します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題6:一様分布の最尤推定

XiU(0,θ)X_i\sim U(0,\theta) とする。θ\theta の最尤推定量を求め、一致性を分布関数から示せ。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 尤度が正になる母数範囲を先に決め、その範囲で θn\theta^{-n} がどちらへ動くかを見ます。微分は不要です。

尤度は θnI(θX(n))\theta^{-n}I(\theta\ge X_{(n)}) なので、

θ^ML=X(n).\hat\theta_{\mathrm{ML}}=X_{(n)}.

θ<X(n)\theta<X_{(n)} では尤度は0です。一方、θX(n)\theta\ge X_{(n)} では θn\theta^{-n}θ\theta が大きくなるほど小さくなります。したがって尤度が正である範囲の左端 X(n)X_{(n)} で最大になります。

0<ε<θ0<\varepsilon<\theta に対して、

P(X(n)θ>ε)=P(X(n)<θε)=(θεθ)n0.\begin{aligned} P(|X_{(n)}-\theta|>\varepsilon) &=P(X_{(n)}<\theta-\varepsilon)\\ &=\left(\frac{\theta-\varepsilon}{\theta}\right)^n \to0. \end{aligned}

よって X(n)pθX_{(n)}\xrightarrow{p}\theta です。

答案で気をつけること: X(n)θX_{(n)}\le\theta が常に成り立つため、絶対値の事象が片側だけになることを説明します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

別解・別の見方

θX(n)0\theta-X_{(n)}\ge0 に注目し、E[(θX(n))2]0E[(\theta-X_{(n)})^2]\to0 を示せば平均二乗収束から確率収束を導く別解もあります。

問題7:一様分布の推定量とMSE

XiU(0,θ)X_i\sim U(0,\theta) とする。X(n)X_{(n)}θ~=(n+1)X(n)/n\tilde\theta=(n+1)X_{(n)}/n のバイアスとMSEを求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

期待値からバイアス、2次モーメントから分散を求め、MSEを「分散+バイアスの2乗」に分けます。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: まず最大値の平均・分散からバイアスを出し、MSE=Var+Bias2\operatorname{MSE}=\operatorname{Var}+\operatorname{Bias}^2 をそのまま使います。

最大値について、

E[X(n)]=nn+1θ,Var(X(n))=nθ2(n+1)2(n+2).E[X_{(n)}]=\frac{n}{n+1}\theta,\qquad \operatorname{Var}(X_{(n)}) =\frac{n\theta^2}{(n+1)^2(n+2)}.

したがって、

Bias(X(n))=θn+1\operatorname{Bias}(X_{(n)})=-\frac{\theta}{n+1}

で、

MSE(X(n))=nθ2(n+1)2(n+2)+(θn+1)2=nθ2+(n+2)θ2(n+1)2(n+2)=2θ2(n+1)(n+2).\begin{aligned} \operatorname{MSE}(X_{(n)}) &=\frac{n\theta^2}{(n+1)^2(n+2)} +\left(-\frac{\theta}{n+1}\right)^2\\ &=\frac{n\theta^2+(n+2)\theta^2} {(n+1)^2(n+2)}\\ &=\frac{2\theta^2}{(n+1)(n+2)}. \end{aligned}

θ~\tilde\theta は不偏で、

MSE(θ~)=Var(θ~)=(n+1n)2nθ2(n+1)2(n+2)=θ2n(n+2).\operatorname{MSE}(\tilde\theta) =\operatorname{Var}(\tilde\theta) =\left(\frac{n+1}{n}\right)^2 \frac{n\theta^2}{(n+1)^2(n+2)} =\frac{\theta^2}{n(n+2)}.

答案で気をつけること: 不偏推定量のMSEだけが分散と一致します。X(n)X_{(n)} ではバイアス平方を足します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題8:多項分布の最尤推定

(X1,,Xk)Multinomial(n;p1,,pk)(X_1,\ldots,X_k)\sim\operatorname{Multinomial}(n;p_1,\ldots,p_k) とする。jpj=1\sum_jp_j=1 のもとで最尤推定量を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: p1,,pkp_1,\ldots,p_k は和が1という制約を持つため、Lagrange未定乗数法を使います。以下の rr は制約に付ける未定乗数で、確率母数とは別の記号です。

定数を省いた対数尤度は =jxjlogpj\ell=\sum_jx_j\log p_j です。Lagrange関数

Q=jxjlogpj+r(1jpj)Q=\sum_jx_j\log p_j+r\left(1-\sum_jp_j\right)

を作ると、

Qpj=xjpjr=0\frac{\partial Q}{\partial p_j} =\frac{x_j}{p_j}-r=0

より pj=xj/rp_j=x_j/r です。制約 jpj=1\sum_jp_j=1 へ代入すると、

1=jxjr=jxjr=nr1=\sum_j\frac{x_j}{r} =\frac{\sum_jx_j}{r} =\frac nr

なので r=nr=n、したがって

p^j=xjn.\hat p_j=\frac{x_j}{n}.

答案で気をつけること: pk=1j<kpjp_k=1-\sum_{j<k}p_j という制約を無視して独立に微分してはいけません。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

別解・別の見方

pk=1j<kpjp_k=1-\sum_{j<k}p_j を対数尤度へ代入し、k1k-1 個の母数で直接微分しても同じ最尤推定量が得られます。

問題9:Beta–Binomialの事後分布

XpBinomial(n,p)X\mid p\sim\operatorname{Binomial}(n,p)pBeta(α,β)p\sim\operatorname{Beta}(\alpha,\beta) とする。事後分布と二乗誤差損失でのBayes推定量を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

事前分布と尤度の母数に関する項だけを掛け、指数をまとめて既知の分布族を見つけます。点推定は指定された損失関数に合わせます。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 事後分布は「尤度 × 事前分布」です。pp を含まない二項係数やBeta関数の定数は比例記号の中へ入れます。

尤度と事前分布を pp のべきとして書くと、

p(xp)px(1p)nx,π(p)pα1(1p)β1.p(x\mid p)\propto p^x(1-p)^{n-x}, \qquad \pi(p)\propto p^{\alpha-1}(1-p)^{\beta-1}.

両者を掛けると、

π(px)px+α1(1p)nx+β1.\pi(p\mid x) \propto p^{x+\alpha-1}(1-p)^{n-x+\beta-1}.

したがって、

pxBeta(α+x,β+nx).p\mid x\sim\operatorname{Beta}(\alpha+x,\beta+n-x).

二乗誤差損失では事後平均が最適なので、

p^B=α+xα+β+n.\hat p_B=\frac{\alpha+x}{\alpha+\beta+n}.

答案で気をつけること: MAPではなく事後平均です。損失関数で答えが変わります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題10:Gamma–Poissonの事後分布

XiλPoisson(λ)X_i\mid\lambda\sim\operatorname{Poisson}(\lambda)λGamma(α,β)\lambda\sim\operatorname{Gamma}(\alpha,\beta) とする。第2母数を率として、事後分布を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

事前分布と尤度の母数に関する項だけを掛け、指数をまとめて既知の分布族を見つけます。点推定は指定された損失関数に合わせます。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: Gamma分布を「形状 aa、率 bb」で f(λ)λa1ebλf(\lambda)\propto\lambda^{a-1}e^{-b\lambda} と書き、尤度と掛けた後の指数を読み取ります。

尤度は λixienλ\lambda^{\sum_i x_i}e^{-n\lambda} に比例し、事前分布は λα1eβλ\lambda^{\alpha-1}e^{-\beta\lambda} に比例します。掛け合わせると、

π(λx)λixienλλα1eβλ=λα+ixi1exp{(β+n)λ}.\begin{aligned} \pi(\lambda\mid x) &\propto \lambda^{\sum_i x_i}e^{-n\lambda} \lambda^{\alpha-1}e^{-\beta\lambda}\\ &=\lambda^{\alpha+\sum_i x_i-1} \exp\{-(\beta+n)\lambda\}. \end{aligned}

これは形状が α+ixi\alpha+\sum_i x_i、率が β+n\beta+n のGamma分布なので、

λxGamma(α+ixi,β+n).\lambda\mid x \sim\operatorname{Gamma} \left(\alpha+\sum_i x_i,\beta+n\right).

答案で気をつけること: 曝露時間が観測ごとに違うなら nn ではなく総曝露時間が率母数へ加わります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題11:逆分散重みBLUE

独立な不偏推定量 Y1,Y2Y_1,Y_2 の分散がそれぞれ σ12,σ22\sigma_1^2,\sigma_2^2 である。aY1+(1a)Y2aY_1+(1-a)Y_2 の分散を最小にする aa を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

線形推定量が不偏になる重みの和の条件を書き、その条件下で分散を最小化します。精度の高い観測ほど大きな逆分散重みになります。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 重みの和を1にして不偏性を保ち、重み aa について分散を最小化します。

不偏性は、重みの和が a+(1a)=1a+(1-a)=1 なので自動的に保たれます。独立性より分散は、

V(a)=a2σ12+(1a)2σ22.V(a)=a^2\sigma_1^2+(1-a)^2\sigma_2^2.

微分して、

V(a)=2aσ122(1a)σ22=0.V'(a)=2a\sigma_1^2-2(1-a)\sigma_2^2=0.

よって、

aσ12=(1a)σ22a(σ12+σ22)=σ22a=σ22σ12+σ22.\begin{aligned} a\sigma_1^2&=(1-a)\sigma_2^2\\ a(\sigma_1^2+\sigma_2^2)&=\sigma_2^2\\ a&=\frac{\sigma_2^2}{\sigma_1^2+\sigma_2^2}. \end{aligned}

さらに V(a)=2(σ12+σ22)>0V''(a)=2(\sigma_1^2+\sigma_2^2)>0 なので、これは最小値です。このときの最小分散は

V(a)=σ12σ22σ12+σ22=1σ12+σ22.V(a) =\frac{\sigma_1^2\sigma_2^2}{\sigma_1^2+\sigma_2^2} =\frac{1}{\sigma_1^{-2}+\sigma_2^{-2}}.

この形は「Y1Y_1 の重みに相手 Y2Y_2 の分散が付く」ように見えますが、分子分母に 1/(σ12σ22)1/(\sigma_1^2\sigma_2^2) を掛ければ、

a=σ22σ12+σ22=σ12σ12+σ22.a=\frac{\sigma_2^2}{\sigma_1^2+\sigma_2^2} =\frac{\sigma_1^{-2}}{\sigma_1^{-2}+\sigma_2^{-2}}.

つまり、各測定の重みは自分自身の分散の逆数に比例します。

答案で気をつけること: 最初に独立性を使って分散の共分散項を0にしたことと、重みの和が1なので不偏性が保たれることを書きます。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題12:Poisson分布の情報量とCR下限

X1,,XnPoisson(λ)X_1,\ldots,X_n\sim\operatorname{Poisson}(\lambda) とする。λ\lambda のFisher情報量と不偏推定量の分散下限を求め、Xˉ\bar X が限界へ達するか確認せよ。

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ヒント1:最初の着眼点

まず1観測のスコアを求め、二乗の期待値または対数尤度の2階微分から情報量を計算します。標本全体では独立性により nn 倍します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 対数尤度を微分してスコアを出し、スコアの二乗の期待値から1観測の情報量を求めます。その後に nn 倍し、CR下限と標本平均の分散を比べます。

1観測の対数尤度は

1(λ)=Xlogλλlog(X!)\ell_1(\lambda)=X\log\lambda-\lambda-\log(X!)

なので、スコアは

U1(λ)=1λ=Xλ1=Xλλ.U_1(\lambda) =\frac{\partial\ell_1}{\partial\lambda} =\frac{X}{\lambda}-1 =\frac{X-\lambda}{\lambda}.

Poisson分布では Var(X)=λ\operatorname{Var}(X)=\lambda だから、

I1(λ)=E[U1(λ)2]=E[(Xλλ)2]=Var(X)λ2=1λ.\begin{aligned} I_1(\lambda) &=E[U_1(\lambda)^2]\\ &=E\left[\left(\frac{X-\lambda}{\lambda}\right)^2\right]\\ &=\frac{\operatorname{Var}(X)}{\lambda^2} =\frac1\lambda. \end{aligned}

独立な nn 観測では情報量が足し算されるので、

I1(λ)=1λ,In(λ)=nλ.I_1(\lambda)=\frac1\lambda,\qquad I_n(\lambda)=\frac n\lambda.

CR下限は λ/n\lambda/n です。一方、

Var(Xˉ)=λn.\operatorname{Var}(\bar X)=\frac{\lambda}{n}.

よって Xˉ\bar X は限界へ達する有効推定量です。

答案で気をつけること: I1I_1InI_n を混同せず、標本数 nn を掛けます。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

別解・別の見方

2階微分の期待値から I1(λ)=E[X/λ2]=1/λI_1(\lambda)=-E[-X/\lambda^2]=1/\lambda と求めても同じ結果になります。

問題13:正規分布の分散の最尤推定

XiiidN(0,θ)X_i\overset{\mathrm{iid}}{\sim}N(0,\theta) とし、θ^=n1iXi2\hat\theta=n^{-1}\sum_iX_i^2 とする。期待値、分散、漸近分布を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: θ^\hat\thetaXi2X_i^2 の標本平均です。そこで Xi2X_i^2 の平均と分散を求め、最後に中心極限定理を使います。

Zi=Xi/θN(0,1)Z_i=X_i/\sqrt\theta\sim N(0,1) と置くと、Xi2=θZi2X_i^2=\theta Z_i^2 です。E[Zi2]=1E[Z_i^2]=1E[Zi4]=3E[Z_i^4]=3 より、

E[Xi2]=θ,E[Xi4]=3θ2.E[X_i^2]=\theta,\qquad E[X_i^4]=3\theta^2.

したがって、

Var(Xi2)=3θ2θ2=2θ2.\operatorname{Var}(X_i^2) =3\theta^2-\theta^2=2\theta^2.

独立性から、

Var(θ^)=2θ2n.\operatorname{Var}(\hat\theta)=\frac{2\theta^2}{n}.

中心極限定理より、

n(θ^θ)dN(0,2θ2).\sqrt n(\hat\theta-\theta) \xrightarrow{d}N(0,2\theta^2).

答案で気をつけること: N(0,θ)N(0,\theta) の第2母数が分散であると確認します。標準偏差なら式が変わります。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題14:一般の関数に対するCR下限

TTg(θ)g(\theta) の不偏推定量であるとする。正則条件のもとで分散の下限を示せ。

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ヒント1:最初の着眼点

まず1観測のスコアを求め、二乗の期待値または対数尤度の2階微分から情報量を計算します。標本全体では独立性により nn 倍します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 通常のCR不等式で 11 だった箇所が、g(θ)g'(\theta) へ変わるだけです。密度の微分を「密度 × スコア」へ置き換えます。

E[T]=g(θ)E[T]=g(\theta) を微分すると、

g(θ)=θE[T]=E[TUn(θ)].g'(\theta) =\frac{\partial}{\partial\theta}E[T] =E[TU_n(\theta)].

E[Un]=0E[U_n]=0 なので Cov(T,Un)=g(θ)\operatorname{Cov}(T,U_n)=g'(\theta) です。Cauchy–Schwarz不等式より、

{g(θ)}2Var(T)In(θ).\{g'(\theta)\}^2 \le\operatorname{Var}(T)I_n(\theta).

したがって、

Var(T){g(θ)}2In(θ).\operatorname{Var}(T) \ge\frac{\{g'(\theta)\}^2}{I_n(\theta)}.

答案で気をつけること: θ\theta 自身の推定だけなら g(θ)=1g'(\theta)=1 です。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題15:最尤推定量の漸近正規性

正則な1母数モデルで、最尤推定量の漸近分布をスコアのTaylor展開から導く道筋を示せ。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 最尤推定量の誤差を「真値でのスコアの揺れ ÷ 尤度の曲がり具合」と書き直します。その分子にCLT、分母にLLNを使います。

Un(θ^)=0U_n(\hat\theta)=0 を真値 θ0\theta_0 の周りで展開し、

0=Un(θ0)+(θ^θ0)Un(θ~)0=U_n(\theta_0)+(\hat\theta-\theta_0)U_n'(\tilde\theta)

とします。よって、

n(θ^θ0)=Un(θ0)/nUn(θ~)/n.\sqrt n(\hat\theta-\theta_0) =\frac{U_n(\theta_0)/\sqrt n}{-U_n'(\tilde\theta)/n}.

Un(θ0)=i=1nU1(i)(θ0)U_n(\theta_0)=\sum_{i=1}^nU_1^{(i)}(\theta_0) は独立な1標本スコアの和で、平均0、分散 I1(θ0)I_1(\theta_0) を持ちます。したがって分子へ中心極限定理、分母へ大数の法則を使うと、

Un(θ0)ndN{0,I1(θ0)},Un(θ~)npI1(θ0).\frac{U_n(\theta_0)}{\sqrt n} \xrightarrow{d}N\{0,I_1(\theta_0)\}, \qquad -\frac{U_n'(\tilde\theta)}n\xrightarrow{p}I_1(\theta_0).

Slutskyの定理より、

n(θ^θ0)dN{0,I1(θ0)1}.\sqrt n(\hat\theta-\theta_0) \xrightarrow{d}N\{0,I_1(\theta_0)^{-1}\}.

答案で気をつけること: Taylor展開、CLT、LLN、Slutskyのどこを使ったかを分けて書きます。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

発展問題16:2母数の情報行列

互いに独立な XN(μ,σ2)X\sim N(\mu,\sigma^2) について、1観測の (μ,σ2)(\mu,\sigma^2) に関するFisher情報行列を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

方針: 分散そのものを母数として v=σ2v=\sigma^2 と置き、μ,v\mu,v で偏微分します。情報行列の各要素はスコアの積の期待値です。

1観測の対数尤度は

(μ,v)=12log(2πv)(Xμ)22v.\ell(\mu,v) =-\frac12\log(2\pi v)-\frac{(X-\mu)^2}{2v}.

スコアは、

Uμ=μ=Xμv,Uv=v=12v+(Xμ)22v2.\begin{aligned} U_\mu&=\frac{\partial\ell}{\partial\mu} =\frac{X-\mu}{v},\\ U_v&=\frac{\partial\ell}{\partial v} =-\frac1{2v}+\frac{(X-\mu)^2}{2v^2}. \end{aligned}

Y=XμY=X-\mu と置くと、E[Y]=0E[Y]=0E[Y2]=vE[Y^2]=vE[Y3]=0E[Y^3]=0E[Y4]=3v2E[Y^4]=3v^2 です。よって対角成分は

Iμμ=E[Uμ2]=E[Y2]v2=1v,Ivv=E[{12v+Y22v2}2]=Var(Y2)4v4=3v2v24v4=12v2.\begin{aligned} I_{\mu\mu} &=E[U_\mu^2] =\frac{E[Y^2]}{v^2} =\frac1v,\\ I_{vv} &=E\left[\left\{-\frac1{2v}+\frac{Y^2}{2v^2}\right\}^2\right]\\ &=\frac{\operatorname{Var}(Y^2)}{4v^4}\\ &=\frac{3v^2-v^2}{4v^4} =\frac1{2v^2}. \end{aligned}

非対角成分は、

Iμv=E[UμUv]=E[Y3]2v3=0I_{\mu v} =E[U_\mu U_v] =\frac{E[Y^3]}{2v^3}=0

です。v=σ2v=\sigma^2 に戻すと、

I(μ,σ2)=(1/σ2001/(2σ4)).I(\mu,\sigma^2) = \begin{pmatrix} 1/\sigma^2&0\\ 0&1/(2\sigma^4) \end{pmatrix}.

非対角成分が0なので、この母数化では平均と分散は情報の意味で直交しています。

答案で気をつけること: 第2母数を σ\sigma とするか σ2\sigma^2 とするかで情報行列は変わります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

医薬・生命科学の問題(10問)

問題1:小標本の薬効反応率

候補化合物を投与した独立な12個体中3個体で反応を認めた。事前分布を Beta(2,2)\operatorname{Beta}(2,2) とし、反応率の最尤推定値とBayes推定値を求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

最尤推定値は、

p^ML=312=0.25.\hat p_{\mathrm{ML}}=\frac3{12}=0.25.

事後分布は Beta(5,11)\operatorname{Beta}(5,11) なので、二乗誤差損失でのBayes推定値は、

p^B=516=0.3125.\hat p_B=\frac5{16}=0.3125.

少数例なので、事後平均は事前平均0.5の方向へ縮みます。

答案で気をつけること: 「反応した3例」だけでなく総数12も更新に使います。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題2:希少有害事象率

合計100人年の追跡で4件の有害事象を観測した。発生件数を Poisson(100λ)\operatorname{Poisson}(100\lambda)、事前分布を率表示の Gamma(1,20)\operatorname{Gamma}(1,20) とする。事後分布と事後平均を求めよ。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

曝露時間を含む尤度は λ4e100λ\lambda^4e^{-100\lambda} に比例します。したがって、

λxGamma(5,120).\lambda\mid x\sim\operatorname{Gamma}(5,120).

事後平均は、

E[λx]=5120=0.0417E[\lambda\mid x]=\frac5{120}=0.0417

件/人年です。

答案で気をつけること: 更新される率母数は観測数ではなく総曝露時間です。単位も添えます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:2施設の濃度測定を統合する

同じ標準試料の濃度を2施設で測り、Y1=9.8Y_1=9.8Y2=10.4Y_2=10.4、既知標準偏差がそれぞれ1.0、2.0だった。独立・不偏を仮定してBLUEを求めよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず標準偏差ではなく分散へ直します。

σ12=1.02=1,σ22=2.02=4.\sigma_1^2=1.0^2=1, \qquad \sigma_2^2=2.0^2=4.

逆分散は 111/41/4 です。重みの比は

1:14=4:11:\frac14=4:1

なので、和が1になるように直すと、

w1=44+1=0.8,w2=14+1=0.2.w_1=\frac4{4+1}=0.8, \qquad w_2=\frac1{4+1}=0.2.

したがって、

μ^=0.8×9.8+0.2×10.4=9.92.\begin{aligned} \hat\mu &=0.8\times9.8+0.2\times10.4\\ &=9.92. \end{aligned}

逆分散の式へ直接代入しても同じです。

μ^=19.8+(1/4)10.41+1/4=9.92.\hat\mu =\frac{1\cdot9.8+(1/4)\cdot10.4}{1+1/4} =9.92.

精度の高い施設1へ強く重み付けされます。

答案で気をつけること: 標準偏差の逆数ではなく、分散の逆数を重みにします。また、同じ真の濃度を測っているという前提が崩れるなら、BLUEだけで施設差を処理してはいけません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

2施設だけなら aY1+(1a)Y2aY_1+(1-a)Y_2 の分散を aa で微分して最適な重みを求める方法でも計算できます。

問題4:濃度反応曲線の最尤推定

4母数logisticモデルでEC50を推定するとき、最尤推定値だけを報告する危険性を3つ挙げ、追加すべき評価を答えよ。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

危険性は、例えば次の3つです。

  1. EC50とHill係数が強く相関し、尤度が平らな場合がある
  2. 上限・下限が観測範囲外だとEC50が不安定になる
  3. 濃度によって分散が変わると、等分散正規尤度が不適切になる

プロファイル尤度、bootstrap、残差図、母数間相関、独立実験間の再現性を併記します。

答案で気をつけること: ウェル数を独立実験数として扱わず、プレートや実験日の階層を確認します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題5:個体内に細胞があるデータ

対照3個体、処置3個体から各個体1000細胞を測定した。6000細胞を独立として平均差を推定する問題点と、適切なモデル方針を説明せよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

同じ個体の細胞は共通の生物学的背景を持つため独立ではありません。6000を標本数にすると標準誤差を過小評価する擬似反復になります。

個体を実験単位とし、個体ごとの集約値を解析するか、細胞を個体内にネストした混合モデル・階層Bayesモデルを使います。

答案で気をつけること: 観測単位の細胞数と、独立な実験単位の個体数を分けて書きます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:集団薬物動態と経験Bayes

母集団解析で得られる個体別経験Bayes推定値が、観測の少ない個体ほど母集団平均へ近づく理由を説明せよ。

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ヒント1:最初の着眼点

事前分布と尤度の母数に関する項だけを掛け、指数をまとめて既知の分布族を見つけます。点推定は指定された損失関数に合わせます。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

個体データが少ないと個体尤度の情報量が小さく、母集団分布という事前情報の相対的重みが大きくなります。そのため個体推定値は母集団平均へ強く縮みます。

観測が多い個体では尤度の情報量が増え、個体データ側の重みが大きくなります。

答案で気をつけること: 縮小を「補正」とだけ呼ばず、事前情報と個体尤度の情報量の釣り合いとして説明します。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題7:RNA-seqの分散推定

遺伝子ごとに少数標本しかないとき、各遺伝子の分散を完全に別々に推定するより、経験Bayesで情報共有する利点と注意点を述べよ。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

多数遺伝子から分散の全体傾向を学び、極端に不安定な遺伝子別分散を縮小できるため、MSEと検定の安定性が改善します。

一方、全遺伝子が似た分散構造を持つという仮定、超母数推定の不確実性、強い外れ遺伝子への頑健性を確認する必要があります。

答案で気をつけること: 細胞数やread数が多くても、生物学的replicateが少ない問題は解消されません。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題8:L2正則化とMAP

正規誤差の線形回帰で係数 β\beta に平均0の正規事前分布を置くと、MAP推定がL2正則化に対応することを説明せよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

正規尤度の負の対数は残差平方和に比例し、正規事前分布の負の対数は β22\|\beta\|_2^2 に比例します。したがって事後最大化は、

minimizeβ{i(yixiTβ)2+λβ22}\operatorname*{minimize}_\beta \left\{ \sum_i(y_i-x_i^\mathsf T\beta)^2 +\lambda\|\beta\|_2^2 \right\}

と同値です。

答案で気をつけること: MAPの点推定と、事後分布全体を用いたBayes予測を区別します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題9:多バイオマーカーの情報行列

2つのバイオマーカー効果 θ1,θ2\theta_1,\theta_2 の情報行列の非対角成分が大きいとき、推定上何が起こるか説明せよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

2つの母数の尤度方向が強く結び付き、片方を変えた影響をもう片方で補えるため、個々の効果を分離しにくくなります。情報行列の逆の対角成分が大きくなり、標準誤差が増えることがあります。

追加デザイン、直交化、事前情報、複合指標の利用を検討します。

答案で気をつけること: 非対角成分そのものを相関係数と断定せず、逆行列から推定量の共分散を評価します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題10:毒性予測の不確実性

毒性分類モデルの出力確率を「真の毒性確率」と解釈する前に、推定の観点から確認すべき項目を挙げよ。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

独立な外部検証での校正、クラス不均衡、学習分布と適用先の差、モデル・母数・データ由来の不確実性、閾値ごとの損失を確認します。

深層学習のsoftmax値は自動的に校正された事後確率にはなりません。温度スケーリング、bootstrap、ensembleなどで不確実性と校正を評価します。

答案で気をつけること: 識別性能のAUROCだけでは、確率推定の正しさや臨床的損失は評価できません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

第七章 統計的仮説検定

この章は34問です。考え方を復習したいときは元の記事の解説へ戻れます。

数理統計問題(18問)

問題1:右片側Z検定

X1,,X25iidN(μ,16)X_1,\ldots,X_{25}\overset{\mathrm{iid}}{\sim}N(\mu,16) とします。Xˉ=11.2\bar X=11.2 を観測しました。H0:μ10H_0:\mu\le10H1:μ>10H_1:\mu>10 を有意水準 0.050.05 で検定してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

H0の境界 μ=10\mu=10

Z=Xˉ104/25=11.2100.8=1.50Z=\frac{\bar X-10}{4/\sqrt{25}} =\frac{11.2-10}{0.8}=1.50

は標準正規分布に従います。右片側5%の臨界値は z0.95=1.645z_{0.95}=1.645 です。1.50<1.6451.50<1.645 なのでH0は棄却しません。p値は 1Φ(1.50)0.06681-\Phi(1.50)\approx0.0668 であり、5%より大きいことからも同じ結論です。

答案で気をつけること

H0:μ10H_0:\mu\le10 でも、棄却確率が最大になる境界 μ=10\mu=10 で帰無分布を計算します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題2:両側t検定

通し例の n=16,Xˉ=74,S=8n=16,\bar X=74,S=8 を用い、H0:μ=70H_0:\mu=70H1:μ70H_1:\mu\ne70 を有意水準 0.050.05 で検定してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
T=74708/16=2.00t15(H0).T=\frac{74-70}{8/\sqrt{16}}=2.00\sim t_{15}\quad(H_0).

両側5%の臨界値は t15,0.9752.131t_{15,0.975}\approx2.131 です。2.00<2.131|2.00|<2.131 なのでH0は棄却しません。両側p値は約 0.0640.064 です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:分散比のF検定

独立な正規標本から n1=11,S12=18n_1=11,S_1^2=18n2=16,S22=8n_2=16,S_2^2=8 を得ました。H0:σ12=σ22H_0:\sigma_1^2=\sigma_2^2 の下で用いる検定統計量と自由度を答えてください。

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ヒント1:最初の着眼点

求める量を定義式へ戻します。平均を先に求め、分散では E[X2]E[X]2E[X^2]-E[X]^2、共分散では積の期待値と平均の積を区別します。

ヒント2:式を立てる入口

平均、2乗の平均、積の平均を混同しないよう、それぞれを別に計算して最後に組み合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

用いる定義または母関数の微分式を示し、途中の期待値・分散・共分散の計算を経て結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
F=S12S22=188=2.25.F=\frac{S_1^2}{S_2^2}=\frac{18}{8}=2.25.

H0の下で FF10,15F\sim F_{10,15} です。分子・分母の自由度はそれぞれ n11=10,n21=15n_1-1=10,n_2-1=15 です。両側検定なら、片側の上側確率だけで判断せず、両端に有意水準を配ります。

答案での注意

分散は E[X2](E[X])2E[X^2]-(E[X])^2、共分散は E[XY]E[X]E[Y]E[XY]-E[X]E[Y] と、2つの項を別々に計算してから差を取ります。

問題4:尤度比検定とZ検定

XiN(μ,σ2)X_i\sim N(\mu,\sigma^2)σ2\sigma^2既知とします。H0:μ=μ0H_0:\mu=\mu_0 に対する尤度比検定統計量 G2G^2Z2Z^2 に等しいことを示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

制約なし最尤推定値は μ^=Xˉ\hat\mu=\bar X、H0下の推定値は μ~=μ0\tilde\mu=\mu_0 です。対数尤度の差は

(Xˉ)(μ0)=12σ2{i(Xiμ0)2i(XiXˉ)2}.\ell(\bar X)-\ell(\mu_0) =\frac{1}{2\sigma^2}\left\{\sum_i(X_i-\mu_0)^2-\sum_i(X_i-\bar X)^2\right\}.

平方和分解より波括弧内は n(Xˉμ0)2n(\bar X-\mu_0)^2 です。よって

G2=2{(Xˉ)(μ0)}=n(Xˉμ0)2σ2=Z2.G^2=2\{\ell(\bar X)-\ell(\mu_0)\} =\frac{n(\bar X-\mu_0)^2}{\sigma^2}=Z^2.
答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題5:Wald検定とスコア検定

Poisson標本 XiPoisson(λ)X_i\sim\mathrm{Poisson}(\lambda) で、H0:λ=λ0H_0:\lambda=\lambda_0 を考えます。Wald統計量とスコア統計量を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

最尤推定値は λ^=Xˉ\hat\lambda=\bar X、漸近分散は λ/n\lambda/n なので、推定値を代入したWald統計量は

W=(Xˉλ0)2Xˉ/n.W=\frac{(\bar X-\lambda_0)^2}{\bar X/n}.

対数尤度は (λ)=i{Xilogλλ}+const.\ell(\lambda)=\sum_i\{X_i\log\lambda-\lambda\}+\text{const.} なので、

U(λ0)=iXinλ0λ0,In(λ0)=nλ0.U(\lambda_0)=\frac{\sum_iX_i-n\lambda_0}{\lambda_0},\qquad I_n(\lambda_0)=\frac{n}{\lambda_0}.

したがってスコア統計量は

R=U(λ0)2In(λ0)=(iXinλ0)2nλ0.R=\frac{U(\lambda_0)^2}{I_n(\lambda_0)} =\frac{(\sum_iX_i-n\lambda_0)^2}{n\lambda_0}.

いずれもH0の下で漸近的に χ12\chi^2_1 に従います。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:カイ二乗適合度検定

4分類の観測度数が (28,22,27,23)(28,22,27,23)、H0の下の確率が全て 1/41/4 とします。Pearson統計量を求め、自由度を答えてください。

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ヒント1:最初の着眼点

まず変換後の値が動く範囲を決め、元の変数へ戻す式とヤコビアンを確認します。単調でない変換では、同じ値へ移る元の点をすべて数えます。

ヒント2:式を立てる入口

変換前後の値域を決めてから、分布関数を使うか、逆変換とヤコビアンを使うかを選びます。

ヒント3:答案で何を書くか

最初に台を示し、必要なら逆変換とヤコビアンを書いたうえで、密度または分布関数を求めなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

総数は100なので各期待度数は25です。

X2=(2825)225+(2225)225+(2725)225+(2325)225=2625=1.04.X^2=\frac{(28-25)^2}{25}+\frac{(22-25)^2}{25}+\frac{(27-25)^2}{25}+\frac{(23-25)^2}{25} =\frac{26}{25}=1.04.

母数は推定していないので、自由度は 41=34-1=3 です。

答案での注意

台を省くと減点されやすくなります。特に二乗・絶対値のような非単調変換では、逆像を1つだけにしないことが重要です。

問題7:クロス表の独立性検定

薬剤群と対照群の反応者数が次の通りでした。独立性の下での期待度数を全セルについて求めてください。

反応非反応
薬剤302050
対照183250
4852100
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ヒント1:最初の着眼点

独立なら同時に起こる確率が積になることを使います。P(AcapB)P(Acap B)P(A)P(B)P(A)P(B) を別々に計算して比較します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

期待度数は行和×列和÷総数です。薬剤・反応セルでは

E11=50×48100=24.E_{11}=\frac{50\times48}{100}=24.

同様に薬剤・非反応は26、対照・反応は24、対照・非反応は26です。自由度は (21)(21)=1(2-1)(2-1)=1 です。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題8:検出力関数

右片側Z検定 H0:μμ0H_0:\mu\le\mu_0H1:μ>μ0H_1:\mu>\mu_0 を考えます。母標準偏差 σ\sigma、標本数nn、有意水準α\alphaのとき、真の平均がμ\muである場合の検出力を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

棄却域は

Xˉμ0σ/n>z1α\frac{\bar X-\mu_0}{\sigma/\sqrt n}>z_{1-\alpha}

です。整理すると Xˉ>μ0+z1ασ/n\bar X>\mu_0+z_{1-\alpha}\sigma/\sqrt n です。XˉN(μ,σ2/n)\bar X\sim N(\mu,\sigma^2/n) より、

π(μ)=1Φ(z1αμμ0σ/n).\pi(\mu)=1-\Phi\left(z_{1-\alpha}-\frac{\mu-\mu_0}{\sigma/\sqrt n}\right).
答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題9:Neyman–Pearson補題

XBernoulli(p)X\sim\mathrm{Bernoulli}(p) について、H0:p=0.2H_0:p=0.2H1:p=0.8H_1:p=0.8 を考えます。X=1X=1 のとき棄却する規則が尤度比の大きい側を棄却していることを確認してください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

尤度比は

f0.8(1)f0.2(1)=0.80.2=4,f0.8(0)f0.2(0)=0.20.8=14.\frac{f_{0.8}(1)}{f_{0.2}(1)}=\frac{0.8}{0.2}=4,\qquad \frac{f_{0.8}(0)}{f_{0.2}(0)}=\frac{0.2}{0.8}=\frac14.

X=1X=1 の方がH1の下で相対的に起こりやすいため、尤度比の大きい X=1X=1 側を棄却域に置きます。ただしこの非ランダム化検定のサイズは0.2であり、任意の小さい α\alpha を正確に作るにはランダム化が必要な場合があります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題10:単調尤度比と片側検定

XiN(μ,σ2)X_i\sim N(\mu,\sigma^2)σ2\sigma^2既知で H0:μμ0H_0:\mu\le\mu_0H1:μ>μ0H_1:\mu>\mu_0 を考えます。なぜ Xˉ\bar X が大きいときに棄却する検定が自然かを説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

支持範囲を含めて尤度を書き、対数を取ります。微分方程式だけで終わらず、2階微分、単調性、境界から最大であることを確認します。

ヒント2:式を立てる入口

未知母数を含む部分だけに注目します。推定では、微分だけで止めず、支持範囲または制約条件も確認します。

ヒント3:答案で何を書くか

推定量または統計量を導く根拠を示し、尤度・期待値・分散・制約条件を明記して結論を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

任意の μ1>μ0\mu_1>\mu_0 に対し、尤度比の対数は定数を除いて

logL(μ1)L(μ0)=n(μ1μ0)σ2Xˉ+const.\log\frac{L(\mu_1)}{L(\mu_0)} =\frac{n(\mu_1-\mu_0)}{\sigma^2}\bar X+\text{const.}

です。μ1μ0>0\mu_1-\mu_0>0 なので、これは Xˉ\bar X の増加関数です。したがって Xˉ\bar X が大きい標本ほどH1を支持し、単調尤度比から右片側のZ検定はUMPになります。

答案での注意

尤度の最大化では、支持範囲・境界・2階微分または単調性の確認を落とさないようにします。

問題11:1標本母比率の正規近似

二項分布 XBin(n,p)X\sim\operatorname{Bin}(n,p) に対して、H0:p=p0H_0:p=p_0 を検定する統計量を導きなさい。また、なぜ標準誤差の分母に p^\hat p ではなく p0p_0 を使うのか説明しなさい。

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ヒント1:最初の着眼点

元の統計量、中心化、尺度化、使う定理とその条件の順に整理します。近似では標本数や独立性などの条件も答案に添えます。

ヒント2:式を立てる入口

元の統計量から平均を引き、標準偏差または適切な尺度で割った量を先に書きます。

ヒント3:答案で何を書くか

中心化・尺度化した統計量を明示し、適用する定理とその条件を添えて、極限または近似結果を書きなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

二項分布の平均と分散は

E[X]=np,Var(X)=np(1p)E[X]=np,\qquad \operatorname{Var}(X)=np(1-p)

です。p^=X/n\hat p=X/n とおくと

E[p^]=p,Var(p^)=p(1p)n.E[\hat p]=p,\qquad \operatorname{Var}(\hat p)=\frac{p(1-p)}n.

中心極限定理から

p^pp(1p)/ndN(0,1).\frac{\hat p-p}{\sqrt{p(1-p)/n}}\xrightarrow{d}N(0,1).

検定ではH0の下の分布を使うため、p=p0p=p_0 を代入して

Z=p^p0p0(1p0)/ndN(0,1)Z=\frac{\hat p-p_0}{\sqrt{p_0(1-p_0)/n}} \xrightarrow{d}N(0,1)

となります。p^\hat p は観測後の推定値であり、信頼区間の標準誤差には使えますが、検定の帰無分布はH0の値 p0p_0 で定めるため分母は p0p_0 です。

答案での注意

定理名だけで終えず、独立性、分散の有限性、標準化、連続性などの適用条件を少なくとも1つ書きます。

問題12:2群の母比率差とプール推定量

独立な二項標本 XjBin(nj,pj)X_j\sim\operatorname{Bin}(n_j,p_j)j=1,2j=1,2)について、H0:p1=p2H_0:p_1=p_2 の検定統計量を導きなさい。検定と信頼区間で標準誤差が異なる理由も述べなさい。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず

p^j=Xjnj,E[p^j]=pj,Var(p^j)=pj(1pj)nj\hat p_j=\frac{X_j}{n_j},\qquad E[\hat p_j]=p_j,\qquad \operatorname{Var}(\hat p_j)=\frac{p_j(1-p_j)}{n_j}

です。独立性より

Var(p^1p^2)=p1(1p1)n1+p2(1p2)n2.\operatorname{Var}(\hat p_1-\hat p_2) =\frac{p_1(1-p_1)}{n_1}+\frac{p_2(1-p_2)}{n_2}.

H0では共通値 pp を仮定するので、両群を合わせた最尤推定量

p^pool=X1+X2n1+n2\hat p_{\mathrm{pool}}=\frac{X_1+X_2}{n_1+n_2}

を用います。したがって

Z=p^1p^2p^pool(1p^pool)(1n1+1n2)dN(0,1).Z=\frac{\hat p_1-\hat p_2} {\sqrt{\hat p_{\mathrm{pool}}(1-\hat p_{\mathrm{pool}}) \left(\frac1{n_1}+\frac1{n_2}\right)}} \xrightarrow{d}N(0,1).

検定は「差が0」というH0の下の分布を作るためプールします。一方、信頼区間は未知の p1,p2p_1,p_2 の差を推定するので、通常は各群の p^j\hat p_j を別々に使います。この目的の違いを答案に書きます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題13:Fisherの正確検定の確率

2×2表の周辺度数を固定したとき、左上セルの度数 AA が超幾何分布に従うことを示し、確率関数を書きなさい。

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ヒント1:最初の着眼点

まず1観測のスコアを求め、二乗の期待値または対数尤度の2階微分から情報量を計算します。標本全体では独立性により nn 倍します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

総数を NN、群1の標本数を n1n_1、反応ありの総数を m1m_1 とします。帰無仮説で群と反応が独立なら、NN 個の位置のうち反応ありの m1m_1 個が、群1の n1n_1 個の位置へ何個入るかを数えます。

群1に入る全ての組合せは (Nn1)\binom{N}{n_1} 通りです。左上セルが aa になるには、反応ありから aa 個を選び、反応なしから n1an_1-a 個を選ぶため、該当する組合せは

(m1a)(Nm1n1a)\binom{m_1}{a}\binom{N-m_1}{n_1-a}

通りです。したがって

P(A=a周辺度数)=(m1a)(Nm1n1a)(Nn1).P(A=a\mid\text{周辺度数}) =\frac{\binom{m_1}{a}\binom{N-m_1}{n_1-a}} {\binom{N}{n_1}}.

観測表と同じか、それ以上にH0から離れた表の確率を足してp値を作ります。期待度数が小さいときに漸近カイ二乗近似を避けられるのが利点ですが、周辺度数を固定する条件付き検定であることを明記します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題14:McNemar検定

対応のある2値データで、不一致セルが b=12,c=5b=12,c=5 でした。連続修正つきMcNemar統計量を求め、帰無仮説を述べなさい。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

帰無仮説は、方法1だけ陽性になる確率と方法2だけ陽性になる確率が等しいこと、すなわち不一致の2方向に差がないことです。不一致数は

b+c=12+5=17b+c=12+5=17

です。連続修正つき統計量は

X2=(bc1)2b+c=(1251)217=36172.12.X^2=\frac{(|b-c|-1)^2}{b+c} =\frac{(|12-5|-1)^2}{17} =\frac{36}{17}\approx2.12.

大標本近似では χ12\chi^2_1 と比較します。不一致数が17程度でも、厳密性を重視するなら BBin(17,1/2)B\sim\operatorname{Bin}(17,1/2) による正確二項検定を併記します。a,da,d の一致セルを分母に入れないことが重要です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題15:オッズ比と対数オッズ比の信頼区間

症例群で曝露ありが a=20a=20、曝露なしが b=80b=80、対照群で曝露ありが c=10c=10、曝露なしが d=90d=90 でした。オッズ比を求め、対数オッズ比の近似標準誤差と95%信頼区間を求めてください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、症例群の曝露オッズは 20/8020/80、対照群の曝露オッズは 10/9010/90 です。したがって

OR^=20/8010/90=20×9080×10=2.25.\widehat{OR} =\frac{20/80}{10/90} =\frac{20\times90}{80\times10} =2.25.

対数を取ると

log(OR^)=log(2.25)0.811.\log(\widehat{OR})=\log(2.25)\approx0.811.

大標本近似の標準誤差は

SE{log(OR^)}=120+180+110+1900.424.\operatorname{SE}\{\log(\widehat{OR})\} =\sqrt{\frac1{20}+\frac1{80}+\frac1{10}+\frac1{90}} \approx0.424.

したがって対数尺度での95%信頼区間は

0.811±1.96(0.424)[0.020,1.642].0.811\pm1.96(0.424) \approx[-0.020,1.642].

最後に指数変換して

CI95%(OR)=[e0.020,e1.642][0.98,5.17].\operatorname{CI}_{95\%}(OR) =\left[e^{-0.020},e^{1.642}\right] \approx[0.98,5.17].

1を含むため、5%水準ではオッズ比が1と異なるとまでは結論できません。症例対照研究なら、この値をリスク比と呼ばないことが重要です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

セルごとのオッズを先に計算し、オッズ比の対数を正規近似してから最後に指数変換する方法でも解けます。

問題16:2群のPoisson発生率の差

2群で独立な発生件数 D1=8,D2=15D_1=8,D_2=15 と総人時間 T1=400,T2=500T_1=400,T_2=500 が得られました。帰無仮説 H0:I1=I2H_0:I_1=I_2 を考え、プールした率に基づく近似検定統計量を導いて計算してください。

段階別ヒントを開く
ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

各群の率は

I^1=8400=0.020,I^2=15500=0.030.\hat I_1=\frac8{400}=0.020,\qquad \hat I_2=\frac{15}{500}=0.030.

Poisson分布の性質から

Var(I^1)I1T1,Var(I^2)I2T2.\operatorname{Var}(\hat I_1)\approx\frac{I_1}{T_1}, \qquad \operatorname{Var}(\hat I_2)\approx\frac{I_2}{T_2}.

独立性により差の分散は和になります。H0では共通率を II と置くため、

Var(I^1I^2)I(1T1+1T2).\operatorname{Var}(\hat I_1-\hat I_2) \approx I\left(\frac1{T_1}+\frac1{T_2}\right).

共通率の推定値は、全発生数を全人時間で割って

I^0=D1+D2T1+T2=239000.02556.\hat I_0=\frac{D_1+D_2}{T_1+T_2} =\frac{23}{900}\approx0.02556.

したがって帰無仮説の標準誤差は

SE0=0.02556(1400+1500)0.01068.\operatorname{SE}_0 =\sqrt{0.02556\left(\frac1{400}+\frac1{500}\right)} \approx0.01068.

検定統計量は

Z=0.0200.0300.010680.936.Z=\frac{0.020-0.030}{0.01068}\approx-0.936.

両側5%では Z<1.96|Z|<1.96 なので、H0を棄却しません。なお、条件付きに二項分布へ変形して検定する方法もあり、Poisson率比較の別解になります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

共通の発生率を仮定し、合計発生数で条件付けると二項分布に帰着できます。Poisson率比較の別解です。

問題17:Poisson率の正確信頼区間

総人時間 TT の観察で発生件数 rr が得られたとします。Poisson率 II の正確な95%信頼区間を、カイ二乗分布の分位点を用いて示してください。カイ二乗分位点は下側確率で定義するものとします。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
rPoisson(IT)r\sim\operatorname{Poisson}(IT)

です。Poisson確率変数の観測値 rr に対して、次の関係を使います。

2ITχ2r+22または2ITχ2r22IT\sim\chi^2_{2r+2} \quad\text{または}\quad 2IT\sim\chi^2_{2r}

という上下の尾確率の関係から、下側確率 qq の分位点を χν,q2\chi^2_{\nu,q} と書けば

χ2r,0.02522TIχ2r+2,0.97522T.\frac{\chi^2_{2r,\,0.025}}{2T} \le I\le \frac{\chi^2_{2r+2,\,0.975}}{2T}.

これが95%正確信頼区間です。正規近似の I^±1.96I^/T\hat I\pm1.96\sqrt{\hat I/T} と違い、件数が少ないときにも区間が負になりません。r=0r=0 では下限を0とします。表によって上側確率の記法が違うため、分位点の定義を最初に明記します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

Poisson分布の下側・上側確率をそれぞれカイ二乗分布の確率に変換し、両側の尾確率を反転して区間を作る方法でも導けます。

問題18:Wilcoxon順位和統計量

2群の標本サイズを n1,n2n_1,n_2 とし、同順位がないものとします。群1の順位和を WW としたとき、UU の定義、帰無仮説の下での平均と分散、大標本近似統計量を示してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

群1の各観測値に付いた順位を足したものを WW とします。群1の観測値自身が作る最小の順位和は

1+2++n1=n1(n1+1)2.1+2+\cdots+n_1 =\frac{n_1(n_1+1)}2.

そのため、順位和からこの最小値を引いた

U=Wn1(n1+1)2U=W-\frac{n_1(n_1+1)}2

を使います。これは、群1の値が群2の値より大きい組の数としても解釈できます。

帰無仮説の下では、各順位がどの群に入るかが対称なので、全ての組の半分が平均的に群1側へ対応し、

E(U)=n1n22.E(U)=\frac{n_1n_2}{2}.

同順位がない場合の分散は

Var(U)=n1n2(n1+n2+1)12.\operatorname{Var}(U) =\frac{n_1n_2(n_1+n_2+1)}{12}.

よって

Z=Un1n2/2n1n2(n1+n2+1)/12approxN(0,1).Z= \frac{U-n_1n_2/2} {\sqrt{n_1n_2(n_1+n_2+1)/12}} \overset{\mathrm{approx}}{\sim}N(0,1).

答案では「連続値だからt検定」ではなく、順序尺度、外れ値、分布形、独立性を確認してから検定を選びます。同順位がある場合は、この分散に同順位補正を入れます。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

順位和をそのまま使う方法もあります。順位和とU統計量は定数分だけ異なるので、標準化した値は同じになります。

医薬・生命科学の問題(16問)

問題1:細胞生存率の片側t検定

化合物処理後の生存率が基準70%より高いかを、n=9,Xˉ=76,S=9n=9,\bar X=76,S=9 から有意水準5%で検定してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
H0:μ70,H1:μ>70.H_0:\mu\le70,\qquad H_1:\mu>70.T=76709/9=2.00t8(H0).T=\frac{76-70}{9/\sqrt9}=2.00\sim t_8\quad(H_0).

右片側5%の臨界値は約1.860なので、2.00>1.8602.00>1.860 です。H0を棄却し、生存率が70%より高いことを支持するデータです。ただし、ウェルが独立な実験単位か、別日に再現したかは別に確認します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題2:有害事象率と片側検定

既知の有害事象率を5%とします。新規製剤で100例中10例に有害事象が起きました。「率が5%を超えるか」を考えるとき、片側検定のH0とH1を答え、どちら向きの棄却域を使うか説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。
H0:p0.05,H1:p>0.05.H_0:p\le0.05,\qquad H_1:p>0.05.

観測された有害事象数が大きいほどH1を支持するので、上側(右片側)棄却域を使います。小標本や期待度数が小さい場合は、正規近似より正確な二項検定を優先します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題3:遺伝子型と反応の独立性

遺伝子型(AA、Aa、aa)と反応(あり、なし)の関連をクロス表で検定するとき、帰無仮説、自由度、注意点を答えてください。

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ヒント1:最初の着眼点

独立なら同時に起こる確率が積になることを使います。P(AcapB)P(Acap B)P(A)P(B)P(A)P(B) を別々に計算して比較します。

ヒント2:式を立てる入口

まず、条件として分かっている事象を縦棒の右側へ置きます。複数の経路があるなら、それぞれの確率を足し合わせます。

ヒント3:答案で何を書くか

必要な事象を記号で置き、条件付き確率・全確率・ベイズの定理のうち用いた式を明記して計算しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

H0は「遺伝子型と反応は独立」です。3×23\times2 表なので、自由度は

(31)(21)=2(3-1)(2-1)=2

です。期待度数が小さいセルがあるなら、カテゴリ併合、正確法、モデル化を検討します。集団構造や治療群などの交絡があれば、単純な独立性検定だけでは因果的な解釈はできません。

答案での注意

条件付き確率では、縦棒の右側に置いた事象が分母です。P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) を入れ替えないようにします。

問題4:2群のばらつき比較

2つの測定法の再現性を比べるためにF検定を行う際、正規性が怪しいときの注意を説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

F統計量の正確なF分布は正規母集団を仮定します。外れ値や歪みがあると分散比が大きく影響を受けるため、残差図・箱ひげ図を確認し、必要ならロバストな分散比較や変換、bootstrapを併用します。F検定の非有意は「再現性が同じ」の証明ではありません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題5:多重バイオマーカーとp値

20個の候補バイオマーカーをそれぞれ有意水準5%で検定しました。全ての帰無仮説が正しいとして、少なくとも1つが偶然有意となる確率を独立近似で求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

どれも有意でない確率は (10.05)20=0.9520(1-0.05)^{20}=0.95^{20} です。よって少なくとも1つが有意となる確率は

10.95200.642.1-0.95^{20}\approx0.642.

5%より大きく、複数比較を無視できません。実際には検定間の相関もありますが、主要評価項目の事前指定やFDR・FWERの制御を検討します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題6:AI分類器の比較

同じ患者群に対する2つのAI分類器の正解・不正解を比較するとき、独立な2標本の比率検定をそのまま使いにくい理由を説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

同じ患者に対する2モデルの予測結果は対応しており、正解率の推定値は独立ではありません。患者ごとの「Aだけ正解」「Bだけ正解」という不一致対を用いるMcNemar検定など、対応を保つ方法を使います。さらに、モデル選択に使ったデータで最終検定を行わないことも必要です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題7:薬剤群と対照群の毒性割合

薬剤群110例中15例、対照群105例中7例に毒性が観察されました。毒性割合の差について、両側5%で検定する手順を示し、差の95%信頼区間も求めてください。正規近似を用いてよいものとします。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

薬剤群を1、対照群を2とし、

p^1=15110=0.1364,p^2=7105=0.0667\hat p_1=\frac{15}{110}=0.1364, \qquad \hat p_2=\frac7{105}=0.0667

です。検定では

H0:p1=p2,H1:p1p2H_0:p_1=p_2, \qquad H_1:p_1\ne p_2

と置きます。H0の下のプール推定量は

p^=15+7110+105=0.1023.\hat p=\frac{15+7}{110+105}=0.1023.

したがって帰無仮説の標準誤差は

SE0=0.1023(10.1023)(1110+1105)0.0413\operatorname{SE}_0 =\sqrt{0.1023(1-0.1023)\left(\frac1{110}+\frac1{105}\right)} \approx0.0413

であり、

Z=0.13640.06670.04131.69Z=\frac{0.1364-0.0667}{0.0413}\approx1.69

です。Z<1.96|Z|<1.96 なので、5%水準ではH0を棄却しません。

信頼区間では各群を別々に使い、

SECI=0.1364(10.1364)110+0.0667(10.0667)1050.0417.\operatorname{SE}_{\mathrm{CI}} =\sqrt{\frac{0.1364(1-0.1364)}{110} +\frac{0.0667(1-0.0667)}{105}} \approx0.0417.

よって差の95%信頼区間は

(0.13640.0667)±1.96(0.0417)[0.012,0.152](0.1364-0.0667)\pm1.96(0.0417) \approx[-0.012,0.152]

です。観測差は約6.97ポイントですが、0を含むため、差があると断定できません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題8:同じ検体を2法で測定した場合

同じ60検体を検査法AとBで判定したところ、Aのみ陽性が9検体、Bのみ陽性が3検体でした。どの検定を使い、どの統計量を計算するか答えてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

同じ検体を2回測定しているため、2つの判定は対応しています。独立2標本の比率検定ではなく、McNemar検定を使います。不一致セルを b=9,c=3b=9,c=3 とすると、連続修正つき統計量は

X2=(931)29+3=2512=2.08.X^2=\frac{(|9-3|-1)^2}{9+3}=\frac{25}{12}=2.08.

大標本近似では χ12\chi^2_1 と比較します。不一致数が小さいときは、b+c=12b+c=12 を条件に BBin(12,1/2)B\sim\operatorname{Bin}(12,1/2) として正確p値を求めます。検体内の対応を保ったまま、Aのみ陽性とBのみ陽性の頻度を比較することが本質です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題9:人年あたり発生率の比較

薬剤群では400人年の観察で8件、対照群では500人年で15件の発生がありました。各群の発生率、率比、率比の近似95%信頼区間を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

薬剤群と対照群の率は

I^1=8400=0.0200,I^2=15500=0.0300\hat I_1=\frac8{400}=0.0200, \qquad \hat I_2=\frac{15}{500}=0.0300

です。単位は件/人年です。率比は

IRR^=0.02000.0300=0.667.\widehat{IRR}=\frac{0.0200}{0.0300}=0.667.

対数率比の近似標準誤差は

SE{log(IRR^)}=18+1150.438.\operatorname{SE}\{\log(\widehat{IRR})\} =\sqrt{\frac18+\frac1{15}} \approx0.438.

また log(0.667)0.405\log(0.667)\approx-0.405 なので、対数尺度の95%信頼区間は

0.405±1.96(0.438)[1.263,0.453].-0.405\pm1.96(0.438) \approx[-1.263,0.453].

指数変換して

IRR の95%信頼区間[0.283,1.573].IRR\text{ の95\%信頼区間}\approx[0.283,1.573].

1を含むため、率比が1と異なるとまではいえません。人時間を使った理由は、各人の追跡期間が異なっても観察量を分母へ反映できるためです。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題10:有病割合と発生率の区別

ある地域で調査時点に200人中40人が疾患を持っていました。その後、調査時点で疾患のなかった160人を2年間追跡したところ、新規発症が12件ありました。有病割合、累積発生割合、近似的な発生率を区別して求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

調査時点で疾患を持つ人の割合は有病割合なので、

有病割合=40200=0.20.\text{有病割合}=\frac{40}{200}=0.20.

追跡開始時に疾患がなかった160人のうち、新たに発症した割合は累積発生割合なので、

累積発生割合=12160=0.075.\text{累積発生割合}=\frac{12}{160}=0.075.

全員を2年間追跡できたと近似すれば、人時間は 160×2=320160\times2=320 人年です。したがって発生率は

発生率=12320=0.0375 件/人年\text{発生率}=\frac{12}{320}=0.0375\text{ 件/人年}

です。有病割合は既存例を含む時点の状態、累積発生割合は追跡期間中の新規例の割合、発生率は新規例を人時間で割った量です。分母と時間の基準が違うため、3つを同じ数値として比較してはいけません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

問題11:症例対照研究のオッズ比

ある疾患の症例200人と対照300人について、リスク因子への曝露を調べたところ、症例では曝露ありが200人、曝露なしが4800人、対照では曝露ありが300人、曝露なしが29700人に相当する集団から抽出されたとします。症例対照研究で推定できる関連指標を計算し、解釈上の注意を述べてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

症例対照研究では、研究者が症例数と対照数を先に決めるため、曝露群と非曝露群の発症リスクをそのまま比較できません。したがって、オッズ比を使います。

曝露オッズは、曝露人数を非曝露人数で割ったものなので、

OR^=200/4800300/29700=200×297004800×300=4.125.\widehat{OR} =\frac{200/4800}{300/29700} =\frac{200\times29700}{4800\times300} =4.125.

したがって、症例群では対照群より曝露オッズが約4.13倍です。これは「発症リスクが4.13倍」と同じ意味ではありません。疾患がまれで、症例対照研究が適切に設計されているときには、オッズ比をリスク比の近似として解釈できる場合がありますが、常に成り立つわけではありません。因果関係を結論するには、交絡、選択バイアス、情報バイアスも検討します。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

2×2表のセルを a,b,c,d と置けばオッズ比は ad/(bc) と一行で書けます。ただし症例対照研究では発症リスクそのものは設計上求まりません。

問題12:喫煙と循環器疾患の死亡率

喫煙者では43248人年の観察で104死亡、非喫煙者では10673人年で12死亡でした。死亡率の差、死亡率比、および死亡率比の近似95%信頼区間を求めてください。結果を因果関係として断定してよいかも答えてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

まず、各群の死亡率を10万人年あたりに直します。

I^1=10443248×100000240.47,I^2=1210673×100000112.43.\hat I_1=\frac{104}{43248}\times100000 \approx240.47, \qquad \hat I_2=\frac{12}{10673}\times100000 \approx112.43.

死亡率差は

RD^=240.47112.43=128.04\widehat{RD}=240.47-112.43=128.04

であり、10万人年あたり約128件の差です。

死亡率比は

IRR^=104/4324812/106732.14.\widehat{IRR} =\frac{104/43248}{12/10673} \approx2.14.

Poisson近似では、対数死亡率比の標準誤差は死亡数だけを使って

SE{log(IRR^)}1104+1120.298.\operatorname{SE}\{\log(\widehat{IRR})\} \approx\sqrt{\frac1{104}+\frac1{12}} \approx0.298.

よって

log(2.14)±1.96(0.298)[0.168,1.323].\log(2.14)\pm1.96(0.298) \approx[0.168,1.323].

指数変換すると

CI95%(IRR)[e0.168,e1.323][1.18,3.75].\operatorname{CI}_{95\%}(IRR) \approx[e^{0.168},e^{1.323}] \approx[1.18,3.75].

信頼区間が1を含まないため、死亡率比が1と異なることは示唆されます。しかし、観察研究なので、年齢、職業、既往歴、健康行動などの交絡を調整しなければ、喫煙が死亡を直接引き起こしたと断定できません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

死亡率差は差の尺度、率比は対数を取った比の尺度で別々に扱う解答も可能です。差の帰無値は0、比の帰無値は1です。

問題13:標準化死亡比(SMR)

ある地域の観察死亡数は146人、年齢階級別の標準死亡率から計算した期待死亡数は98.7人でした。SMRを求め、標準集団と比べて死亡が多いかを近似的に検定してください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

標準化死亡比は、観察死亡数を期待死亡数で割ります。

SMR^=14698.71.48.\widehat{SMR}=\frac{146}{98.7}\approx1.48.

まず帰無仮説の下で、期待死亡数を平均とするPoisson分布を考えます。

RPoisson(E),E=98.7.R\sim\operatorname{Poisson}(E), \qquad E=98.7.

正規近似と連続修正を使うと、観測値が期待値より大きい方向の統計量は

Z=14698.70.598.74.71.Z=\frac{|146-98.7|-0.5}{\sqrt{98.7}} \approx4.71.

5%両側検定の基準値1.96を大きく上回るので、帰無仮説を棄却します。この地域の死亡数は、標準集団から期待される数より多いと判断されます。

ただし、死亡数が少ない場合には正規近似を使わず、Poisson分布またはカイ二乗分布による正確信頼区間・正確検定を使います。SMRは年齢構成などを標準化した比較指標ですが、標準化に使っていない交絡因子まで自動的に調整するものではありません。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

期待死亡数を平均とするPoisson検定を直接行い、観測数以上の確率を計算する方法があります。死亡数が少ないときはこちらを優先します。

問題14:マッチングを用いた患者対照研究

1人の患者に2人の対照を対応させた研究で、患者側の曝露人数の合計を Δ=26\Delta=26、対照側の曝露人数の合計を F=30F=30iδifi=19\sum_i\delta_i f_i=19i(δi+fi)2=102\sum_i(\delta_i+f_i)^2=102 とします。Mantel—Haenszel型のマッチング解析でオッズ比と検定統計量を求めてください。

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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

1対2マッチングでは、患者ごとに患者側の曝露指標 δi\delta_i と、対照側の曝露人数 fif_i を集計します。画像の形式の推定量では、

OR^MH=mΔiδifiFiδifi,m=2.\widehat{OR}_{MH} =\frac{m\Delta-\sum_i\delta_i f_i} {F-\sum_i\delta_i f_i}, \qquad m=2.

数値を代入すると

OR^MH=2×26193019=3311=3.00.\widehat{OR}_{MH} =\frac{2\times26-19}{30-19} =\frac{33}{11}=3.00.

したがって、マッチング後の解析では、患者側の曝露オッズが対照側の約3倍と推定されます。

近似検定統計量は

χ2=(mΔF)2(m+1)(Δ+F)i(δi+fi)2=(5230)23(56)102=484667.33.\chi^2 =\frac{(m\Delta-F)^2} {(m+1)(\Delta+F)-\sum_i(\delta_i+f_i)^2} =\frac{(52-30)^2}{3(56)-102} =\frac{484}{66} \approx7.33.

自由度1のカイ二乗分布と比較すると、5%点3.84、1%点6.63より大きいため、1%水準でも関連を棄却できる近似結果です。マッチングを行ったのに対応を無視して単純な2×2表を解析すると、標準誤差や交絡調整が不適切になる可能性があります。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

マッチング層ごとの条件付き表を考え、層別の情報を統合する方法でも解けます。マッチングで作った層を解析時にも維持することが重要です。

問題15:順序カテゴリとWilcoxon順位和検定

薬剤群と対照群で、改善度を「著明改善・中程度改善・軽度改善・不変・悪化」の5段階で評価しました。数値を連続量とみなすことに無理がある場合、2群を比較する方法を説明してください。

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ヒント1:最初の着眼点

最大値が xx 以下である事象を「すべての観測値が xx 以下」と言い換え、まず分布関数を求めます。密度が必要なら最後に微分します。

ヒント2:式を立てる入口

最大値・最小値そのものを直接扱わず、まず「ある値以下(以上)」の事象へ言い換えます。

ヒント3:答案で何を書くか

求める順序統計量の分布関数を先に導き、必要に応じて微分して密度または極限分布を求めなさい。

解答・解説を開く別解あり
模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

改善度は順序を持ちますが、隣り合うカテゴリの間隔が等しいとは限りません。そのため、まず全対象を一緒に並べて順位を付け、薬剤群の順位和 WW、または順位和から定数を引いたU統計量を計算するWilcoxon順位和検定を使います。

帰無仮説は、両群の分布位置に系統的な差がないことです。大標本では

U=Wn1(n1+1)2,E(U)=n1n22,U=W-\frac{n_1(n_1+1)}2, \qquad E(U)=\frac{n_1n_2}{2},Var(U)=n1n2(n1+n2+1)12\operatorname{Var}(U) =\frac{n_1n_2(n_1+n_2+1)}{12}

を使って標準化します。同順位があるときは同順位補正が必要です。

結論は「薬剤群の改善度の順位が高い傾向がある」のように書きます。Wilcoxon検定の有意差だけから、中央値だけが異なる、効果量が臨床的に大きい、という結論を自動的に出してはいけません。

答案での注意

最大値なら「全て以下」、最小値なら「全て以上」を使います。独立なら積にできる理由も一言添えます。

別解・別の見方

カテゴリを数値化してt検定を行う代わりに、順位を使った置換検定として考える方法もあります。順序尺度の情報を保ったまま小標本に対応できます。

問題16:研究デザインと比較指標の選択

次の3つの研究について、主に報告すべき比較指標を選び、その理由を説明してください。

  1. 薬剤投与群と対照群を登録し、2年間追跡して新規発症を調べる。
  2. まれな疾患の患者を集め、過去の曝露を対照と比較する。
  3. ある時点で住民を調べ、症状の有無と現在の生活習慣を同時に記録する。
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ヒント1:最初の着眼点

問題文から「与えられた量」「求める量」「使えそうな定義や定理」を1つずつ抜き出し、式へ置き換えてから計算します。

ヒント2:式を立てる入口

求める量の定義を一度そのまま書き、与えられた条件を代入できる形まで整えます。

ヒント3:答案で何を書くか

使う定義または定理を先に書き、計算過程を示したうえで、最後に求める量を明確に結論として記しなさい。

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模範解答

答案では、以下の順に書くと採点者に根拠が伝わります。

答案の骨組み
  1. 定義・定理:使う公式と、その公式が使える条件を書く。
  2. 計算:記号を代入し、途中の等式が追えるように変形する。
  3. 結論:求める確率・分布・推定量を明示して一文で結ぶ。

1では、曝露を起点に追跡して新規発症を観察するのでコホート研究です。発症割合の比ならリスク比、発症割合の差ならリスク差、人時間を分母にするなら発生率比を報告できます。

2では、症例数と対照数を研究者が決めるため、発症リスクやリスク比を直接計算できません。曝露オッズの比であるオッズ比を主な指標にします。まれな疾患なら、条件が整えばリスク比の近似として扱えることがあります。

3では、調査時点の状態を同時に測る横断研究です。有病割合の比や有病割合の差、オッズ比を検討できますが、曝露と症状の時間的順序が不明なので、因果関係の主張には慎重さが必要です。

答案での注意

式だけを並べず、最終行を「したがって、…である。」で閉じ、求める対象と結果が対応しているか確認します。

別解・別の見方

研究の時間軸を横に描き、曝露が先か、疾患の選択が先か、同時測定かを確認する方法でも整理できます。時間軸から主な比較指標を選びます。